対テロ抗議の現代アートがターナー賞を受賞

2007年1月15日、ロンドンのテート・ブリテン内に展示されたマーク・ウォリンガー氏の作品『State Britain』とその前を歩く同氏。(AFPBB News)
2007年1月15日、ロンドンのテート・ブリテン内に展示されたマーク・ウォリンガー氏の作品『State Britain』とその前を歩く同氏。(AFPBB News)

イギリスの優れた現代美術に送られる「ターナー賞」は、対テロ戦争への批判を表現したマーク・ウォリンガー氏の作品「State Britain」が受賞。

2007年度の英現代美術賞受賞作は、対テロ政策への抗議を表現したアート(AFPBB News)

2007年度の英現代美術賞受賞作は、対テロ政策への抗議を表現したアート
[AFPBB News 2007年12月04日 10:35 発信地:ロンドン/英国]

 【12月4日 AFP】3日、英国内の優れた現代美術に送られる「ターナー賞(Turner Prize)」の2007年度受賞作は、マーク・ウォリンガー(Mark Wallinger、48)氏の「State Britain」だと発表された。
 この作品は、平和活動家のブライアン・ホウ氏(Brian Haw)氏が国会議事堂の前に造った長さ40メートルに及ぶ仮設キャンプのレプリカ。現在、リバプール(Liverpool)にある美術館テート・リバプール(Tate Liverpool)で展示されている。
 その「即時性、心の底から湧き出る強烈さ、歴史的重要性」が評価されての受賞となった。審査員らは、同作品が根本的な人間の真実を表現できる芸術の力と政治的メッセージを組み合わせたものだと評している。
 ホウ氏は2001年6月からイラクへの経済制裁に反対するため国会議事堂の前でキャンプ生活を始め、以後、立ち退きを迫る警察を無視し同地に住み続けているが、5月に警察によりその大半が撤去された。
 ウォリンガー氏は、クマの着ぐるみを着てベルリン美術館の周囲をさまよい歩く自身の姿を、10日間撮影した映像作品『Sleeper』で注目を集めた。1995年に一度ターナー賞にノミネートされたが、受賞には至らなかった。ウォリンガー氏はホウ氏を、「この国の政府の外交政策の愚行やごう慢さに対し、精力的な運動を続けている非凡な人物」とたたえている。
 ターナー賞は、卓越した作品の制作・実演を行った50歳以下の英国人芸術家または英国に居住する芸術家に毎年授与されるもので、賞金2万5000ポンド(約570万円)が与えられる。本年はウォリンガー氏のほかに、マイク・ネルソン(Mike Nelson)氏、ザリーナ・ビーミ(Zarina Bhimji)氏、ネイサン・コーリー(Nathan Coley)氏がノミネートされていた。ノミネート者には賞金5000ポンド(約114万円)が贈られた。
 テート・リバプールの外に詰めかけた報道陣に対し、ウォリンガー氏は、「いつも受賞を逃してきたが、『State Britain』は今年最高の展示物。自信作だ」と語った。
 同賞が個人の才能よりもその話題性を重視しているのではないかという批判の声もある。これまで、腐ったウシの頭にウジ虫とポテトを添えた作品で1995年にダミアン・ハースト(Damien Hirst)氏、ゾウの排泄物を使った絵画で1998年にクリス・オフィーリ(Chris Ofili)らに授与されている。
 1999年に物議を醸した『My Bed』でノミネートされたトレイシー・エミン(Tracey Emin)氏も、同賞のおかげで有名になっている。コンドーム、タバコの吸い殻、汚れた下着をばらまいた同作品は、エミン氏が恋人と別れた数日後のベッドの様子を示したものだという。

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