どう読んでもよくわからない「合理的」な説明

石破防衛相が、いつもの慇懃無礼な調子で答弁で紹介した米軍の「合理的」な説明。何度読んでみても僕には理解不能です。

海自給油、米艦船「3日で消費」…防衛相が転用疑惑を否定(読売新聞)

空母に給油されたのは、67万ガロン余り。で、米軍の説明では、「作戦行動時の通常型空母の平均燃料消費量は1日11万3000ガロン」。だったら、67万ガロンで6日程度は作戦行動ができるはずなのに、それは3日だけだというのが、なぜ「合理的」な説明なのでしょうか? もし米軍が「1日平均20万ガロンだ」と言ったというけれど、毎日毎日、どれぐらい燃料を使ったかの記録がある訳でなく、なぜこの3日間だけ、特別に「1日平均20万ガロン」なのか、客観的な根拠があるわけではありません。ホルムズ海峡を通過するときには33ノットの高速で航行したからだというけれど、33ノットで航行すると、どれぐらい燃料を消費するかという数字があるわけではありません。平均1日11万ガロンという数字は「作戦行動時」だとされていますが、これら通常の「作戦行動時」にまったく高速で航行することはない、とでもいうのでしょうか? むしろ、67万ガロンと3日間という数字にあわせて、「1日20万ガロン消費していたはず」という辻褄あわせをやったのではないか、たと考える方が、「合理的」だと思えるのですが…。

まして、「ペルシャ湾に入ったからといって、燃料がOEF以外に使われたという推論は極めて乱暴で成り立たない」などという議論こそ、乱暴で成り立たないものです。石破氏の説明では、まるで、ペルシャ湾の一番奥まで行って空母から戦闘機が飛び立つまでは、イラク作戦ではなかったかのような口ぶりです。しかし、燃料がなければイラク沖に移動できない以上、攻撃開始前に出撃場所まで移動するための燃料は、当然、イラク攻撃用の燃料になります。そもそも、アフガニスタンの海上警備のために行動している船が、なぜペルシャ湾の、しかもその一番奥付近まで行かなければならないのか、そちらの方こそ説明が必要であるというのは、決して「乱暴」な話ではありません。

まあ、かつて「トマホークを発射しても、途中で方向を変えることができるので、発射そのものは武力の行使にはあたらない」などというふざけた答弁を平気でやったことのある日本政府ですから、この程度で驚いていたらだめなのかも知れませんが、それを慇懃無礼に答弁する石破氏の鉄面皮ぶりには呆れるばかりです。

海自給油、米艦船「3日で消費」…防衛相が転用疑惑を否定
[2007年10月10日13時7分 読売新聞]

 海上自衛隊がインド洋で米補給艦に給油した燃料が、目的外のイラク作戦に転用されたと指摘されている問題で、石破防衛相は10日午前の衆院予算委員会で、転用はなかったとする米国の説明の詳細な内容を明らかにした。
 石破氏は「米側の説明の内容は極めて合理的だ」と言明し、日本政府としても転用はなかったと結論づけたことを強調した。
 「転用疑惑」は、2003年にテロ対策特別措置法に基づきインド洋で活動する海自の補給艦「ときわ」が米補給艦に補給した燃料80万ガロンが、対イラク作戦に使われたのではないかというもので、日本のNPO法人「ピースデポ」が情報公開で得た米海軍の公文書などをもとに指摘した。
 石破氏の説明によると、「ときわ」は2003年2月25日、米補給艦「ペコス」に燃料80万ガロンを補給し、ペコスはこの燃料を通常型空母「キティホーク」と巡洋艦1隻に補給した。
 このうち、米同時テロを受けて始まった「不朽の自由作戦(OEF)」に従事中の空母には25日中にホルムズ海峡で67万5000ガロンを補給し、空母はその後、ペルシャ湾内で行動した。
 米側統計によると、作戦行動時の通常型空母の平均燃料消費量は1日11万3000ガロンで、補給した燃料は単純計算で1週間程度の消費量にあたるが、米側からは、空母は25日から3日間ですべての燃料を消費したと説明を受けたという。
 石破氏は、〈1〉米側から03年に提示された標準的燃料消費は約20万ガロンだった〈2〉空母はホルムズ海峡通過時に33ノットの高速で相当時間航行している〈3〉数回の飛行作業実施時にも高速で航行したと考えられる――との前提を示したうえで、「1日約20万ガロンという標準消費量を上回ると推定するのが合理的で、3日間で(燃料を)消費したと考えるのが合理的だ。燃料はOEFに使われたと考えられる」と断言した。
 また、「ペルシャ湾に入ったからといって、燃料がOEF以外に使われたという推論は極めて乱暴で成り立たない」と指摘した。
 民主党の菅代表代行の質問に答えた。

 ◆転用禁止規定は新法案に必要なし…町村官房長官◆

 町村官房長官は10日午前の記者会見で、海上自衛隊がインド洋で米艦船に提供した油がイラク作戦に転用されたとの疑惑に関連し、転用禁止の規定を新テロ対策特別措置法案に明記するかどうかについて、「今も転用されていないということを、石破防衛相が衆院予算委員会で答弁している。新しい法律で改めて書く必要はない」と述べ、新法案で定める必要性はないとの認識を示した。

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