クマゼミが東京進出?!

クマゼミ(大阪市大・沼田英治教授撮影)=朝日新聞7月28日付から
クマゼミ(大阪市大・沼田英治教授撮影)=朝日新聞7月28日付から

子どものころ、僕が住んでいたところでは、セミと言えばほとんどクマゼミでした。でも同じ関西でも、少し離れたところではアブラゼミばかりで、クマゼミがまったく捕れず、透明のハネをもつクマゼミは夏の昆虫採集でもちょっとした自慢でした。

で、東京へやって来て知ったのは、東京にはクマゼミがいないということ。ところが、そのクマゼミが東京でも増えつつあるとか。ワシャ、ワシャと、1匹軒先で鳴き出しただけで耳を覆いたくなるようなあのクマゼミの鳴き声が東京中に響き渡るようになるのでしょうか…?

気温上昇?東京でクマゼミ増殖中、ぬけがら調査で判明(読売新聞)

気温上昇?東京でクマゼミ増殖中、ぬけがら調査で判明
[2007年8月25日14時31分 読売新聞]

 気温上昇のためか、東京でクマゼミが増殖中――。
 この夏、読売ウイークリーと日本自然保護協会、NTTレゾナントが共同で実施中の参加型プロジェクト「自然しらべ2007 夏休み セミのぬけがらをさがせ!」に、全国から約1000件の抜け殻の写真と、約6000個の抜け殻の現物が届いた。東京でこれまであまり見られなかったクマゼミの抜け殻が発見されるなど、温暖化などの影響で、セミの生息地図にも変化の兆しが表れている。
 プロジェクトの中間報告によると、抜け殻6000個のうち、アブラゼミがほぼ半分を占め、クマゼミが2割、ニイニイゼミが1割などとなっている。
 専門家が注目しているのは、西日本から東日本へと分布が拡大しているとされるクマゼミの調査結果。現物の分析を担当する神奈川県・厚木市郷土資料館の槐(えんじゅ)真史学芸員によると、1995年に環境庁(当時)が調査した時より、都内でクマゼミが見つかる頻度が高くなっているという。
 その原因は、成虫が自分で飛んで生息地域を広げているのではなく、<1>公園などの植栽と一緒に幼虫や卵が持ち込まれる<2>成虫を持ち込んで都内で放す人がいる――などの人為的なものが大きいとみている。ただ、これが定着し、繁殖し始めた背景には、都内の気温上昇が大きく関与しているようだ。
 「国内の樹木の移動は昔から行われていたので、都内にもクマゼミの幼虫が持ち込まれていたはずだが、東京の冬の低温を乗り切れなかった。近年、クマゼミが都内で繁殖するようになったのは、ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響で、幼虫や卵が冬を越せるようになったためだろう」と、槐学芸員は解説する。
 大阪市立自然史博物館の初宿(しやけ)成彦学芸員も、かつてはアブラゼミが多かったのに今はクマゼミが圧倒的に多くなっている大阪の例を引いて、東京の気温は夏も冬もクマゼミが繁殖できる気温に達しているとし、「今の東京は、1970年代の大阪と同じ状況と考えられる。2030年ごろには、東京は今の大阪のようにクマゼミだらけになる可能性がある」と警告している。
 プロジェクトでは写真、現物とも8月31日まで受け付けている。送り先は、デジタルカメラの写真は「キッズgoo」<http://semi.kids.goo.ne.jp>、現物は東京都中央区新川1の16の10ミトヨビル2F日本自然保護協会「自然しらべ2007」係へ。詳しい記事は読売ウイークリー8月27日発売号に掲載される。

↓ちなみに、大阪では今年はクマゼミが大発生しているとか。っていうか、もともと大阪市内はあんまりクマゼミはいなかったんですが、この10年ぐらいでアブラゼミを圧倒したそうです。

今夏、大阪はセミがうるさい 「去年の2倍」専門家予想(朝日新聞)

今夏、大阪はセミがうるさい 「去年の2倍」専門家予想
[asahi.com 2007年07月28日11時06分]

 大阪市内でセミの数を調査しているグループが、今夏はセミが去年の2倍以上発生すると予測している。セミの抜け殻調査を14年前から実施しており、そのデータから今年は4年に1回の大発生の年に当たると推測。大音量のクマゼミが集まる大阪市東住吉区の長居公園では8月25日から世界陸上競技選手権大阪大会が開催されるが、専門家は「セミのうるささに選手もびっくりするのでは」と話している。
 予測したのは大阪市立大の沼田英治教授と同市立自然史博物館の初宿(しやけ)成彦学芸員のグループ。93年から市民ボランティアとともに、同市西区の靱(うつぼ)公園でクマゼミとアブラゼミの抜け殻を集めて、羽化したセミ数を推測してきた。
 その結果、セミの数は毎年、交互に増減しているうえ、4年に1回大発生していることが判明した。また、どの4年間をとっても、合計のセミ抜け殻数が9万7000潤オ10万6000個で、平均は約10万2500個になった。
 04?06年の3年間の合計は6万3866個なので、平均から引き算して、今年の発生数を約3万8600匹と推測。前年が約1万6000個だったため、発生数は2倍以上になる可能性があるという。04?06年に長居公園など他の3カ所でも調べた結果、セミの増減傾向は一致していた。
 セミの発生数になぜ規則性があるのか。沼田教授は「まだ分からないが、セミの幼虫が木の樹液を吸える根付近の『席』の数が決まっていて、ある年にたくさん占められれば、別の年は数が限られてくるためではないか」と話す。
 長居公園周辺は体が大きくて大きな音を出すクマゼミが多く、大阪府内でも最もうるさい場所の一つという。長居公園に設置した騒音計は、昨年はピーク時に90.4デシベルを記録した。今年は8月上旬にピークを迎える見込みで、94デシベルと予測。90デシベルは騒がしい工場内に相当する音量で、今年はうるささが、さらに高まりそうだ。
 初宿さんは「セミがうるさい海外の大都市の例はあまり聞いたことがない。クマゼミの少ない東日本や、海外から来た選手、観客は相当驚くのでは」と話している。

ところが逆に、京都市内ではクマゼミもアブラゼミも過去10年間で最低だそうです。う〜む、どうなっているんでしょう?

京のセミ、過去10年で最少 京産大付属中高生 抜け殻調査(京都新聞)

京のセミ、過去10年で最少 京産大付属中高生 抜け殻調査
[京都新聞 2007年8月6日]

 京都産業大付属中高(京都市上京区)の生物部が行っているセミの調査で、京都市内でクマゼミやアブラゼミの数が1997年の調査開始以来、今夏は最少になる可能性が高いことが6日までに分かった。同部は「昨年も減少しており、都市部でのセミの減少傾向は続くのではないか」と懸念している。
 調査しているのは生物部員16人。鴨川の葵橋(上京区)近くのニレ科の大木で、羽化が始まる7月上旬から9月上旬まで毎朝、セミの抜け殻を回収している。
 集計の結果、5日までに抜け殻は414個と過去同時期で最少を記録している。クマゼミは275個と最少で、アブラゼミは139個で3番目に少ない結果となっている。
 年間を通して最少だったのは、2004年の550個。部長の同高3年山本翔君(17)は「今夏の羽化の時期は終わりつつあり、最少になるとみている。特にクマゼミは激減している」と指摘する。
 顧問を務める米澤信道・京産大理学部講師は「セミは減少傾向にあり、都市部で産卵に適した場所が減っているほか、街路樹の枝切りなどが原因だとみられる。他の生物にも影響があり、何らかの対策が必要だ」と話している。

で、関西ではクマゼミが光ファイバーケーブルに産卵しようとして、通信障害が発生しているとか。恐るべしクマゼミ!!

クマゼミが光ファイバーに産卵 断線被害続出に対策腐心(朝日新聞)

クマゼミが光ファイバーに産卵 断線被害続出に対策腐心
[asahi.com 2007年08月03日]

 西日本に多いクマゼミが、木の枝と勘違いして光ファイバーケーブルに産卵し、光ファイバーが断線する被害が相次いでいる。通信業界はケーブルを改良して防衛に乗り出したが、大阪は今年が4年に1度のセミ大発生の年とされる。ハイテクとセミが闘う熱い夏を迎えている。
 被害は九州から東海地方まで及び、昨年はNTT西日本で約千件、関西電力系の通信会社ケイ・オプティコムで約200件に上った。光ファイバーの幹線から枝分かれした各家庭への引き込み線で、被害が出ている。
 大阪市立大の沼田英治教授(動物生理学)によると、クマゼミは枯れ枝に産卵する習性があり、引き込み線を枯れ枝だと思い込んでいるようだ。卵を産み付ける産卵管(太さ約1ミリ、長さ1センチ以上)は硬く、光ファイバーの心線(シリカガラス)を覆うポリエチレンに簡単に刺さる。少しずつ移動し、何回も突き刺して産むという。
 被害が注目され始めたのは02年ごろから。家庭向け光ファイバーが普及し始めた時期だ。心線が圧迫されたり折れたりするほか、刺した跡から水が入り込んで断線するケースも。NTT西日本ネットワーク部の浦川幸司主査は「セミが原因だなんて、最初は冗談かと思った」と話す。
 従来の引き込み線は、設置作業がしやすいよう、小さな溝があった。セミはこの溝に産卵管を刺していたため、同社は溝なしタイプを開発。さらに、産卵ピークが過ぎた昨年8月末から、心線の両側に樹脂の防護壁を埋め込んだ改良型を使い始めた。「この夏は効果を見極めたい」と浦川さんは話す。
 ケーブルメーカーのタツタ電線(大阪府東大阪市)は、クマゼミの生息する樹木にケーブルを張って生態を観察。生木を避けて産卵するらしいとわかり、生木の感触に近いポリウレタン製のケーブルを今春から販売し始めた。「屋外での実証実験も重ねた」と同社の安藤明彦・情報通信営業部長は自信を見せる。
 クマゼミの生息域は、温暖化の影響のためか、北上しており、今後、関東地方でも対策が必要になる可能性がある。

ちなみに、インターネットを検索してみると、関東でもクマゼミの生息が報告されています。

↓こちらは、今年の分。江東区門前中町です。
門前仲町いきいき情報局 クマゼミ登場

↓こちらによれば、三浦半島観音崎だけでなく、さいたま市内でもクマゼミの鳴き声が聞こえるそうです。
クマゼミ:観音崎の昆虫たち

↓こっちは去年の記事ですが、葛西臨海公園でも鳴いているようです。
葛西臨海公園・鳥類園? : ★クマゼミ鳴き始めました!

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