日本・ASEANがEPA締結で合意

日本とASEANがEPA(経済連携協定)で合意。コメなどを除外しているが、日本側は協定発効と同時に90%の関税を撤廃。ASEAN側も、主要国は10年以内に90%を撤廃する。

しかしどうやら一番の眼目は、この協定発効と同時に、日本製の部品もASEAN域内のローカルコンテンツに認定されるようになることにあるようだ。これが認められれば、高度な技術を必要とする部品を日本から輸出してASEAN諸国で自動車や家電に組み込むときに、関税が免除されるようになる。日本企業の最大の狙いはそのあたりにありそうだ。

東京新聞:日本、関税9割即時撤廃 経済協定 ASEANと合意:経済(TOKYO Web)
中国・アジア/輸入関税9割の品目で撤廃…経済連携協定、大筋合意へ(FujiSankei Business i.)

日本、関税9割即時撤廃 経済協定 ASEANと合意
[東京新聞 2007年8月25日 夕刊]

 【コタキナバル(マレーシア東部)=青柳知敏】日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は25日、フィリピンのマニラで経済相会合を開き、経済連携協定(EPA)の物品貿易の自由化で大筋合意した。日本側は協定発効と同時に90%の関税を撤廃し、ASEAN側も主要国が十年以内に90%を撤廃する。日本が多国間のEPAを結ぶのは初めてで、11月にシンガポールで開く首脳会合で署名し、来年四月にも発効する。
 日本とASEANの昨年の貿易額は約18兆円に上り、米国、中国に次ぐ3番目の貿易相手になっている。2015年の経済統合を目指すASEANの過去5年の平均経済成長率は約8%で、協定により日本からの輸出拡大や生産拠点の拡充など、経済を軸にした関係緊密化が見込まれる。
 会合に出席した甘利明経済産業相は「東アジア共同体に向け、大きな一歩をしるすことができた」と述べた。
 双方は今年五月に貿易の自由化で大筋合意した後、個別品目の取り扱いなどの最終協議を進めてきた。日本側はコメなどの重要品目については関税撤廃の対象外とし、他の品目は(1)協定発効後、輸入額の90%の関税を即時撤廃(2)5年以内にさらに2%を撤廃(3)10年以内に1%を撤廃――の3段階で自由化を推進する。
 ASEAN側は、日本との二国間協定を締結または調整中のタイやフィリピンなど6カ国が、10年以内に90%の関税を撤廃する。ただし、経済力が弱いラオス、ミャンマー、カンボジア、ベトナムの4カ国については、撤廃期限を15年から18年とする猶予期間を設ける。
 EPA締結により、例えば日本から液晶パネルをマレーシアに送って薄型テレビに組み立て、製品をタイに輸出する場合、高率関税がなくなってコストが大幅に軽減されるメリットがある。ただ、経済成長が著しい対ASEANのEPAでは中国、韓国が先行し、日本はこれに追いつく形になっている。

輸入関税9割の品目で撤廃…経済連携協定、大筋合意へ
あす日ASEAN経済相会議、フィリピンで開催
[FujiSankei Business i. 2007/8/24]

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は25日にフィリピンで経済相会議を開き、それぞれ輸入品の約9割の品目について関税を撤廃する経済連携協定(EPA)の締結で大筋合意する見通しだ。11月に正式発足するシンクタンク「東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)」を通じエネルギー問題や域内の格差是正などの課題に取り組むことでも一致する。日本は今回の合意をばねに、ASEAN+6(日中韓、豪州、インド、ニュージーランド)の16カ国の間で貿易自由化を進める「東アジア経済統合」構想の主導権を握りたい考えだ。(上原すみ子、坂本一之)

≪主導権争い激化≫

 日本はASEANからの輸入品目の9割以上について関税を撤廃する方針で、このうち鉱工業品や農産物など輸入額ベースで約9割については即時撤廃する計画だ。これに対しASEAN側は、先進6カ国が約9割の関税を即時または段階的に引き下げるとしており、10年以内の実現を目指す。
 ASEANとのEPAが発効すれば日本とASEANは一つの市場とみなされ、たとえば日本から部品を輸出し、タイで組み立てた液晶テレビを第3国のマレーシアで販売しても関税がかからなくなる。この結果、企業活動の自由度が高まり、輸送や販売に最も都合の良い場所を選んで工場などを建設する「最適地生産」の動きが活発化するとみられている。
 経済産業省は「知的財産保護など投資環境整備が進めば、投資国としてのASEANの魅力が増し投資や貿易拡大につながる」と指摘している。
 日本はASEANとのEPA締結が「東アジア全体の経済発展や安定につながる」(外務省幹部)とみている。
 ASEANとの貿易協定で先行している中韓両国に対抗して関税の即時撤廃品目を多くし、貿易の自由度を高めるとともに投資や知的財産権、経済協力など包括的な経済連携で巻き返しを図る計画だ。経済発展とともに国際的な地位向上を狙う中国は、ASEAN+3(日中韓)の枠組みによる東アジア経済統合を目指しており、日本との主導権争いは激化しそうだ。

≪期待集めるERIA≫

 フィリピンでは経済相会議に続き、26日にASEAN+3経済相会議など一連のアジア経済相会議が行われ、東アジア経済統合に向けたロードマップ(行程表)の作成やエネルギー協力問題などが話し合われる。
 この中で日本はASEAN+6の域内での関税撤廃や人の移動の自由化、投資保護などを盛り込んだ「東アジア経済連携協定(CEPIA)」を目指している。実現に大きな役割を果たすとみられているのが、11月の東アジア首脳会議で正式に発足するERIAだ。
 域内経済統合の課題とされるエネルギーや所得格差問題について各国の閣僚や首脳に課題を提言する権限を持つ。本部をマレーシアに置く方向で調整が進んでいる。
 ERIAは貿易自由化に向けたロードマップや域内で需要が急拡大するエネルギー協力などを議論する。また貿易の活発化に向け物流や通関制度の整備、人材育成・中小企業支援、経済発展の格差是正、知的財産権保護など域内共通の課題に取り組む。

                   ◇

【用語解説】日本のEPA 日本はASEAN10カ国のうち、シンガポールなど6カ国との間で2国間EPAを署名または発効済みで、ベトナムとも交渉している。ASEANとのEPAは、日本にとって初の地域単位でのEPAとなる。すでにASEANとの間では、中国と韓国が自由貿易協定(FTA)を締結している。

ちなみに財界首脳の談話はこちら。
日本経団連会長コメント (2007-08-20)

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