日本経団連が中長期的な「財政改革」で提言

日本経団連が、2008年度の税制改正要求とともに中長期の「財政改革」に向けた提言を発表。

日本経団連:国・地方を通じた財政改革に向けて(2007-09-18)
日本経団連:今後のわが国税制のあり方と平成20年度税制改正に関する提言(2007-09-18)

長いのでざっとしか眺めていないが、「国・地方を通じた財政改革に向けて」は、要するに、「当面の目標である2011年度における国・地方を通じた基礎的財政収支の黒字化達成」が必ずしも不可能ではなくなっているという状況の下で、中長期的な「財政改革」の目標を明確にするように求めたもの。そのため、2011年度基礎的財政収支の黒字化を達成したとしても、財政の「危機的な状況」は続いており、「中長期的な持続可能性は全く確保されていない」としている。そして、「基礎的財政収支の黒字化」にかわる目標として、単年度の財政赤字GDP比3%以内、債務残高でGDP比60%以内というEUを例にあげて、「中期的な財政健全化ルールの整備」を求めている。

で、それをどうやって実現するか。歳出面では、社会保障制度の一体改革と公務員人件費の削減、道州制の実現による地方財政改革など。歳入面では、消費税増税、地方固有税源の確保(これも、要するに増税だ)、をあげている。

そういう大きな流れの中で、「財政改革の視点」として、「マクロ経済との整合性」が強調されていることが注目される。つまり、財政の建て直しは急がれるが、企業増税でマクロ経済が失速するようなことになれば大変だ、だから企業減税をすすめなさい、ということだ。

他方、「今後のわが国税制のあり方と平成20年度税制改正に関する提言」では、以下のことを要求。

  • 「消費税率を引き上げ、今後のわが国における基幹的税目として役割を拡大していく」として、「当面、2%程度、2015年までにはさらに3%程度の引き上げ」を提起している。
  • 「所得税の適正化」として、「各種控除の見直し」を要求。要するに、控除のなくなる分、庶民には増税である。
  • 「金融所得の一元的課税」として、「金融資産への投資から生ずる所得と損失を全体で通算するとともに、損失の繰越を認めること」を求めている。平たく言えば、金融資産で大儲けしても、損失を通算できるようにして、課税を減らそうということ。ほかに「実務面の課題に十分配慮しつつ、利子、配当、譲渡損益などの金融所得を一元的に課税する制度」を求めている。
  • 法人課税では、法人税率を30%にまで引き下げるよう要求。
  • 引当金の拡大。個人所得については各種控除を減らすよう求めておきながら、法人課税については控除(引当金)をふやそうというのだ。その他、連結納税制度の拡充、欠損金の繰り延べ、繰り入れなど、ともかく法人課税を減らせるなら何でもやろうということ。

これらは、「中長期的に達成すべき税制抜本改革の主要課題」とされている。

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