アフガニスタンの情勢はどうなっているのか

安倍首相を辞任に追い込んだテロ特措法延長問題ですが、この問題を考えるときにはアフガニスタンの国内情勢がどうなっているか考えることから出発することが必要でしょう。

スイスのジュネーブに本部を置く赤十字国際委員会は、アフガニスタンの悪化する状況について記者会見した。(swissinfo)
アフガニスタン各地で戦闘、タリバン兵約70人が死亡(AFPBB News)
アフガニスタン元外相が発言、「国民は希望を失いつつある」(AFPBB News)

アフガニスタン、国の半分以上が戦火に覆われる
[swissinfo 2007/09/14 – 10:26]

 アフガニスタンの首都カブールに駐在する赤十字国際委員会(ICRC, 本部ジュネーブ)の派遣団団長、レト・シュトッカー氏は9月13日カブールから一時帰国し、ジュネーブで記者会見した。

 シュトッカー氏によると、戦火は激化すると同時に広がり、国の半分以上に及ぶという。
 シュトッカー氏によると、 紛争地域は2004?2005年までは南部に限定されていたが、2007年に入って南西部と東部に、さらに最近、北部にも及び首都カブール近くまで広がってきているという。「NGOや国連などの緊急人道支援が入り込めない地域(ノーゴーエリア)も増えている」とシュトッカー氏はアフガニスタンの紛争の状況を語った。

一般市民の犠牲増加

 アフガン政府部隊、国際部隊と反政府勢力との交戦では、反政府勢力のタリバン側に45人の死者を出した南部ウルツガン州での9月12日の戦闘を含め、13日までにタリバン側に計56人の犠牲者が出ている。
 一方、一般市民の犠牲者も増えており、国内難民の数が増えると同時に、パキスタンとの国境に向かうアフガニスタン難民も増加している。しかし現在の正確な数は把握されていないという。
 また今年1月から計106人に及ぶ自爆攻撃者も出ている。戦争捕虜も増え、アフガニスタン政府側の捕虜数は2年間で5000人から1万2000人に増加した。

信頼関係の延長線上

 こうした中、カブールに駐在する赤十字国際委員会は、医薬品の提供、市民の保護、敵対する部隊の対話、交渉にあたっている。先月の韓国人人質解放に関しても、「アフガン政府部隊、国際部隊そしてタリバン側ともコンタクトし、中立の立場で交渉を行うことで信頼関係を築いてきた。その延長線上で今回の人質解放の援助もできた」とシュトッカー氏は語った。
 しかし戦況が悪化する中、「赤十字国際委員会は長期的視野に立つ援助を打ち切り、緊急態勢での短期の援助のみを行っている」という。シュトッカー氏の一時帰国の目的の1つに、赤十字国際委員会のこの援助を強化する予算編成があった。2008年度は今年の30%増加で6000万フラン(約60億円)になる予定だという。
swissinfo、里信邦子(さとのぶ くにこ)

アフガニスタン各地で戦闘、タリバン兵約70人が死亡
[AFPBB News 2007年09月14日 01:37 発信地:カブール/アフガニスタン]

 【9月14日 AFP】アフガニスタン各地で、イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)と治安部隊の間での大規模な戦闘が相次ぎ、タリバン兵約70人が死亡した。またアフガニスタン兵1人とバングラデシュ人の支援活動家1人も死亡したと報告されている。関係当局が13日、伝えた。
 戦闘が最も激しかったのは南部ウルズガン(Uruzgan)州で、米軍主導の多国籍軍によると12日、アフガニスタンおよび多国籍軍部隊が襲撃を受けて戦闘が始まった。多国籍軍側は空からの支援を要請し、この戦闘でタリバン兵45人以上が死亡したという。
 南部カンダハル(Kandahar)州でも12日午後、巡回中のアフガニスタンおよび北大西洋条約機構(NATO)軍の部隊がタリバンから攻撃を受け、その後90分に及ぶ戦闘が行われた。同州の警察当局によると、この戦闘でタリバン兵13人が死亡、6人が負傷した。
 また、ザブール(Zabul)州では12日夕刻、タリバン兵がアフガニスタンおよびNATO軍部隊の車列を攻撃したことから戦闘が始まり、タリバン兵11人が死亡した。同州政府当局が発表した。
 さらにバダクシャン(Badakshan)州で12日、マイクロファイナンスのプロジェクト支援活動をしていたバングラデシュ人が、オートバイで移動中に身元不明の武装集団に射殺された。警察当局およびバングラデシュ人が所属していた団体が明らかにした。

アフガニスタン元外相が発言、「国民は希望を失いつつある」
[AFPBB News 2007年09月10日 12:23 発信地:カブール/アフガニスタン]

 【9月10日 AFP】アフガニスタンのアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相(47)は8日、首都カブール(Kabul)でAFPの取材に応じ、「わが国は世界最強の軍に守られ、イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)も弱体化してきているものの、国民は希望を失いつつある」と語った。
 ソ連の侵攻およびタリバンの占領と戦った北部同盟(Northern Alliance)の指導者、故アフマド・ジア・マスード(Ahmad Shah Massoud)元国防相が暗殺されて6周年を迎える9日を前に、マスード氏の側近だったアブドラ元外相は、国民と政府の距離は「広がりつつある」と語り、「この国は、マスード氏のような強力なリーダーシップに欠けている」との見解を示した。
 また「治安悪化、政府の無策ぶり、開発戦略の不在が、国民を幻滅させている」と指摘。タリバン政権崩壊後の民主化プロセスについて、「国民は当初は支持していたが、今や希望を失わせる以外の何物でもない」と断言した。
 前年に更迭されたアブドラ元外相は現在、非営利団体「マスード基金(Massoud Foundation)」の事務局長として、国内の様々な支援プロジェクトへの資金をつのっている。
 マスード元国防相は2001年9月9日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーによる同国初の自爆テロにより死亡した。この2日後に9.11米同時多発テロが発生。これを機に米軍はタリバンの掃討作戦を開始し、タリバン政権が崩壊した。しかしタリバンは徐々に勢力を盛り返し、2002年からは国際支援部隊も常駐して掃討作戦を展開している。
 北部同盟の政権参加を拒んでいるとして非難されているハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は9日、マスード元国防相の追悼式典に出席し、アブドラ元外相を「近いうちに」政権に復帰させると明言した。

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