サブプライム 大手銀行6グループの損失3000億円

サブプライム問題で、国内大手銀行6グループの損失が3000億円にのぼる見通し。また、邦銀のサブプライム・ローンを含む金融商品の保有額は1.3兆円にのぼることも明らかに。

さらに、サブプライムに次ぐ「オルトA」というローンでも、同じように焦げ付きがでる可能性も取り沙汰されています。はたしてどうなりますやら…

国内大手銀6グループ サブプライム損失3000億円 3月期見通し 中間利益は45%減(東京新聞)
大手6行:最終益半減 成長戦略、立ち往生 サブプライム直撃、「海外証券化」で損失(毎日新聞)
サブプライム問題:邦銀の保有額は1兆3000億円(毎日新聞)
サブプライム、世界規模損失32兆円 OECD試算(中日新聞)

国内大手銀6グループ サブプライム損失3000億円 3月期見通し 中間利益は45%減
[東京新聞 2007年11月22日 朝刊]

 大手銀行6グループの2007年9月中間連結決算が21日出そろった。米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題に関連するみずほフィナンシャルグループなど4グループの損失は合計で約1150億円に達した。08年3月期では、3000億円規模に膨らむ見通し。
 6グループの中間決算の純利益は、前年同期に比べ45・4%減の約9480億円で、全グループが減益だった。サブプライム問題のほか、傘下のノンバンク業績悪化などが響いた。
 サブプライム関連で、みずほは中間期で700億円近い損失が発生。三井住友フィナンシャルグループは320億円、住友信託は90億円を計上した。りそな、中央三井は業績への影響はなかった。
 通期の損失見通しは、みずほが最大で1700億円。傘下のみずほ証券の損失も膨らむ見通しで、来年1月1日に予定していた新光証券との合併計画が5月に延期された。
 三井住友の870億円が続く。
 証券業界では野村ホールディングスが1?9月期の損失を1456億円と公表。さらに、保険業界を合わせた国内勢全体の損失の合計額は5000億円規模となり、日本の金融機関の決算を直撃している。
 中小では滝野川信用金庫(東京都北区)は約73億円の損失を発表したが、さらに拡大する見通しとなったため、資本増強の検討に入った。
 サブプライムローン問題の震源地である欧米の金融機関では、シティグループが2兆円、メリルリンチが1兆円近い巨額損失を見込んでおり、実体経済への影響が懸念されている。

大手6行:最終益半減 成長戦略、立ち往生 サブプライム直撃、「海外証券化」で損失
[毎日新聞 2007年11月22日 東京朝刊]

◇収益源、サブプライム直撃

 07年9月中間決算で大手銀行6グループの最終(当期)利益が前年に比べ半減したのは、貸し出しの伸び悩みに加え、新たな収益源になるはずだった海外証券化業務が米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に直撃され、多額の損失を出す羽目になったからだ。ドル箱の投信販売も株安で打撃を受けるなどリテール(小口金融)業務にも影響が出始めており、大手行の成長戦略は立ち往生を余儀なくされている。
 「市場がクラッシュし、(証券化商品は)何が適正価格か分からない状況だ」。みずほフィナンシャルグループ(FG)の前田晃伸社長は決算会見で困惑を隠さなかった。みずほは中間期にサブプライム関連で700億円の損失を計上。10月以降、サブプライム問題は証券化市場全体の混乱に波及したため、08年3月期の損失は1700億円に膨らむ。
 他の大手行もりそなホールディングス(HD)と中央三井トラストHDを除き、軒並みサブプライム関連投融資で痛手を受けている。新生銀行とあおぞら銀行を加えた大手8行の損失は中間期の計約1400億円から08年3月期には倍以上の計3400億円近くに拡大する。欧米市場ではサブプライム以外の他の証券化商品も価格が急落しており、米住宅ローン関連の証券化商品への投資残高が8000億円あるみずほFGなどは市場から「損失がさらに膨らむのでは」(格付け会社)と疑心暗鬼の目を注がれている。
 サブプライム問題は大手行の海外戦略も狂わせた。住宅ローン担保証券(RMBS)などの証券化ビジネスは米シティグループなどが開発し、巨額の利益をあげてきた。日本の大手行も「有望事業」と見て、みずほFGを先頭に本格進出を狙っていたが、サブプライムショックでリスクの大きさが明らかになり、各行が戦略見直しを迫られるのは必至だ。
 さらに、サブプライム問題による世界的な株価急落が収益のけん引役の金融商品販売にも影を落とし始めている。株安による顧客離れで各行の10月の投信販売は軒並み前年比3割減と落ち込み、先行きも不透明だ。
 21日決算発表した三菱UFJFGは、貸し出し利ざやの縮小やカード子会社のリストラなどで08年3月期の連結最終利益予想を5月時点の予想から2000億円も下回る6000億円に下方修正。畔柳信雄社長は「来年のシステム統合に向けた経費も重なり、今年度が一番苦しい時」と述べたが、投信販売落ち込みが続けば業績はさらに低迷しそうだ。【坂井隆之】

◆大手行6グループの07年9月中間決算◆
業務純益 最終利益 自己資本比率
三菱UFJ 5047(▼8.0) 2567(▼49.4) 12.65(11.95)
みずほ 4142( 5.4) 3270(▼16.6) 11.79(10.97)
三井住友 3909(25.4) 1705(▼30.0) 10.60(10.07)
りそな 1650(▼8.1) 1202(▼73.9) 約13(12.50)
住友信託 807(▼7.0) 377(▼41.0) 11.80(11.55)
中央三井 815( 6.2) 355(▼46.9) 12.76(12.50)

 (注)単位・億円。自己資本比率は%。カッコ内は前年同期比増減率、▼はマイナス、自己資本比率は前年同期実績。最終利益と自己資本比率は連結、業務純益は傘下銀行の合算。りそなの自己資本比率は暫定値

◆大手行のサブプライム関連損失状況◆
07年9月中間期 08年3月期
三菱UFJ 40 270
みずほ 700 1700
三井住友 320 870
りそな 0 0
住友信託 90 190
中央三井 0 0
新生 198 198
あおぞら 58 138
1406 3366

※単位・億円。08年3月期の損失は最大の場合

サブプライム問題:邦銀の保有額は1兆3000億円
[毎日新聞 2007年11月22日 21時58分]

 金融庁は22日、米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)問題で、邦銀の損失状況を発表した。9月末現在で、サブプライムローンを含む証券化商品の保有額は、国内の銀行(新生銀行とあおぞら銀行などを除く)や信用金庫・信用組合の全体で約1兆3000億円あり、評価損と損失処理を合わせ約2300億円が9月中間決算に計上された。
 渡辺喜美金融担当相は「邦銀の保有は限定的で、自己資本が40兆円規模あるため、損失リスクには対応可能だ」として、金融システムに深刻な影響を与える状態ではないとの認識を強調した。ただ、今回の集計に含まれていないタイプの証券化商品も価格が下落しているほか、10月以降の追加損失は反映されておらず、今後、損失が拡大する可能性もある。
 集計では、大手銀行10行の保有額は約1兆2000億円で、評価損は約1000億円、証券化商品を売却などして損失処理した損失額は約1000億円だった。地方銀行は保有額1100億円、評価損60億円、損失額90億円。信金・信組は保有額200億円、評価損10億円、損失額100億円だった。【清水憲司】

サブプライム、世界規模損失32兆円 OECD試算
[中日新聞 2007年11月22日 夕刊]

 【ロンドン=共同】経済協力開発機構(OECD)は21日に発表した報告書で、米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題に関連する世界規模の金融機関の損失が2000億?3000億ドル(約21兆7000億?32兆5000億円)に達する可能性がある、との見通しを明らかにした。
 同ローンと比べて信用力が高い借り手向けの類似ローンでも焦げ付きが本格化し、損失が拡大するとしている。これまでに国際通貨基金(IMF)は損失見通しを最大2000億ドルと試算しており、これを50%上回る規模。問題の深刻さがあらためて浮き彫りになった。
 報告書は、2008年に金利上昇のタイミングを迎えるサブプライムローンのうち10%台半ばの延滞が発生すれば、損失は1250億ドルに上るとした。
 さらに信用力は通常ながら所得や資産内容に問題がある借り手向けとされるローン「オルトA」でも同様の問題が発生する可能性が高いと指摘し、米景気の減速なども勘案すれば損失が2000億?3000億ドルに膨らむ可能性があると説明した。

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