ロンドン市の温暖化対策

29日のNHK「クローズアップ現代」は、ロンドン市の地球温暖化対策を詳しく紹介していた。二酸化炭素排出量の75%を大都市が占めている、しかも大都市は沿岸部に多いから、温暖化による海面上昇の被害などを受けるのも大都市だ、ということで、大都市が率先して排出削減に取り組もうというのだ。しかし、740万都市で、2025年までに60%の削減をするという目標をかかげた取り組みは、画期的。しかも着実に成果をあげているというから驚く。

取り組みの柱の1つは、ゾーン設定して、その内部に入る自動車に対して「渋滞税」を課して、その収入によって地下鉄の運賃割引を実施したり、公共バスを増発したりしたこと。「渋滞税」導入後、自動車からバス・地下鉄にシフトしているらしい。また、電気自動車にたいしては、市内に電気スタンドを設け、無料で充電できるようにしたそうな。利用者からも、「電気自動車にして、ガソリン代がかからなくなって、安くついている」との声。これらのコストは、「渋滞税」の収入によって賄われているので、ロンドン市の支出はわずかだという。

また、市内に小規模な発電所を設け、送電ロスを減らすだけでなく、地域の暖房・給湯もおこない、廃熱も無駄なく利用するようにしているという。これらの発電施設がどんなものか詳しい紹介はなかったけれど、将来的には、生ごみを利用したバイオ発電でかなりの部分をまかなおうという計画らしい。

ロンドン市がこうした取り組みを開始した大もとには、「カーボン・デモクラシー」(炭素民主主義)という考え方がある。先進国であれ、発展途上国であれ、人口1人当たりの二酸化炭素排出量は平等であるべきだ、というもの。温暖化を食い止めうる水準まで地球全体で排出量を減らさなければならないが、先進国と途上国が同率で減らしたのでは、途上国の格差を固定化することになる。だから、先進国はより大幅に削減する必要がある、ということだ。

はたしてロンドン市の取り組みがどこまでうまくいくか、また、もし日本でも同じような取り組みをおこなうとしたら、どんな工夫が必要か、それは分からないが、注目すべき取り組みであることは間違いない。

ところで、地球温暖化問題について、あらためて考えてみたいのだけれども、忙しくてまったく手がつかない。とりあえず各種報告のリンク先だけ。こうやってあらためて調べてみると、IPCCの各種報告も、日本語に翻訳されているのはサマリーだけだということに気づく。

IPCC第4次評価報告書について
各種報告書(原文・日本語訳)ダウンロード
スターン・レビュー「気候変動の経済学」の日本語版作成について

スターン報告については、1月5日付の日経新聞朝刊にスターン氏本人へのインタビューが載っている。

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