自衛隊情報資料の読み方

日本共産党が公表した自衛隊の情報資料。あらためて読んでみると、とんでもない資料であることがよく分かります。

公表された資料は、(A)陸上自衛隊・東北方面情報保全隊が作成した「情報資料について(通知)」と、(B)情報保全隊本部が作成した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」という2種類の資料からなっています。

Bの「反対動向」の方が大部で、全国の自衛隊イラク派兵反対運動を調べ上げていますが、僕が重要だと思うのは、Aの方です。というのは、Bがイラク自衛隊派兵反対運動に絞った資料であるのにたいして、Aの方は、一般的な情報資料という性格になっているからです。つまり、Bだけをみると、「イラク派兵反対運動が広がったので情報収集した」という言い訳もなりたつようにみえるけれども、Aは、そうではなく、日常的に自衛隊がこういう情報収集活動をやっている、ということを示している、ということです。これは、志位委員長が記者会見で指摘していることですが、資料を読んでみて、あらためてその指摘の重要性がよく分かりました。

事実、Aには、自衛隊イラク派兵反対だけでなく、「医療費負担増の凍結・見直し」を求める宣伝活動(2004年1月9日、青森市)や森住卓写真展(古川市、1月21日)、小林多喜二展(2月18日?、秋田市)などについても記載があり、自衛隊が、日常的に、さまざまな集会や宣伝活動、催し物についても情報収集をやっていることが分かります。

そして、そうした情報を自衛隊は、

2、一般情勢
 (1)国政及び地方自治体の動向
 (2)治安情勢
3、反自衛隊活動
4、外事

などに分類して、集約しているのです。

「反自衛隊活動」に分類された中には、自衛隊の射撃演習にたいする苦情、なども含まれています。

また、1月11日、多賀城市の成人式での宣伝行動については「前年も同一人物、同一要領による取組実施」と書かれていて、こうした情報収集が日常的に行われていることを示しています。

さらに、1月25日、仙台基地では、入り口で面会票に記入して、基地内の売店でTシャツを買った人物について、「面会票に不実記載」として「不審人物の特定作業を継続中」とあります。不審人物について調べるのは当然と思われるかも知れませんが、このことが示しているのは、面会票に記入された住所・氏名について、自衛隊はすべて照会・確認をおこなっている、ということです。

こういうふうに読んでくると、Aは、「自衛隊の行動に対しては、さまざまな賛成、反対があるので、絶えず情報収集は行っている」(共産党の緒方靖夫議員にたいする久間防衛相の答弁)といったものではなく、自衛隊が日常的に国民諸階層のさまざまな運動について情報収集・監視活動をやっている、ということを示している、ということが分かってきます。

もちろん、こういう資料を東北方面情報保全隊だけがつくっていたとは考えにくいので、全国で、同様の「情報資料」が日常的につくられている、と考えるべきです。そして、Bの「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」という資料は、こうした日常的な「情報資料」作成活動のうえに、特別につくられたもの、ということができます。

こういうふうに読んでいくと、Bの資料にも圧倒されるけれども、実はAの方が怖ろしい、ということが分かるのではないでしょうか。

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  1. さるのつぶやき - trackback on 2007/06/10 at 20:39:24
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