南京虐殺の「徹底検証」は学問研究に値せず

南京虐殺事件の被害者・夏淑琴さんが、『「南京虐殺」の徹底検証』(東中野修道著、展転社)の中で「ニセ被害者」とされたことを名誉棄損として訴えた裁判で、東京地裁が原告勝訴の判決。判決は、東中野氏の資料解釈が「不自然」で「学問研究の成果に値しない」と指摘している。

南京大虐殺めぐる本の著者に賠償命令(TBS News-i )
南京大虐殺本「被害者と別人」 名誉棄損認定 東京地裁(朝日新聞)
著者に400万円賠償命令=南京大虐殺めぐる書籍?東京地裁(時事通信)

南京大虐殺めぐる本の著者に賠償命令
[TBS News-i 2007年11月03日02:40]

 70年前の南京大虐殺で家族を旧日本軍に殺害された中国人の女性が、大学教授の書いた本で「ニセの被害者」とされ、名誉を傷つけられたと訴えた裁判で、東京地裁は教授側に賠償を命じる判決を言い渡しました。
 「家族みんなが死んでしまいました。元気で生きていたのに。永遠に忘れることはできません」(「南京大虐殺」の“被害者” 夏淑琴さん)
 夏淑琴さん(78)は70年前の「南京大虐殺」で、両親ら家族7人を旧日本軍に殺害された上、自分も背中などを銃剣で刺され重傷を負いました。夏さんは、亜細亜大学の教授が書いた本で「ニセの被害者」と指摘され、名誉を傷つけられたとして、教授と出版社を相手取り、損害賠償などを求めていました。
 判決で東京地裁は、教授の指摘は「真実とは認められない」として、教授側にあわせて400万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
 「来月で70周年にあたるこの時期にこうした判決を聞けて嬉しいです。死んでいった父、母、姉、妹、30万の同胞に良いニュースを捧げられます」(夏淑琴さん)
 教授側は控訴する方針です。

南京大虐殺本「被害者と別人」 名誉棄損認定 東京地裁
[asahi.com 2007年11月02日22時48分]

 いわゆる「南京大虐殺」の生き残りとして体験を語り続けている中国人の女性を「生き残った少女とは別人だ」と指摘した書籍「『南京虐殺』の徹底検証」をめぐる訴訟で、東京地裁(三代川三千代裁判長)は2日、書籍が女性の名誉を傷つけたと認め、著者の東中野修道・亜細亜大学教授(60)と出版社「展転社」(東京都文京区)に対し、慰謝料など計350万円を女性に支払うよう命じる判決を言い渡した。
 訴えていたのは、中国・南京市に住む夏淑琴さん(78)。8歳だった37年12月、自宅に押し入った日本兵に両親ら7人を殺され、自身も銃剣で刺されたという。
 判決などによると、事件翌年に米国人牧師が現地で撮影した16ミリフィルムがあり、解説文の中に「8歳の少女」が登場する。東中野教授はこの解説文を検証して、著書で「『8歳の少女』と夏淑琴は別人で、事実を語っていない」という趣旨の指摘をした。
 三代川裁判長は、解説文中の「銃剣で突かれた」という意味の英語を東中野教授が「銃剣で突き殺された」と訳したために別人と誤って解釈したと認定。「通常の研究者であれば矛盾を認識するはずで、原資料の解釈はおよそ妥当ではなく学問研究の成果に値しない」とし、教授の指摘は「真実であるとする理由がない」と判断した。
 展転社によると同書は約8000部発行。別の出版社が英語版、中国語版も発行しているため、判決は東中野教授に、さらに翻訳版の分として50万円の支払いを命じた。
 判決後に記者会見した夏さんは「南京虐殺から70年を前にして記念すべき日で、亡くなった同胞にも一つの弔いになった。真実を述べる機会はそんなに多くない。これからも史実を語り続けたい」と語った。東中野教授は「非常に心外だ。控訴する方針だ」とのコメントを出した。

著者に400万円賠償命令=南京大虐殺めぐる書籍?東京地裁
[時事通信 2007/11/02-21:04]

 南京大虐殺被害者の象徴とされる夏淑琴さん(78)が日本の書籍で「偽者」と指摘されたとして、著者と出版社に1500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、「指摘は真実ではなく、名誉棄損に当たる」として、400万円の支払いを命じた。
 訴えられたのは亜細亜大学の東中野修道教授(60)と出版社「展転社」(東京都文京区)。
 三代川三千代裁判長は、同教授が夏さんを偽者と判断した根拠となった英文資料について、教授が解釈を誤った可能性を指摘。「教授の翻訳では、前後の文脈などから資料全体に不自然な点が生じる」と述べた。
 その上で、「解釈は妥当なものとは言えず、学問研究の成果に値しない」と批判した。

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  1. 不条理日記 - trackback on 2007/11/06 at 23:20:47

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