感謝決議であらためて明らかになった”海上阻止活動は国連の枠外”

にわかに持ち上がった国連安保理の”感謝決議”。当初は、アメリカ政府の働きかけかと思ったら、どうやら日本政府の働きかけによるものらしい。

しかし、ロシアが「国連の枠外で行われている有志連合の海上阻止行動の文言を挿入する理由の明快な説明がない」として棄権。このことによって、海上自衛隊が給油活動をやっている「海上阻止行動」が国連の枠外で、米軍を中心に行われているものであることが明らかに。

海自参加作戦 安保理が『謝意』決議採択 ロシア棄権『国連の枠外』(東京新聞)
日本の要請、混乱要因に=「国連外」活動評価に疑問の声も?安保理(時事通信)
決議分裂「日本のせい」、安保理各国に反感 給油謝意(朝日新聞)

決議でも、ISAFとOEF(米軍主導の「不朽の自由」作戦)は厳密に区別されていて、海上阻止活動はOEFの一部であるとされている。

海自参加作戦 安保理が『謝意』決議採択 ロシア棄権『国連の枠外』
[東京新聞 2007年9月20日 夕刊]

 【ニューヨーク=石川保典】国連安全保障理事会は19日、アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任務を1年延長する決議案を賛成14、棄権1の賛成多数で採択した。決議は前文で、米英や日本など多国籍軍が海上阻止行動に参加する有志連合による「不朽の自由」作戦(OEF)参加国への「謝意」を初めて表したが、ロシアは海上阻止行動への言及を批判して棄権。全会一致にはならなかった。
 安保理はアフガン戦争後、毎年ISAFの任務を延長しているが、同決議で全会一致にならなかったのは初めて。
 ロシアのチュルキン大使は「国連の枠外で行われている有志連合の海上阻止行動の文言を初めて挿入する理由の明快な説明がないまま、性急に採決が行われた」と棄権の理由を述べた。
 決議は前文で「ISAFと、海上阻止行動を含むOEF連合への各国の貢献に謝意を表明」し、「ISAFとOEFを含めた継続的な国際的取り組みの必要性を強調する」と明記している。
 米国のハリルザド大使は「決議は日本の貢献への謝意と、アフガンの将来のためにこの作戦は重要だと安保理が認識しているというメッセージ。日本の海上阻止行動への貢献に関する論争を懸念している」と記者団に述べた。
 海上自衛隊がインド洋上での給油活動の形で参加している海上阻止行動に対し、日本の民主党は「安保理決議に基づいていない」として、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に反対している。
 日本政府は、安保理が採択したOEFの貢献を積極評価する今回の決議を受け、民主党の理解を求める狙いだった。しかし全会一致は実現せず、今後の国会の論議に影響を与えそうだ。

日本の要請、混乱要因に=「国連外」活動評価に疑問の声も?安保理
[時事通信 2007/09/20-14:34]

 【ニューヨーク20日時事】国連安全保障理事会で19日に行われたアフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任期延長決議の採決では、ロシアが「一部加盟国の内政上の動機を優先させた」(チュルキン国連大使)と米欧を非難し、棄権を選択した。海上自衛隊の給油活動継続に向け、同活動への謝意を盛り込むよう米欧に働き掛けた日本は、結果的に安保理の議論を混乱させる大きな原因をつくってしまった。
 チュルキン大使は安保理会合などで、「国連の枠外」で実施されている海上阻止行動への謝意を決議中に明記する理由が不透明であるにもかかわらず、決議は十分な説明がないまま性急に採決に付され、「安保理の団結が犠牲になった」と批判した。

決議分裂「日本のせい」、安保理各国に反感 給油謝意
[asahi.com 2007年09月20日13時06分]

 テロ対策特別措置法に基づくインド洋での海上自衛隊の給油活動を継続するため、日米が目指した「国連決議によるお墨付き」は、ロシアの棄権という想定外の結果に終わった。
 ロシアのチュルキン国連大使は決議の本来の目的である国際治安支援部隊(ISAF)の任務延長を、米国主導の対テロ作戦「不朽の自由」(OEF)からはっきり区別。「(OEFの有志)連合の活動は国連の枠外のものだ」と言い切った。
 背景には「安保理の一員でもない特定の国」(チュルキン大使)の国内事情を、安保理決議の交渉に持ち込んだ米国への反発がある。米国は前文をいじるだけなら全会一致に持ち込めると踏んだが、読み違った。
 全会一致が崩れた原因が「これまでなかった海上阻止活動への言及」(同大使)にあるのは明らかだ。各国は「分裂は日本のせいだ」と見ている。賛成した中国の劉振民・国連次席大使も「全会一致を目指す努力を怠ってはいけない。これが前例とならないことを願う」とくぎを刺した。
 来月半ばまで任期が残っているISAFの任期延長を急いだのには、同じく安保理外のドイツの事情もある。独連邦議会は20日からISAFへの派兵延長を議論する予定で、安保理決議が必要だった。結果として、欧州勢が採決を強行した。
 チュルキン大使は採択後、記者団に「議論が尽くせなかった。全会一致にはもう1日必要だった」と強調した。ロシアの協力を取り付ける時間が与えられないまま、不完全な成果と日本への反感だけが残った。

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