アメリカのアジア戦略の重要部分を担えとの仰せ

ゲイツ米国防長官が来日。たんなる2カ国関係としてではなく、アメリカのアジア太平洋戦略の重要な構成要素として、いっそうの政治的・経済的・軍事的な役割分担を求める。

米国防長官、日本に安全保障面での役割強化を求める(AFPBB News)

これを読むと、日米豪の安全保障協力も、アメリカのアジア太平洋戦略にそった動きだということがよく分かる。アメリカは、自分では反対しておきながら、「国連安保理常任理事国入り」というエサをぶら下げれば、日本はどこまでもついてくると思っているのだろうか。

米国防長官、日本に安全保障面での役割強化を求める
[AFPBB News 2007年11月09日 22:25 発信地:東京]

【11月9日 AFP】(一部更新)来日中のロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は9日、都内で講演し、安全保障問題で日本により大きな責任を担うよう求めた。
 ゲーツ長官は「日本は政治的、経済的、軍事的能力に見合う役割を担う機会と義務がある。それが米国が日本の国連安全保障理事会(UN Security Council)常任理事国入りを強く支持する理由だ」と語り、日本に安全保障面でのさらなる貢献を求めた。
 さらに長官は「米国は長年、アジア諸国と良好な関係を築いてきた。率直に言って、アジア諸国間の関係よりも良好な関係だった」と語った上で、「今こそ、米韓日、あるいは米日豪の3国間連携、さらにインドの参入を促すいい機会だと思われる」と指摘し、冷戦時代を通じて米国がアジア太平洋地域で築き上げてきた2国間関係をさらに深めるべきだとの見方を示した。
 同時に、「アジア太平洋諸国が安全保障問題で米国だけに依存せず、自国の安全保障に今以上に責任を持つ必要がある」とも述べ、安全保障問題での米国への一存をやめ、各国間で協力体制を強化するよう呼びかけた。
 一方で駐留米軍については、「われわれが兵力を削減するのはアジア諸国、特に日本ならびに韓国との同盟関係が成熟してきたためだ。アジア太平洋地域への関心が薄れたわけではない」と説明した。
 今回の来日でゲーツ長官は複数の会談に臨んだ。1週間にわたる東アジア歴訪の全日程を終えて米国に発つ前に報道陣に対し、それら全ての会談で駐留米軍経費の日本側負担について触れ、同盟国として現在の年間約50億ドル(約560億円)を維持するよう求めたことを明かした。
 「日米同盟は両国にとって実りのあるものだが、特に日本には非常に大きな利益をもたらしている。(日本の経費負担は)単なる金銭的支援ではなく、同盟が健全なものであることを示す『象徴』なのだと伝えた」と語った。
 日本政府は安全保障の面で多くを米国に負っているが、駐留米軍経費の日本側負担の削減を申し出ている。

【追記】

核の傘維持へMD協力有用 米国防長官、本社主筆と会見(朝日新聞)
ゲーツ米国防長官来日、日本の国際平和維持活動へのさらなる取り組みに期待(IBTimes)
自衛隊派遣恒久法に賛同ゲーツ米国防長官と会見(徳島新聞)
楽観ムード戒めるゲーツ国防長官(MSN産経ニュース)

核の傘維持へMD協力有用 米国防長官、本社主筆と会見
[asahi.com 2007年11月09日20時10分]

 ロバート・ゲーツ米国防長官は9日、東京都内の米国大使公邸で船橋洋一・朝日新聞社主筆と会見した。長官は、北朝鮮の核兵器の脅威に対抗する形で、米国が「核の傘」と呼ばれる拡大抑止を今後も日本に提供し続けていく方針を、前日の石破防衛相や高村外相との会談で表明したことを明らかにした。ミサイル防衛(MD)での日米協力はそのためにも有用だと強調。北朝鮮の非核化が実現してもMD網は維持する考えを示した。
 ゲーツ氏は、6者協議の合意に基づいて北朝鮮が寧辺の原子炉の無能力化を始めたことを歓迎した上で、「究極的な課題は、北朝鮮が完全に非核化するかどうかだ。目的地はまだ遠い」と、慎重な見方を崩さなかった。北朝鮮によるシリアへの核協力疑惑については直接のコメントは避けつつ、「ブッシュ大統領は、北朝鮮によるいかなる拡散の試みも、非常に重大な結果を招くことを明確にしてきた」と述べ、拡散を許容しない米国の立場を強調した。
 日米同盟の現状について「MDや米軍再編問題での協力に象徴されるように、緊密で活力ある関係だ」と評価。テロ対策特別措置法の期限切れで中断した日本の給油支援については「日米二国間の問題というよりも、広範な有志連合への支援だということを日本の国民は認識してほしい」と述べ、再開への期待感を表明した。
 普天間飛行場の代替施設問題で打開のメドが立っていない米軍再編については、日程を定めたロードマップは「非常に複雑だが、一貫性のある合意なので、一つの要素だけを抜き出して変更すると、全体が崩壊しかねない」として、日米合意の順守を求め、地元が求める柔軟な対応には消極的な姿勢を示した。
 一方、長官は日本に先立って訪れた中国で、今年1月の衛星破壊実験など軍近代化への懸念を中国側に伝えたことを明らかにした。中国の秘密主義の問題性を指摘しつつ、中国を相手にした戦略対話を継続する必要性を主張した。
 米国の「対テロ戦争」については「順調に進んでいる」としたが、ムシャラフ大統領の非常事態宣言で緊迫するパキスタンで「軍の関心が国内に振り向けられる分だけ、より危険なアフガニスタン国境地帯への注意が散漫になる」と懸念を表明。「大統領が選挙実施の公約を守り、どれだけ早く軍役を退くかにかかっている」と、事態の早期収拾を求めた。

ゲーツ米国防長官来日、日本の国際平和維持活動へのさらなる取り組みに期待
[IBTimes 2007年11月09日]

 来日した米国防長官ロバート・ゲーツ氏は9日、アジアは「核問題が温存する潜在的可能性のある最後の地域だ」とし、日本及び近隣諸国はアジア治安問題により勢力的に立ち向かって行くべきだと警告した。
 8日ゲーツ国防長官は上智大学で講演し、「北朝鮮の脅威・核問題を克服するには一国では不可能であり、他国との同盟による継続的な取り組みを要する。日本はその経済的・軍事的潜在力を活用して、アジア核問題に対してもっと積極的に取り組んで行く必要がある」と述べた。
 具体的に日本がどのようなことに取り組んで行くべきかは明示しなかったが、「日本が国際平和活動やその他多くの活動において建設的な役割を果たすことが出来ると信じている」とし、日本の今後の取り組みへの期待を述べた。ゲーツ国防長官は、アフガニスタン平和維持活動は米国一国だけでは不可能であるとし、同盟国の支援が必要であることを強調した。
 また中東情勢に関しても、問題がアジアにも波紋していく可能性があるとして、より注意を示すように警告し、「日本は中東から自国で使用する石油の80%を輸入することで経済力をつけていることを忘れないで欲しい」と述べた。
 ゲーツ国防長官の発言は日本政府がインド洋での米軍率いる同盟国によるアフガニスタン平和維持活動支援のための給油活動延期を取りやめた決断に対する不快感を暗にほのめかしたものとも見られる。
 石破茂防衛大臣は8日の記者会見で、給油活動継続について政府内で妥協に至るように努力しているとし、「給油活動の継続が日本の国防のために重要だ、給油活動中断期間が長引けば長引く程、我が国のテロ対策への取り組み方が消極的であると見なされるようになるだろう」と述べた。
 また 高村正彦外務大臣は北朝鮮の核無能力化に向け米国や国際社会と協力して努力していくとし、「日本と米国はこれからも軍事防衛プログラムを継続して行っていくつもりだ」と述べた。現在日米同盟により、日本国内に5万人の米兵が駐在している。

自衛隊派遣恒久法に賛同 ゲーツ米国防長官と会見
[徳島新聞 2007/11/09 21:16]

 【米政府専用機中9日共同】ゲーツ米国防長官は9日、帰国途中の機中で、共同通信など同行日本メディア2社との記者会見に応じ、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法制定に賛同する考えを表明した。在日米軍駐留経費は据え置きを求め、インド洋での給油活動の早期再開、防衛費増額を強く促した。
 恒久法については福田康夫首相が制定に意欲を見せており、米側の「お墨付き」が得られたことで議論が加速するのは間違いない。長官は訪日時に石破茂防衛相から受けた説明を「興味深かった」と前向きに評価。「国際貢献がしやすくなるのは確かだ」と述べ、米閣僚として法制定に初めて賛同した。
 日本側が財政難から削減を求めている在日米軍駐留経費(思いやり予算)について、長官は据え置きを主張。「単に金額の問題だけでない」として同盟維持の観点から日本側に理解を求めた。

楽観ムード戒めるゲーツ国防長官
[MSN産経ニュース 2007.11.9 21:56]

 ゲーツ米国防長官は9日、中国、韓国に続き、東アジア歴訪最後の訪問地となった日本での講演で、北朝鮮の核問題について「北東アジアは地球上で核による衝突が起こりうる最後の地域の一つだ」と述べ、各国に真剣な取り組みを求めた。北朝鮮・寧辺にある核施設を、当面稼働できなくする「無能力化」に向けた作業が今月初めに始まったことを歓迎しつつ、同時に今後の対北朝鮮交渉が楽観ムードに流れることを戒め、警戒を促したものといえる。
 ゲーツ長官はライス国務長官らが進める6カ国協議を通じて核問題を解決するとの「交渉路線」を基本的には支持する立場だ。昨年12月の就任以来、「エネルギーの大半をイラクに裂いている」(国防総省関係者)といわれる同長官にすれば、昨年の北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験などで、北東アジアでも緊張が高まるのは避けたいのが本音といえる。
 しかし、無能力化の作業について「(朝鮮半島の非核化の)目標に達するにはほど遠い」と指摘したように、現状で北朝鮮の核や弾道ミサイルによる脅威に対処する態勢はできていないのも事実。今回の歴訪で長官はこうした立場から日本や韓国に、米国と協調し、抑止態勢を強化する必要性を繰り返し唱えた。
 長官はまた、北朝鮮が年内までに履行することになっている核計画の完全申告について、6カ国協議の合意事項をどこまで履行する意思があるかのテストになるとも指摘した。交渉担当者のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、完全申告の焦点となっているウラン濃縮問題の解決に自信を示しているが、ゲーツ長官からは、こうした楽観的な発言は出なかった。
 米中央情報局(CIA)出身で、慎重に見極めながら物事を進めるといわれる同長官の性格を反映しているともいえるが、北朝鮮との交渉を急ぐブッシュ政権の姿勢に批判が出ていることも意識したともいえそうだ。
 特に、北朝鮮とシリアとの核開発協力疑惑をめぐっては、9月6日のイスラエル軍によるシリア空爆などに関する情報開示をしない政権の姿勢に共和党内からも批判の声が出ている。共和党のホクストラ下院議員は9日付の米紙ニューヨーク・タイムズに、今後の北朝鮮との交渉を注視していく考えを示した。
 ゲーツ長官は8日の石破茂防衛相との会談後の記者会見で、「核拡散は重大な結果を招くということを明確にしている。われわれは北朝鮮を非常に注意深くみている」と述べ、拡散防止に努めていることを強調した。(有元隆志)

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