接待は認めて謝罪するも、便宜供与はあくまで否定

防衛省の守屋武昌前事務次官にたいする証人喚問。

接待については全面的に認め謝罪・反省の弁を述べるが、便宜供与については否定を貫く――だいたい基本戦略はそんなところ。結局、悪いのは私個人です、自衛隊・防衛省は悪くありません、ということ。

しかし、次期輸送機(CX)エンジンの納入業者の選定会議議長だった守屋氏が、納入業者に決まった米ゼネラル・エレクトリック(GE)の幹部と面談するときに山田洋行元専務を同席させるというのは、便宜供与以外の何ものでもない。言葉で否定してみせても、事実は隠せない、というところか。

それにしても、噴飯ものだったのは、まず委員長の冒頭の総括的な質問。曰く、“あなたの不行状で新テロ特措法の審議に影響を与えることになったことをどう思うか”。それに答えて、守屋氏も神妙な面持ちで“自分の不始末で、大事な法案の審議を遅らせることになって誠に申し訳ない”と発言。これって何?! 防衛省幹部と防衛業者との癒着問題の解明に何の関係があるの?!

それ以上に呆れたのは、自民党の質問。「李下に冠を正さず、瓜田に靴を入れず」などと言って大きな声は張り上げて、さも批判しているかのようなふりをしていたけれども、問題の本質に迫るような質問はしたくないという意図が見え見え。そもそも、守屋氏は、いろいろ接待を受けていたのだから、「李下に冠を正さず…」などという問題でないことは明白。それなのに、まるで問題は「疑惑」でしかないような質問には、ホントに防衛省幹部と防衛業者との癒着には触れたくない、という気持ちがありあり…。

そんななかで光ったのは、共産党の赤嶺議員の質問。山田洋行との宴席について、複数の政治家が同席していたこと、宴席自体も複数回あったこと、そのなかには何人かの政治家がいるところに山田洋行の幹部が参加した場合もあるし、政治家1人との宴席だったこともあったことを詳細に証言。さらに、その宴席にいた政治家の中には、防衛庁長官経験者がいたことも認めさせる、など、山田洋行との癒着が防衛省ぐるみだった可能性を示唆する重要な証言を引き出した。

守屋氏、便宜供与を否定・倫理規程違反は認識
[NIKKEI NET 2007/10/29 22:01]

 防衛省の守屋武昌前事務次官は29日の衆院テロ防止・イラク支援特別委員会の証人喚問で、防衛専門商社「山田洋行」の元専務から接待を受けていた問題について「長期間にわたり(自衛隊員)倫理法違反を続けてきたことは事実だ」と語った。守屋氏は「責任を逃れる考えはない」と強調したものの、元専務側への便宜供与などは否定した。
 守屋氏はまず山田洋行の宮崎元伸元専務側からの接待を受け続けたことについて「大変申し訳なく思っている」と陳謝。退職金の返納については「熟慮して自分なりに対応を決める」と述べるにとどめた。
 接待との関連では次期輸送機(CX)のエンジン調達に絡む便宜供与の有無などが焦点になった。山田洋行側に便宜を図ったとの見方については「一切ない」と否定。宮崎元専務が山田洋行から独立後に設立し、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と販売代理店契約を結んだ「日本ミライズ」を、当時の防衛庁が随意契約で優遇したとされる問題については「ミライズに随意契約でやらせようと言ったことは一度もない」と述べた。

「宴席に防衛庁長官経験者も同席」 守屋氏、喚問で証言
[asahi.com 2007年10月29日15時30分]

 防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)は29日午後の衆院テロ対策特別委員会の証人喚問で、軍需専門商社「山田洋行」の元専務との会食の場に、複数の政治家が同席していたことを明らかにした。
 守屋氏によると、事務次官在職中の一昨年か昨年ごろ、元専務と会食した際、政治家1人と複数の政治家が同席した宴席がそれぞれ1回ずつあったという。守屋氏は、政治家が当時、閣僚だったかどうかについては「記憶がはっきりしない」としながらも、防衛庁長官経験者だったと証言した。赤嶺政賢氏(共産)の質問に答えた。

守屋前次官:証人喚問でCXエンジン納入巡る新たな疑惑
[毎日新聞 2007年10月29日 21時17分 (最終更新時間 10月29日 23時14分)]

 防衛省の守屋武昌前事務次官(63)の証人喚問が29日午後、衆院のテロ防止・イラク支援特別委員会で行われ、守屋氏が03年、次期輸送機(CX)エンジンの納入業者を選定する会議の議長だったことが分かった。さらに昨年、納入業者に決まった米ゼネラル・エレクトリック(GE)の幹部と守屋氏が面会した際、ゴルフ接待などを受けていた防衛専門商社「山田洋行」の宮崎元伸元専務(69)が同席していたことも判明。守屋氏は便宜供与を否定したが、CXエンジン納入を巡る新たな疑惑が浮上した形だ。
 東京地検特捜部は宮崎元専務について、業務上横領や私文書偽造などの容疑で捜査。守屋氏と元専務との癒着関係も解明する方針とみられる。
 守屋氏は川内博史議員(民主)、富田茂之議員(公明)ら7人の質問に答えた。
 守屋氏が議長だった会議は「装備審査会議」で、03年8月8日に開かれた会議では、提案書を出した3社から「経費に係る評価が優位」との理由でCXの納入業者をGEに選定した。当時、GEの日本代理店が山田洋行だったことから、守屋氏が便宜を図った疑いが指摘されたが、守屋氏は「(当時は山田洋行がGEの代理店とは)知らなかった」と主張した。
 また、守屋氏は昨年12月8日、来日したGE幹部と事務次官室で面会した際「(元専務が)おられたと思う」と証言。当時、元専務は山田洋行を退社し同業の「日本ミライズ」を設立、GEの代理店契約を巡って山田洋行と争っていたが、守屋氏は「代理店契約の話ではなかった」とした。
 さらに、山田洋行が01年3月に旧防衛庁と契約したミサイルの照準をそらす装置「チャフ・フレア・ディスペンサー」の納入で、約1億8000万円の過大請求をしながら処分されなかったことへの質問も集中。当時防衛局長だった守屋氏は、山田洋行から経緯の説明を受けたことを認めながらも、不問にしたことへの関与はないとした。
 他にも、守屋氏は元専務との宴席に、防衛庁長官経験者など複数の政治家が同席したことを明らかにしたが「迷惑がかかる」などとして実名の公表は避けた。
 ゴルフ接待では「回数は200回を超えている」と証言。元専務と夏・冬休みにゴルフツアーに行き、旅費を支払ってもらったことや、夫婦のゴルフセットを贈ってもらったことも明かした。
 海自補給艦の給油量訂正・隠ぺい問題では、守屋氏は、03年に米空母キティホークへの給油がイラク作戦に転用されたとの疑惑の発端となった司令官の発言を受け「テロ対策特措法に基づく油の使用に疑惑を及ぼす可能性がある」として、当時の駐日米公使に対し、目的外使用を否定する趣旨の米政府見解を発表するよう求め、文書で回答を得たことを明らかにした。給油量が実際には80万ガロンだった点については「私が(次官を)辞めてから」知ったと述べた。【伊藤一郎、上野央絵】

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