日本の時間外割増率は低すぎる

2008年3月8日 (土) at 08:19:16 Posted in 雇用・労働

今朝の日経に、新日鉄が深夜勤務の時間外割増率を引き上げるという記事が出ていましたが、おもしろかったのは、そのとなりに載っていた「Q&A 時間外割増率」というカコミ。

日本は「通常日」の割増率(つまり平日の残業代)は25%、「休日」の割増率(休日出勤手当て)は35%ですが、こんな低い国はありません。アメリカ、韓国は50%(平日、休日とも)、イギリス、マレーシア、シンガポールはそれぞれ50%、100%。ドイツも40%程度、60%程度となっています(ドイツの場合は、各産業分野の協定で決まるから、幅がある)。国際的に見て、いかに日本の割増率が低いか、よく分かります。

新日鉄、深夜手当など増額・今春交渉で(NIKKEI NET)

時間外労働の賃金を割り増しするというのは、本来、時間外労働が恒常化、通常化しないようにするため。割増率が0%だと、企業にとって、残業させても、新しく人を雇っても同じことになり、残業規制のインセンティブが働きません。割増率を高くすることによって、初めて、企業側に、残業しなくてすむように必要な要員を確保するという経済的なインセンティブが働くことになります。

現実には、新しく人を雇うと、賃金のほかに、社会保険料の負担や福利厚生費などかかるため、割増率25%?35%では、企業としては新しく人を雇うより残業させた方が安くつく、ということになっています。企業には、「残業せずに仕事が終わる」だけの人員を配置する責任があります。それを果たさせるためには、もっと割増率を引き上げることが必要です。

新日鉄、深夜手当など増額・今春交渉で
[NIKKEI NET 2008/03/08]

 新日本製鉄は今春の労使交渉で、組合側が要求している時間外手当の増額要求に応じる方針を固めた。深夜手当は割増率を現行の30%から33―35%に引き上げる方向。休日出勤手当も増やす。4月から実施する。3交代制で連日操業する製鉄現場への重点配分で士気を高め、生産性の向上につなげる。電機大手では松下電器産業が新卒社員の給与を大幅に引き上げる方針。一律の賃上げを排し、働きへの報い方が多様化してきた。
 新日鉄労組は今春交渉で深夜手当や休日出勤手当、退職金の引き上げなどを要求した。これらを従業員1人あたりに換算すれば3000円分の賃金改善となる内容。経営側は深夜手当の増額などに新規財源を投入する計画で、従業員にとっては実質的な賃金改善となる。深夜手当については夜10時から早朝5時までの勤務者が対象で、現在でも労働基準法の規定を上回る30%の割増賃金を支払っている。(07:00)

Q&Aの方は、インターネットには出ていないので、表だけ採録しておきます。

時間外割増率の国際比較(出所は連合、単位%)
国名 通常日 休日
日本 25 35
韓国 50 50
マレーシア 50 100
シンガポール 50 100
アメリカ 50 50
英国 50程度 100程度
ドイツ 40程度 60程度

出所:「日本経済新聞」2008年3月8日付朝刊

Similar Articles:

この記事を評価してください。☆いくついただけますでしょうか?

【日記・ブログランキング】に参加しています。よかったらクリックしてください。

Print This Post Print This Post

4 Responses to “日本の時間外割増率は低すぎる”

  1. M TANABE Says:

    基本給が低すぎて残業しないと生活費が稼げない人はどおするの。

  2. GAKU Says:

    M TANABEさん、はじめまして。

    もちろん、基本給だけで生活できる水準に、しっかり賃上げしてもらいましょう。

    日本では、TANABEさんがおっしゃるように、「残業をしないと食べていけない」ような給与水準が横行しています。しかし、ヨーロッパでは、1日8時間労働といえば、8時間きっかりで仕事は終わり!! 残業は、一時的例外的な場合に限られます。

    つまり、1日8時間労働といいながら、+2時間残業が当たり前とか、求人情報の「手取り24万円確実(残業代込み)」などという方が異常なのです。

  3. Disk W Says:

    初めまして。
    先日、NHKの日曜討論を何となく見ていたら「日本の残業、休日出勤手当は他の外国と比べたら非常に低い」と言っていましたので、恥ずかしながら40代になって初めてそれを知った私は色々とwebを検索していたところ、ここへたどり着いた次第です。

    私の勤めている会社は毎月の生産要望の変動に対応する為、基幹率(期間従業員の割合)が約40%を占めています。

    しかしここ数年、急激な増産により人員が今までよりも必要になり、現場も会社に必要人員を早く入れて貰う様に要望をしていますが、まともに所用人員を確保する事が難しく、その為計画残業内で終える事が出来なくなってきています。

    ですが会社は人員を揃える事が出来ないのではなくて揃える気が無い事に気が付きました。
    人員を揃えるより追加残業をした方が安いからだったからなんですね。

    私達も残業、休日出勤が無ければ生活は苦しいですが、残業、休日出勤をしなくても良い位に賃金をあげて貰うか、残業、休日出勤をしなくてはならないのなら割増率を上げ貰いたいですね。

    でもそうなると会社は人件費の安い海外へ生産拠点をシフトし、私達の仕事が奪われてしまうと思います。

    どうしたら良いのでしょう。
    何か良い策はないものでしょうか?

  4. zikenyoutube Says:

    時間給もあげるべき
    フランスの最低賃金は1100円で日本は700円

    これじゃ過労死当然だ

Trackback This Post

http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2008/03/08081916/trackback/

Leave a Reply