さて、その学力テストの結果ですが…

全国紙の報道だけでは分からない、学力テストの結果を受け取った地方の反応をニュースで集めてみました。平均を上回った県はそれほどでもありませんが、平均を下回った県は大慌てのようです。

全国学力テスト、「成績」に笑顔と落胆…(読売新聞)
学力テスト結果を市教委定例会で公表。金沢(石川)(読売新聞)
全国学力・学習状況調査 北海道は小6が46位、中3は44位(BNN)
県内、全教科全国平均上回る?全国学力テスト(四国新聞)
全国学力テスト 中学国語、平均上回る:栃木(東京新聞)
県内、中学数学に課題 全国学力テスト:千葉(東京新聞)
全国学力テスト結果 小学校4科目 首都圏最低:神奈川(東京新聞)
全国学力テスト・宮城 深刻な学力不足(河北新報)
下位県「強い衝撃」、上位県「分からない」 学力調査(朝日新聞)
「教育県」に警鐘? 全国学力テスト 県平均正答率全国下回る(岡山日日新聞)
衝撃 予想外の格差/学力テスト(沖縄タイムス)

今回公表されたのは都道府県ごとの結果だけですが、市町村ごとの結果が公表されれば、市町村単位で同じような騒ぎが起こるでしょうし、学校ごとの結果を公表すれば、「自由選択制」によって、成績の良い学校に生徒が逃げ出す…などという訳の分からない事態になることは必至です。

なお、繰り返し言っておきますが、全体的な学力の動向を知るだけなら、今回のように、全国すべての学校で、すべての生徒を対象に一斉学力力テストをやる必要はなく、一定の比率にしたがっておこなう抽出テストで十分分かることです。にもかかわらず、すべての学校でテストをおこなったのはなぜか。世間的には学校ごとの成績を公表しないでも、結局は学校ごとの成績によって、学校どうしを競わせる――そこに狙いがあることは明らかです。

全国学力テスト、「成績」に笑顔と落胆…九州・山口
[読売新聞 2007年10月25日]

 全国学力テストで、公立学校のデータを集計した都道府県別の平均正答率が公表された。好成績を喜んだり、予想外の苦戦に落胆を隠さなかったりと、各自治体の表情は様々。小差とはいえ、自治体ごとの学力レベルが示されたことが、少なからぬ刺激を与えた形となった。
 平均正答率が全国平均を下回った自治体の表情は厳しかった。

◆沖縄、最下位に衝撃

 沖縄県はすべての教科の平均正答率が47都道府県で最も低かった。同県は1988年度以降、琉球大(沖縄県西原町)への地元出身者の入学率が低いことなどを背景に、達成度テストや補習を行うなどして学力向上に力を入れてきた。
 それだけに今回の結果に教育関係者の衝撃は大きい。仲村守和教育長は、学識経験者らによる「検証改善委員会」を年内に発足させ、今回の結果について原因を究明し、新たな教育プランの策定に乗り出す方針を明らかにした。
 仲村教育長によると、応用に関する問題でとくに差が出ていた。また、小中学校とも無解答率の平均が全国平均の約2倍だったことから、「最後まで問題を解いていく粘り強さや意欲に欠けている」と分析した。
 一方で、「これまでの学力向上の取り組みで学力が中くらいの児童・生徒は増えた」と評価。「上位レベルの数が少ないことが、全国との差につながったのでは」と話した。

     ◇

 全国学力テストで、九州・沖縄、山口の公立学校の平均正答率をみると、福岡県はすべての教科で平均を下回っていたが、熊本、宮崎県はほとんどの教科で平均を上回った。各県とも「指導法の改善につながる」とテスト実施の必要性を認めたが、結果の公表範囲については意見が分かれた。
 テストの結果について、佐賀県は「全般的に低い。意外で残念」と落胆する一方、福岡県と山口県は「全国平均と大差はない」と受け止めた。宮崎、鹿児島県は「指導法の改善や読書活動に取り組んだ成果」と評価し、長崎は「今回だけで即断はできない」としている。
 学力の底上げを図ろうと、各県は様々な取り組みを行っている。独自の学力テストのほか、佐賀県は非常勤講師を独自に採用し、今年は58人を雇った。鹿児島県は中学生を中心に強化を図り、小学校で60分、中学校で90分の家庭学習時間を確保するよう指導している。長崎県は小・中学校15校を学力向上の拠点校に指定。「国語を全教科の基盤ととらえ、国語力向上プランを実施中」という。
 結果を公表すべき範囲について、山口、沖縄県は「現状の都道府県まででよい」、福岡県は「過度な競争を招かないため公表しないほうがよい」とする一方、大分県は「教育事務所などの単位で保護者に説明する必要があるのでは」と指摘した。

学力テスト結果を市教委定例会で公表。金沢(石川)
[2007年10月26日 読売新聞]

 金沢市教委は、文部科学省が24日に発表した「全国学力・学習状況調査」の同市の平均正答率を、同日開かれた市教委の定例会で公表した。文科省は、学校の序列化につながるとして学校ごとのデータの公表を禁止し、市町村レベルの公表は自治体に委ねていたが、県内では金沢市だけが公表した。市教委は「行政機関が行ったテストで、説明責任がある」と説明している。
 同市では小学6年生3893人、中学3年3703人がテストに臨み、全教科で全国平均、県平均を上回った。市は「学校と行政が一体となって頑張ってきたので、それなりの結果が出ると思っていた」とし、委員からは「深く分析し、問題点や良かった点を明らかにし、(子どもたちの力を)伸ばしてほしい」という意見が出された。
 市教委は各校のデータは学校の判断に任せるとし、市学校指導課は「保護者や地域住民に説明し、地域で一体となって教育方針を決めていく学校も出てくるのでは」としている。
 金沢市は、県が2002年から毎年実施している「基礎学力調査」も平均正答率を公表している。

全国学力・学習状況調査 北海道は小6が46位、中3は44位
[BNN 10月25日(木) 15時00分]

正答率はすべての科目で全国平均を下回る。

 北海道教育委員会は、今年4月に実施された「全国学力・学習状況調査」の結果を明らかにした。道内の市町村立小中学校の平均正答率は、国語A、B、算数(数学)A、Bの4科目すべてで全国平均を下回り、4科目平均は47都道府県中、小学校は46位、中学校は44位と低迷した。
 「全国学力・学習状況調査」は、小学6年生と中学3年生を対象に、国語と算数(中学は数学)をそれぞれA(知識)・B(活用)に分けた4教科の学力テストと、学習意欲や生活習慣などを問う質問紙調査の形式で実施。道内では、小学6年生と中学3年生の約9万3,000人を対象に行った。
 道内小学6年生の平均正答率は、「国語A」が79.4%(全国平均81.3%)、「国語B」58.0%(同62.0%)、「算数A」76.8%(同82.1%)、「算数B」58.6%(同63.6%)で、4科目あわせての平均は沖縄県に次いで低い68.2%だった。
 中学3年生の平均正答率は、「国語A」80.5%(同81.6%)、「国語B」70.0%(同72.0%)、「数学A」68.6%(同71.9%)、「数学B」57.6%(同60.6%)といずれも全国平均を下回った。4科目の平均は69.2%、沖縄、高知、大阪に続き、4番目に低かった。
 学習意欲や生活習慣などを問う質問紙調査では、学校の授業時間以外での1日当たりの勉強時間が1時間と回答したのは、小6で41.9%(全国平均 58.2%)、中3で58.4%(同65.2%)だった。北海道教育委員会は、2005年に小学5年生と中学2年生あわせて約4,000人を対象に行った「北海道公立学校学習状況調査」と比較し、学習や読書の時間に増加傾向がうかがえると分析している。
 文部科学省が発表した「調査結果のポイント」では、生活習慣の項目で「朝食を毎日食べる」「学校に行く前に持ち物を確認する」「家の人と学校での出来事について話をする」について「している」「どちらかといえば、している」と頻度の高い回答をした児童生徒の方が、学力テストでの正答率が高い傾向が見られた。

県内、全教科全国平均上回る?全国学力テスト
[四国新聞 2007/10/25 09:27]

 文部科学省は24日、学年全員対象の調査として43年ぶりに今年4月実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果を公表した。対象学年の小学校6年、中学校3年とも国語、算数・数学の各教科で、基礎的知識を問うA問題は平均正答率が73?82%と高い数値を示した一方、知識を活用する力をみるB問題は61?72%と10ポイント程度低かった。
 24日に公表された全国学力テストの結果で、香川県内の公立小中学校の教科別平均正答率は、いずれも全国平均を1?6ポイント上回り、全国上位となる高い水準を示した。ただ、基礎的知識を問うA問題が76?85%に達したのに対し、知識を活用する力をみるB問題は63?74%と10ポイント程度低く、全国と同様に応用力や読解力に課題がみられる結果となった。
 正答率を教科別にみると、A問題は小学算数が85%と最も高く、次いで小学国語84%、中学国語83%、中学数学76%。B問題は中学国語74%、小学国語68%、小学算数67%、中学数学63%。
 他の都道府県と比較すると、小学校は国語Bで全国2位となったほか、算数Bが3位、国語Aと算数Aが5位で、いずれも四国・九州ではトップ。中学校は、数学Aの全国5位に次いで国語B8位、数学B10位、国語A13位。全161問中、県平均が全国平均を下回ったのは12問だけだった。
 一方、A問題とB問題の差は、小学国語と算数がそれぞれ約16ポイント、約18ポイント。中学国語は約9ポイント、数学は約13ポイントあった。
 県教委は、学識経験者や教員らでつくる「県検証改善委員会」で今後、学力テストの結果や学習環境、生活面との相関関係などについて詳細な分析を行い、学習指導の改善策などを盛り込んだプランを本年度中にまとめる。
 和泉教育長は「多くの設問で全国の正答率を上回り、児童・生徒や教員の頑張っている姿がうかがえる。各学校では、結果を活用して児童生徒一人ひとりの学習の改善に生かしてほしい」としている。
 県内では、国公私立合わせて小学校190校、中学校80校の計約1万7400人がテストに参加した。

全国学力テスト 中学国語、平均上回る:栃木
[東京新聞 2007年10月25日]

 県教育委員会は二十四日、ことし四月に県内小中学生を対象に行った「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果を発表した。正答率は全国平均に対して小学校の国語、算数ではいずれもわずかに下回るなどしたが、中学校の国語ではやや上回った。 (小倉貞俊)

 国語、算数(数学)ではそれぞれ、知識を問うA問題、活用する力を問うB問題を実施。平均正答率は、小学校の国語Aが81.7%(全国平均81.7%)、国語Bが61.0%(同62.0%)、算数Aが81.1%(同82.1%)、算数Bが62.1%(同63.6%)だった。
 中学校では国語Aが82.7%(同82.1%)、国語Bが74.0%(同72.2%)、数学Bが71.9%(同72.5%)、数学Bが60.6%(同60.8%)だった。
 また、学習状況調査では、「勉強が好きか」との質問に対し、「当てはまる」「やや当てはまる」と答えた割合が全国平均に比べ、小学校の国語、算数についてはやや高かった。「授業の内容が分かるか」の問いには、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の回答は、小学算数と中学国語で全国平均をやや上回った。
 県教委学校教育課は「国語は日ごろの指導の成果が上がっている。県で児童生徒に読書を推奨してきたことも要因の一つではないか」としながらも「算数は記述式の正答率が低く、課題が残る。今後、自ら主体的に考える力を鍛える必要がある」と分析している。
 今年の全国学力テストは、四十三年ぶりの実施。県内では、国公立の小学校四百十四校の六年生一万八千二百十二人と、中学校百七十校の三年生一万七千三百四人が参加した。

県内、中学数学に課題 全国学力テスト:千葉
[東京新聞 2007年10月25日]

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が二十四日、公表され、千葉県は中学校の数学に課題が残ることが分かった。都道府県別のデータを基に、千葉大教育学部・明石要一教授に分析してもらった。県内の小学校は国語、算数ともに平均正答率が全国平均を上回った。一方で、中学校の数学は全国平均を下回る結果となった。明石教授は中学校の数学教育について「徹底した検証が必要」と訴えた。 (小川直人)

 小学校は国語A(主に「知識」に関する出題)、B(主に「活用」に関する出題)、算数A、Bのいずれも、全国平均を0.5?2.0ポイント上回った。
 中学校の国語はA、Bとも全国平均と同率。しかし、数学はAが1.9ポイント、Bが0.6ポイント下回った。設問別では、平均を3ポイント以上も下回る設問が複数あった。
 明石教授は「基礎にあたる『A』でこれだけの差が出ているのは深刻だ。設問ごとに詳しく分析して弱点を克服する必要がある」と指摘する。
 生徒の生活習慣や意識の調査結果をみると、数学の勉強は「好きか」「大切だと思うか」などの設問は、全国の数値とほとんど差はみられない。明石教授は「数学に対する好き嫌いや苦手意識は全国の生徒と比べても差がないのだから、教え方に問題があるのでは」と疑問を投げかける。
 中学校では休日の勉強時間で「全くしない」と答えた生徒は18.0%(全国15.2%)、平日も学校授業以外で「全くしない」は10.2%(同8.4%)。これも“低迷”につながっている可能性もある。
 一方、国語も好き嫌いなどの意識面は全国とほぼ同じ。だが「読書は好きか」「新しく習った漢字を生活で使おうとしているか」などの問いで「当てはまる」と答える生徒が多いことが、平均を押し上げる要因になっているとみられる。
 小学校より中学校が低くなるのは、東京、埼玉など首都圏や他の都市部とも共通した傾向。明石教授は「都市部では特に塾通いが多くなり、学力の二極化が進む。私立中学に進む生徒もいて公立の平均が低くなる。これも経済格差の影響の一端ではないか」と指摘。さらに、「子どもに罪はない。教え方に問題がないか、塾通いの影響はどうかなど詳しく検証するきっかけとするべきだ」と話した。

全国学力テスト結果 小学校4科目 首都圏最低:神奈川
[東京新聞 2007年10月25日]

 今年四月に実施された文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、県教育委員会は二十四日、県内の公立学校千二百八十四校、約十三万四千人の児童・生徒の結果概要を公表した。全八科目のうち四科目で、平均正答率が全国の公立学校の平均を下回ったほか、首都圏の一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)で比較すると、小学校の四科目でいずれも最低の正答率だった。県教委は「差はいずれも5ポイント以内で、ほぼ同程度ととらえている」とした。 (西尾玄司)

 平均正答率が全国平均を上回った科目は、小学校の国語Bだけ。小学校の国語Aと算数A、中学校の国語Aと数学Aの四科目は下回った。ほかの三科目は同じ正答率だった。首都圏での比較では、小学校の四科目で0?3ポイント下回ったが、文科省からは「プラス、マイナス5ポイントまでの差は、ほぼ同程度と考えてよい」と基準が示されたという。
 正答率が全国平均より低かった問題は、中学校の国語Aで、▽「枕草子」の冒頭部分「春はあけぼの」を書かせるもので81.4%(全国平均88.0%)。中学校の数学Aでは▽「直方体において、与えられた面に垂直な辺を書く」59.6%(同65.9%)▽「直方体において、与えられた辺とねじれの位置にある辺を書く」61.2%(同70.1%)▽「反比例の表を完成させる」40.7%(同46.2%)――の三問で、正答率の低さが目立った。
 結果については、学識者や校長会の代表ら十三人でつくる「県検証改善委員会」(代表者・池田敏和横浜国立大准教授)で弱点などを分析。県内統一の支援プランをつくり、各市町村教委に配布する。個別の結果は学校を通じて、児童・生徒に伝えられる。県教委によると、市町村別や学校別にまとめたデータについては、「序列化につながる」として、公表しないよう文科省から指示があったという。

<メモ>全国学力テストの県内参加状況 全国学力テストは、学力低下が指摘される中、学力の現状を把握するため、全国の小学校6年、中学校3年の全員を対象に実施。国語、算数・数学の2科目で、それぞれ「知識」(A)と、知識を活用できるかを問う「活用」(B)に分けてテストした。全員参加の全国学力テストは43年ぶり。
 参加は自治体や私立学校ごとの自主判断。県内の公立学校では、小学校全867校、中学校全416校、特別支援学校4校が参加。このうち、小学校2校と中学校1校は、学校行事で統一試験日に実施できず、今回の結果に反映されていない。特別支援学校の1校は、子どもの健康状態から最終的に参加を見送った。私学で参加したのは、小学校14校(参加率50%)、中学校26校(同43.3%)、中等教育学校1校(同33.3%)。国立は、小、中学校2校ずつ計4校すべて参加した。

全国学力テスト・宮城 深刻な学力不足
[河北新報 2007年10月25日]

 4月に実施された全国学力テストの結果が24日公表され、宮城県内の平均正答率は小学校と中学校の全教科で全国を下回り、深刻な学力不足の実態が明らかになった。県教委は事態を重く受け止め、「教員の教科指導力向上や児童生徒の学習習慣の形成に生かす」(義務教育課)と、結果の詳しい分析を急ぐ考えだ。
 県内の平均正答率は小学校の各教科で全国を1.0?2.2ポイント、中学校では0.8?1.6ポイント下回った。東北で正答率トップの秋田県と比べると、その差は4.6?8.0ポイントと大きく開いた。
 最も全国との差が大きかった小学校の算数Bは、出題された14問中わずか2問しか平均を上回らなかった。中学校の数学Aも36問中6問にとどまった。
 特に、学んだ知識や技能を活用する力を問うB問題のうち、記述式の回答が求められた設問では、小中学校の全教科の正答率が全国平均を割り込んだ。
 全国平均に比べ極端に正答率が低い設問もあり、中学校の国語Aで出された「繁茂」の読みは、正答率が全国を17.0ポイントも下回った。県教委の担当者は「日常会話などではあまり使われない言葉。読書経験が足りないと答えづらいかもしれない」と分析する。
 県教委は今回の全国学力テスト実施を受け、結果を検証し具体的な学力向上対策を探る「県検証改善委員会」(座長・西林克彦宮城教育大教授)を8月に設置した。委員会は11月に本格的な作業に着手する予定だ。
 学力向上策として県教委は2004年から、岩手、和歌山、福岡の3県と共同で「4県統一学力テスト」を3年間にわたって実施。1、2年目は正答率がほとんどの教科で4県平均を下回ったのに対し、3年目には平均を上回る教科が大半を占めるなど一定の成果もあったが、今回あらためて学力問題に直面した。
 県教委義務教育課の村上善司課長は「地域や市町村ごとの結果も詳しく分析し、県内の児童生徒の学力にどんな課題があるのか探りたい。まずは全国平均に届くことを目標に、他県の実践例も参考にしながら学力向上に取り組む」と話した。
 県内では市町村立と県立の小学校6年生と中学校3年生全員計4万1677人が全国学力テストに参加した。

◎生活習慣/家庭学習は短時間 塾通い全国平均下回る

 全国学力テストと併せて実施された学習状況や生活習慣に関するアンケート結果によると、県内の児童・生徒は全国平均に比べ家庭での学習時間が短く、学習塾に通う割合も低かった。起床・就寝時間は全国よりも早い傾向にあり、規則正しい生活を送る児童・生徒が多いことも分かった。

◆小学生

 学校の授業以外の学習時間は「1時間以上、2時間未満」が35.5%でトップ。「3時間以上」は5.6%、「2時間以上、3時間未満」は12.7%にとどまり、それぞれの全国平均10.9%と14.6%を下回った。
 休日の学習時間はさらに顕著で、2時間以上が15.4%と、全国(23.0%)と大きく差がついた。「全くしない」も1割あった。
 学習塾の利用状況では「通っていない」が62.5%と半数を大きく超え、全国(55.1%)に比べ7ポイント以上高かった。
 学力向上への効果が指摘される読書時間については「全くしない」(22.1%)と「十分未満」(15.4%)が合わせて4割近い。一方、テレビやDVDの一日の視聴時間は2時間以上が64.5%で、読書離れが進んでいる実態がうかがえる。
 生活習慣として起床・就寝時間を聞いたところ、起床が「午前7時前」と回答したのは79.6%で全国(74.5%)を上回った。就寝も「午後10時前」が49.4%と、全国より7.3ポイント割合が高かった。
 生活のリズムに関する設問で、起床時間について「一定している」「どちらかといえば一定している」と回答したのは88.7%。就寝時間が一定しているのも73.5%に上った。

◆中学生

 学校の授業以外の学習時間は「3時間以上」が6.2%で、全国(9.7%)に水を開けられた。「全くしない」は9.6%で、逆に全国(8.4%)を上回り、勉強離れの傾向が表れた。
 休日の学習時間は「全くしない」(16.3%)と「1時間未満」(24.5%)が合わせて4割を占める一方、3時間以上は11.8%にとどまり、全国の14.9%を下回った。
 学習塾の利用状況は「通っていない」が47.0%でトップ。全国(40.2%)を大幅に上回った。一日の読書時間は、30分以上が32.1%と、全国(29.7%)より割合が高かった。
 携帯電話は43.2%が持っていなかった。通話やメールは、32.2%が「ほぼ毎日している」と回答したが、全国(33.1%)をわずかに下回った。
 起床時間は午前7時前が65.8%で、全国(63.9%)を上回った。就寝時間は、「午前零時以降」との回答が全国で30.1%だったのに対し、県内は27.4%と低かった。

下位県「強い衝撃」、上位県「分からない」 学力調査
[asahi.com 2007年10月25日03時04分]

 「強い衝撃」「びっくりした」――24日公表された学力調査の結果に、全国の教育委員会や学校がとまどっている。教育政策を打ち出す中央教育審議会の委員は、220万を超える子どもたちが参加した調査の高い正答率を歓迎する。だが、そうなった要因となると、実施した文部科学省自身、十分に分析できておらず、これからの課題となる。
 正答率が全科目で最下位だった沖縄県の仲村守和教育長は「強い衝撃を受けた」と話す。88年度から学力向上を最優先に取り組んでおり、「成果はいくらか出るだろう」と考えていたからだ。県教委は、検証改善委員会を年内に設け、文科省には、教員の加配や結果を分析する専門官の派遣を求める方針だ。
 小学校国語は知識45位、活用44位、中学校国語は双方が45位だった大阪府教委の藤村裕爾・小中学校課長は「極めて厳しい。考えられる限りのことはやってきたつもりだったが」と苦渋の表情を浮かべた。
 府教委は、成果をあげている小中学校を調査してガイドラインをつくり、底上げを図る矢先だった。ある公立中の校長は「府全体の数値とは言え、学校は矢面に立たされる。保護者や地域の信頼を取り戻すには時間がかかるだろう」と話す。
 中学全科目で46位の高知県は、「土佐の教育改革」を97年度から続けてきた。県教委は「十分に力を引き出してあげられなかった。子どもには申し訳ない」という。
 「厳しい結果。早急に分析していきたい」と言うのは、全国平均を下回る科目が多かった茨城県教委。来年度から理数教育を重視する方針だ。
 中学数学の活用で3位だった岐阜県。数学が専門の各務原市立鵜沼中の西垣誠校長は「これで、これまでの取り組みに自信がもてた」と話す。県内では「問題解決型」として、生徒同士が意見を出し合い、解答を導き出す過程で数学的思考を身につける学習を進めてきたという。
 ただ、正答率が平均を上回った県でこうした声は少数派だ。
 小学校が全科目で1位だった秋田県の根岸均教育長は「厳しい結果を覚悟していた。びっくりしている」と謙虚だ。
 (1)全国に先駆け01年から少人数学習(2)02年から小4?中3全員を対象に学習状況調査(3)05年には算数・数学学力向上推進班を設置――県教委は、こんな取り組みが実を結んだとみるが、「なぜこんなに良かったのか、はっきりしたことは分からない」が本音だ。
 ただ、大半は団子状態で、小学算数の活用では正答率63.6%に実に10県が並ぶ。文科省の担当者は「特に上位の差は小さく、簡単に入れ替わる状況。あまり気にすべきでない」と話す。

 ●文科省、さらに分析へ

 結果はこの日、中教審の初等中等教育分科会で説明された。
 分科会長の梶田叡一・兵庫教育大学長は正答率について「率直に言って、よくできている。都道府県の差も少ない」。渡久山長輝・元日本教職員組合書記長は「学力との相関を分析し、格差が拡大しないように」と要望した。
 しかし、都道府県や地域差の要因を、文科省は説明できていない。例えば沖縄について、藤野公之・主任視学官は「四則計算や円の面積の正答率が低く、記述式問題で無解答率が高い」と話すが、なぜそうなったかの分析はない。正答率が高い県の理由も「分からない」と繰り返した。
 昨年の予備調査では、「本が何冊あるか」「美術館や劇場などに行くか」などと家庭の状況を尋ねた。だが、「プライバシーに踏み込みすぎ」と批判され削除した。失業率や景気状況などとの関連も「簡単に結びつけるのは危険」という。
 小中学校の全教科で3位以内に入った福井県の教委や校長は、好成績の一因として、少人数学級や、地域や保護者の支援を挙げる。逆に結果が低迷した北海道教委も、昨年度から放課後の個別指導や分かる授業づくりに取り組んでいる。
 今回の調査では、こうした取り組みの有無を学校ごとに調査した。ところが、文科省は「データが相矛盾している」「同じ条件で比べないと難しい」として、学力向上に結びついているのか判断できないでいる。
 詳しい分析は自治体も始める一方、文科省も専門家の意見を聞いて、さらに分析する予定だ。来年の調査に向けて質問項目の見直しも進める。

「教育県」に警鐘? 全国学力テスト 県平均正答率全国下回る
[岡山日日新聞 10/25-12:48]

 岡山県教委は24日、全国の小学6年生、中学3年生が受験した「全国学力・学習状況調査」の結果を発表した。県内公立校の平均正答率は、各教科とも全国平均を下回り、順位も20位台後半?40位台前半と低迷。「教育県」を自負してきたが、今後の施策の在り方も問われる結果が出た。(2面に関連記事)
 同調査は今年4月、文部科学省が学年全員対象の調査としては43年ぶりに実施。全国約3万3千小中学校、約230万人に国語、算数・数学の2教科を出題し、「知識」と「活用」の2種類の問題の正答率を分析した。
 県内の公立小学校では417校、1万7669人が受験。正答率は国語、算数とも全国平均を下回り、順位は30?41位だった。 41位となった算数の「知識」は80.5%(全国82.1%)だが、図形の面積を比較し説明する問題は14.4%(同17.9%)と低迷。正答率分布は、中?下位層が全国より多い傾向が見られた。
 公立中学校では、153校、1万5832人が受け、国語の「知識」以外は全国平均以下で、順位は28?39位。 国語は「活用」の資料の見方や考え方を明確にして書く問題が39.7%(同42.6%)、数学は「活用」のグラフを理想・単純化して考える問題が30.6%(同31.1%)だった。
 無回答率は最大43.8%で、小中学校共通して、ほとんどの設問で全国より高かった。 厳しい結果を受け、県教委は11月にも、市町村教委や各校への説明会、自学自習教材の作成などの対策を行う方針。
 調査結果の概要を教員に配布し、各校で調査結果を分析。取り組みの成果や学校生活、授業での課題をまとめ「授業改善プラン」を作る。モデル校の導入も含め「県教委、市町村教委、学校の三位一体で挑む」(県教委指導課)という。

衝撃 予想外の格差/学力テスト
[沖縄タイムス 2007年10月25日]

 「強い衝撃を受けている」―。全国学力テストで県が最下位の成績となったことに、仲村守和県教育長は落胆を隠さなかった。県教育庁は二十年来、学力向上対策を最重要課題に掲げてきただけに「対策を一層充実させなければならない」と県民総ぐるみの取り組みへ決意を込めた。一方、沖教組の関係者は「学びの質を見直す機会」と話し、学ぶ楽しさを伝える授業の実践を訴え、研究者からは画一的な教育を批判する声も上がった。
 仲村教育長は県の結果を報告する会見で、「すべてにおいて全国平均には及ばない状況」と切り出し、ゆっくりと問題点を確認するように説明を始めた。
 「中学数学ではA問題で14.7ポイント、B問題で13ポイント全国との差が開いている」「無解答率が全国平均の二倍近くある」。突きつけられた課題は少なくなかった。
 しかし、「全国とのギャップが分かったので、逆にいい機会だったんじゃないか。学校、家庭、地域が一体となった県民総ぐるみの学力向上対策を強力に推し進めていきたい」と決意を見せた。
 県教育庁は一九八八年度から学力向上対策に力を入れてきた自負もある。これまでの対策について仲村教育長は「(県独自の)達成度テストの点数は上昇し、大学入試センター試験(の平均点)では十年ほど前から全国最下位を脱出した」と強調した。
 沖教組の山本隆司副委員長は「最下位」の結果を冷静に受け止めた。
 「これまでドリル問題を繰り返すなど詰め込み式の授業で、子どもが面白いと思える本来の学びが実践されていなかった。沖縄は他県に比べAとBの正答率に差があるが、そこにその結果が表れている」と指摘する。
 今後は、「子どもたちをどんな人間に育てるか真剣に考え、学びの質を考え直さなければならない」と訴える。
 「応用、活用的な授業こそ学ぶ楽しさがある。教師がゆっくりと教材研究できる時間を設け、裁量を確保すれば、子どもに物の見方が広がる授業ができる」と提言した。
 一方、県には来年度以降、全国学力テストへの参加を見合わせるという選択肢もある。沖縄大学の加藤彰彦教授は「地域性を無視した全国一律の学力テスト自体に反対」とし、「地方分権で『教育』はつくられるべきで、沖縄と東京では子どもへの期待や状況は違う。各地方ごとに『こんな子を育てたい』と考えるべきで、地域の教育をつぶしてはいけない」と訴え、画一的な教育の在り方を批判した。

家の所得で正答率に差

 二十四日に公表された全国学力テスト結果の学校別分析で、就学援助を受けている子どもが多い学校ほど正答率が低いという傾向が、小中学生に実施したすべての教科で表れた。
 就学援助は生活保護を受けるなど所得が低く、子どもの就学が困難な家庭に、国や自治体が学用品購入費や給食費などを補助する制度。文科省は「割合が高い学校の中には正答率が高い学校もあり、一概には言えない」とするが、統計上は家庭の所得による格差の存在を示した。
 就学援助を受ける子どもが一人もいない学校から半数以上まで、割合に応じ六グループに分類。各グループの半数が含まれる中間層の正答率の中央値を比べる方法で分析した。
 その結果、小学国語Bでは援助を受ける児童がいないグループの正答率は64%。援助を受ける割合が高まるごとに正答率が低下し、半数を超えるグループでは53%となって11ポイントの差が生じた。小学校の他教科でも6?8ポイントの差があった。
 中学校では、援助を受ける生徒がいないグループの数学Bの正答率66%に対し、半数以上のグループは46%。ほかの教科も10?20ポイントの開きがあり、小学校より差が大きかった。
 援助を受ける子どもが半数を超えるグループに分類された小学校は約四百七十校、中学校は約二百七十校で、それぞれ全体の2%を占めている。

[ことば]
 全国学力テスト 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。子どもの学力低下が指摘される中、全国の学力水準状況を把握し、学校現場や教育委員会の課題を明らかにする目的で、文部科学省が小6と中3すべての児童・生徒を対象に実施。学年全員の調査は43年ぶり。参加は自主判断を原則としたが、国立は全校が参加、公立で不参加だったのは愛知県犬山市だけだった。私立校は約4割が参加を見送った。テストは国語と算数・数学の2教科で、それぞれ基礎的知識を問うA問題と活用力を調べるB問題の2種類。学習環境や生活習慣なども調査した。

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