民主党の「農政基本法案」素案が判明

「日本経済新聞」によれば、民主党が臨時国会に提出する「農政基本法案」の素案が明らかになった。同党が参院選でかかげた個別所得補償制度を具体化したもの。

民主が「農政基本法案」素案 財源1兆円、コメや小麦で所得補償(日経新聞)

民主が「農政基本法案」素案 財源1兆円、コメや小麦で所得補償
[日経新聞 2007/08/25]

 民主党が9月の臨時国会に提出する「農政基本法案」(仮称)の素案が24日、明らかになった。先の参院選で掲げた戸別所得補償制度を具体化し、コメ、小麦、大豆、菜種などを対象に生産費と市場価格の差額への助成制度を設ける。国際的に低い食料自給率を6割程度に引き上げるのが目標で、財源約1兆円は農業公共事業の削減などでねん出。国際的に低い食料自給率を6割程度に引き上げる考えだ。

 法案は9月上旬にも党の「次の内閣」で正式決定し、野党が多数を占める参院に提出する。自民は民主の農業政策を厳しく批判しており、政府・与党と民主の政策競争が活発化しそうだ。
 個別所得補償制度は全国約200万戸の生産・販売農家が対象。品目ごとにその年の生産費と市場価格の差額の平均値を「基準額」とし、各農家の作付面積に応じ補償額を決める仕組み。
 国の減反政策によって生じた全国で39万ヘクタールある休耕田などを活用し、中小農家などの添削を促すことで食料自給率を約10年間で現在の39%から60%に引き上げることを目指す。
 休耕田で転作が進まない最大の要因は、安価な輸入農産物の存在がある。特に小麦や大豆は国内消費量の約8割が輸入で、10アール当たりの生産費と市場価格との差額は小麦が約4万6000円、大豆が約2万7000円と大きい。国内で生産しても「作れば作るほど損をする」(民主中堅)のが実情。
 食料用の小麦の国内消費量(年間529万トン)をすべて自給するためには、66万ヘクタールの作付面積と約3036億円の補償費用が必要。大豆は23万ヘクタール、約644億円かかる。
 コメは現在の国内生産量(約900万トン)の維持が目標。党の試算では10アール当たりの生産費と市場価格の差額は約1万6500円。全国の作付面積約120万ヘクタールで計算すると、必要な補償費用は約2040億円となる。
 財源は2兆7000億円(2007年度予算)の農林水産予算を見直して賄う。約3000億円あるコメからの転作支援費を全額充てるほか、農道と林道の整備など国と地方を合わせ約2兆円に上る農業関連公共事業から約7000億円を振り向ける方針。

「効率化に逆行」政府・与党が批判 成立メド立たず

 民主党が農政基本法案提出に踏み切るのは、参院選の政権公約に盛り込んだ個別所得補償制度などの早期具体化で存在感を高める狙いだ。ただ政府・与党が進める経営規模拡大による効率化とは相いれない。現状では法案成立や実際の農政への反映のメドは立たないのが実情だ。
 政府・与党の農業の基本政策は、農家の大規模化・効率化による国際力強化。自民は参院選を通じて「1兆円をばらまいて農業自由化というのは手切れ金みたいだ」(中川秀直幹事長)などと批判。コメや麦など5品目については4ヘクタール(北海道は10ヘクタール)以上の農地経営者など一定基準を条件に補助金を支給する「品目横断的経営安定対策」を掲げた。
 農林水産省が24日に開いた農地政策に関する有識者会議では、全国の市町村に農地集約のための専門組織を設置するなど大規模化を促す方向性を示した。来年度予算の概算請求では、専門組織に農地を貸し出した農家が賃料を上乗せして受け取れるよう90億円を確保。予算面でも規模拡大を後押しする。
 民主はこうした政策を「小規模農家の切り捨てだ」と強く非難。所得補償の主要財源に位置づける農業関連公共事業について「スーパー林道は1メートルで約58万円もかかる。1メートル2000円でできる作業道に代えるだけで大きな財源」と強調する。

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