自衛隊の市民監視に、地方紙は怒る!!!(その2)

自衛隊の国民監視問題で、地方紙の社説を紹介しましたが、神奈川新聞も13日付で社説を掲載。

情報保全隊の活動は「国民の集会・結社の自由や、報道の自由に圧迫を加える不当な行動」「時の政府の政策に反対することを、「反自衛隊」などと受け止めるのは、民主主義の初歩的ルールすら理解していない」と批判。「軍事組織のシビリアンコントロール(文民統制)は国家運営の最重要課題」として、与党にたいしても真相究明を要求しています。

自衛隊の市民監視 国会で徹底追及が必要だ(神奈川新聞)

社説:自衛隊の市民監視 国会で徹底追及が必要だ
[神奈川新聞 2007/06/13]

 陸上自衛隊の情報保全隊が、市民団体、労働組合、政党、宗教団体、ジャーナリストらの活動を監視し、情報収集していたことが発覚した。これは、同隊の任務を逸脱し、国民の集会・結社の自由や、報道の自由に圧迫を加える不当な行動である。
 ところが、久間章生防衛相は国会で「今までもやってきたし、悪いことではない」などと答弁。守屋武昌事務次官は会見で今後も情報収集を続ける考えを示した。理解し難い態度である。これでは国民と自衛隊の間に深刻な断絶、不信を生むばかりか、自衛隊の「暴走」にもつながりかねない。国会審議で実態を徹底究明し、不当な活動を即刻中止させるべきだ。
 明らかになった内部文書は、イラクへの自衛隊派遣に反対する集会やデモ、ビラ配布などについて、日時や場所、団体名、内容などを記載。集会参加者の写真もあった。また、自衛隊とは関係ない消費税増税反対の運動まで記載されていた。県内分では、横須賀の市民団体による海上デモや、相模原市議の街頭宣言活動、本紙も取材し掲載した作家辺見庸氏の横浜講演会なども含まれている。
 自衛隊がこのような情報を必要とする理由が全く不明である。行政改革に反する人的資源の浪費、税金の無駄遣いではないか。そして何より、こうした監視活動が国民にとってはプライバシー侵害になり、集会・結社の自由、言論・表現の自由に対する重大な圧力になることは言うまでもない。
 驚かされるのは、イラク派遣反対のビラ配布のほか、民主党衆院議員の「派遣は憲法違反」との発言、新聞記者の取材活動、ヘリ騒音の苦情電話までを「反自衛隊活動」と決めつけていたことだ。国民のために存在しているという自衛隊の本分を忘れた異様な警戒心、被害妄想でさえある。
 日本は民主主義国家である。国論を二分する政策論争があるのもごく当たり前だ。選挙で政権が変われば、政策が覆ることもあるだろう。自衛隊を含め国家組織は、そうした民主主義過程の決定を粛々と実行する存在である。市民活動の抑圧など、政治過程に影響を与えるような行動は決して許されるものではない。時の政府の政策に反対することを、「反自衛隊」などと受け止めるのは、民主主義の初歩的ルールすら理解していないと言わざるを得ない。
 旧日本軍は独自の利益を主張して政治に介入し、国を破滅させた。世界を見渡せば、軍隊が国民に銃口を向け、弾圧を行うこともまれではない。軍事組織のシビリアンコントロール(文民統制)は国家運営の最重要課題である。自衛隊の役割拡大を目指す九条改定が叫ばれる中、今回の問題は決して軽視できない。監視の対象となった野党だけでなく、与党も真剣に追及する責任がある。

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