文科省 「軍の強制なし」は撤回せず

メディアによっては、軍の強制「復活容認」としているものもありますが、「集団自決は日本軍など軍・官・民が一体となった複合的な要因で起きた」「今のところ日本軍の命令を示す資料は見つかっていない」として、軍の強制によるものであることを否定する態度は変わっていません。

実際の運用において、事実上記述が復活したとしても、これでは何の解決にもなりません。

“集団自決 命令の資料ない”(NHKニュース)
検定審「軍強制」容認へ 教科書会社に指針提示(東京新聞)
「集団自決」修正/撤回否定に批判集中(沖縄タイムス)

“集団自決 命令の資料ない”
[NHKニュース 12月7日 4時33分]

 高校の日本史の教科書検定で沖縄戦の集団自決に日本軍が直接関与したとする記述が削除された問題で、文部科学省の審議会が「集団自決に関して日本軍の命令を示す資料は見つかっていない」とする指針をあらためてまとめていたことが明らかになりました。
 この問題は、来年4月から高校で使われる日本史の教科書の検定で、沖縄戦で起きた集団自決に関する記述から日本軍の直接的な関与が削除されたものです。これに対して、沖縄県で反発が強まり、文部科学省が教科書の記述の修正を認める方針を示したことから、これに促される形で集団自決について記述した6つの教科書会社すべてが記述の修正を求める訂正申請という手続きをとりました。申請された記述は多くが日本軍の関与をこれまでより強める形になっていて、文部科学省は教科書検定審査会を開き、沖縄戦の専門家などから意見を聞くなどして申請された記述を認めるかどうか審議を進めています。
 その結果、審議会が「集団自決は日本軍など軍・官・民が一体となった複合的な要因で起きた」とする一方で、これまでどおり「今のところ日本軍の命令を示す資料は見つかっていない」などとする指針をまとめ、文部科学省を通じて教科書会社に伝えていたことが明らかになりました。これを受けて、教科書会社は、集団自決に至る背景などを詳細に書き込んだうえで日本軍の関与についての表現を考慮した記述に修正してあらためて申請を行う方針です。

↓「『日本軍の命令があった』などの直接的な関与を避けた表現の範囲内で、軍による強制の記述の復活を認める」ということのようですが、もともと「日本軍の命令があった」と記述した教科書はなかったはず。何の問題もなかったのに、大騒ぎを起こしておいて、挙げ句の果てに「軍の命令はなかった」という検定基準は撤回しない、というのは、まったく辻褄が合わない話です。

検定審「軍強制」容認へ 教科書会社に指針提示
[東京新聞 2007年12月7日 02時19分]

 沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史教科書の検定問題で、教科書検定審議会が「日本軍の命令があった」など直接的な関与を避けた表現の範囲内で、軍による強制の記述の復活を認める指針を決め、文部科学省を通じ各教科書会社に伝えていたことが6日、複数の関係者の話で分かった。
 国家への忠誠を強いた皇民化教育や、軍が捕虜になることを認めず住民に手りゅう弾を配っていたことなど当時の背景を説明して「事実上の軍による強制」を記述することを認める一方、軍が直接自決を命令した事例は確認されていないとして「誤解するおそれがある」と記述変更を求めた検定意見そのものの撤回はしない方針。
 教科書会社の一部は提出した訂正申請の内容を、検定審の指針に従って部分修正し再提出することを既に決定。検定審は今月中にも最終的な結論を出す見通しだが、審議を進める中でさらに表現の修正を教科書会社に求める可能性もある。(共同)

「集団自決」修正/撤回否定に批判集中
[沖縄タイムス 2007年12月5日]

 【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する教科書検定意見の撤回などを文部科学省に要請した市民団体や支援組織が四日午後、参院議員会館内で報告集会と記者会見を開いた。民主、共産、社民の野党国会議員十五人を含む約百人が参加した。文科省の布村幸彦大臣官房審議官が検定意見の撤回を「考えていない」と否定したことに批判が集中。市民の代表は「私たちの税金で働いている人がこんなことを言うのは許せない」と憤りをあらわにした。
 県高教組の松田寛委員長は「(布村審議官は検定意見が)『制度上問題ない』の一点張りだった」と指摘。
 その上で「(審議会での審議という)制度を通過すれば(記述が)間違ってもいいという考え方が全く理解できない」と述べ、手続き論に終始する文科省の姿勢を批判した。
 教科書全国ネット21の俵義文事務局長は「文科省の姿勢は検定意見を絶対に撤回しないが、沖縄が怒っているので訂正申請でけりをつけようとしている。官僚は絶対に過ちを犯さないという前提がある」と述べ、疑義を呈した。
 「沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会―東京―」の阿部ひろみ代表は「審議会で公正な審議がされたという(布村審議官の)考えに本当にびっくりした」と指摘し、教科書調査官の原案を議論がないまま追認した教科用図書検定調査審議会の在り方に警鐘を鳴らした。

検定意見撤回に難色/要請団に文科省審議官

 【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定意見の撤回を求める市民団体や国会議員などが四日、文部科学省で布村幸彦大臣官房審議官に要請した。出席者によると、布村審議官は「検定意見の撤回は考えていない」とあらためて明言、検定の正当性主張した。一方で、「今回の訂正申請の審議が終わり次第、検定制度全体の在り方について検討したい」と制度の見直しに初めて言及したという。(一部地域既報)
 要請には都内各地で検定意見の撤回を求める「市民の会―東京―」(阿部ひろみ代表)、「沖縄戦首都圏の会」、琉球大の高嶋伸欣教授と山口剛史准教授が参加し、それぞれが要請書を手渡した。

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