参院選、有権者は何を選択したか

安倍政権、自民・公明連合が歴史的な大敗を喫した参議院選挙。有権者は何を選択したか、新聞メディアの報道記事や論者の主張から、いろいろ拾ってみたい。

1つ目は、日経新聞30日付夕刊にのった街の声。

首相に一言 街の声
[日経新聞 7月30日付夕刊23面]

 投票から一夜明けた30日午前、有権者からは続投を表明した安倍晋三首相への注文が相次いだ。<1>選挙結果への感想<2>続投表明への賛否や政権運営への注文――の2点を聞いた。

衆院解散で信を
東京都三鷹市 女子大生(22)
<1>政治とカネの問題でも納得のいく説明がなかった。自民大敗は当然。
<2>続投は筋が通らない。赤木徳彦農相らは今からでも事務所費の使途の詳細を公表してほしい。衆院を解散し、信を問う機会があってよい。

潔く身を引いて
横浜市 女性介護福祉士(47)
<1>新しい流れをつくってほしいという民主票に込めた思いが反映された。
<2>安倍首相が続投しても何ができるのか分からない。医療・福祉など切迫した問題があるのに、責任問題を巡る議論が長期化してしまうのではと心配。潔く身を引いてほしい。

民意受け退任すべき
千葉県流山市 会社員男性(61)
<1>自民の敗北は不祥事に対する首相の態度がはっきりしなかった結果だ。
<2>選挙は民意を反映する唯一の場なのだから首相は退任すべき。国会では社会の実情に眼を向けた議論を望む。一般市民の生活をもっと見てもらいたい。

人事刷新、挙党態勢を
東京都江東区 会社員男性(55)
<1>閣僚の事務所費問題で疑惑を解消できなかった。自民大敗は当然。
<2>本音では自民に辛勝してほしかった。「成長を実感できるようにする」という首相の方針には賛成。希望の持てる社会づくりに向け、人事を刷新し挙党態勢で臨んでほしい。

これ↑をみると、ともかく「自民党が負けてよかった」「自民党大敗は当然だ」という気持ちが共通している。まさに「歴史的大敗」な訳で、そこに今回の参院選の一番の特徴があると思うし、いろいろな分析は、そのことを押さえた上でやらないと、肝心なところをはずしたものになるのではないかと思う。

↓こっちは、政治学者・曽根泰教氏のコメント。曽根氏も、安倍・自公政権「ノー」が有権者の意思だということを一番に強調しておられる。また、これも分かりきった点だけれども、有権者は民主党の政策や政権戦略を支持して票を投じたわけではない、ということ。それだけ、「これからの民主党」がどんなことをやるのかという点に国民の注意が向けられる。だから、これまで民主党の役割について指摘してきた立場からすれば、自分たちの言ってきたことは、そういう国民の関心、目線にも沿うものだということをまずおさえておきたい。

内閣改造では甘い 曽根泰教・慶応大教授(政治学)
[読売新聞 7月30日付夕刊2面]

 安倍政権に対する有権者の「ノー」という意思が明確になった。小泉政権下の国政選では、「自民党は嫌だが、小泉首相はイエス」という意識があったが、今回は、自民党支持者にも安倍首相の政権運営への不満があった。
 安倍首相は参院選にもかかわらず、有権者に「安倍か、民主党の小沢代表か」と政権選択を迫った。しかし、単独で過半数どころか40議席も獲得できず、自ら設定したハードルを乗り越えることが出来なかった。
 首相の続投は、自民党内では理解されるかもしれないが、世論は厳しく見ることになるだろう。内閣改造でこの局面を乗り切ろうとするのは甘いと言える。
 参院で与党が過半数割れした状態で、国会運営は厳しさを増す。世論の風圧、国会運営の風圧、党内の風圧に対して、首相も「どのようにしのぐか」という見通しが立たないだろう。全面的な立て直しが必要だ。
 (中略)
 民主党が今回訴えた格差や地方切捨ての問題は、自民党政権の「落穂拾い」という側面が強い。拾うだけでは支持は持続しない。有権者が積極的に民主党を支持するような構造転換が出来れば、次期衆院選への展望も開ける。
 無党派層は今回、民主党に流れた。長期にわたってつなぎ留めるための戦略を格闘は練る必要がある。

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