あのキヤノンが工場の派遣社員ゼロをめざす?!

共産党の志位委員長の質問でも大きく取り上げられたあのキヤノンが、工場から派遣社員をなくすという大方針転換?!

キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用(NIKKEI NET)

しかし、よく読むと、派遣1万2000人のうち、直接雇用に切り替えられるのは6000人だけ。あとの6000人は請負に切り替えられるという。また、直接雇用といっても最長2年11カ月の期間社員(2年11カ月というのは、契約を繰り返した上での最長期間であって、実際には3カ月とか6カ月の期間契約)。「意欲があれば正社員に登用」というが、それは約1000人の見込みだという。

業務請負に切り替えられる部分では、ふたたび「偽装請負」(現場でキヤノン側から指示・命令をおこなう)が発生しないか、それも危惧される。

キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用

[NIKKEI NET 2008/03/16 07:00]

 キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用。正社員への登用も進める。コマツも2009年3月末までに工場の派遣社員全員を期間社員に切り替える。待遇改善で優秀な人材を確保し、生産技術や品質など国際競争力の向上に役立てる。サービス・流通で進む非正社員の正規雇用の動きが、製造業に本格的に広がり始めた。

 キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。
 現在、グループ全体の生産部門の人員は4万2000人で、派遣・請負が6割、直接雇用が4割。今後は請負が4割、直接雇用を6割にする方針。
 製造ラインへの派遣は04年3月の改正労働者派遣法施行で認められた。06年夏以降、派遣社員と同じようには働いているが、請負のように装った「偽装請負」が問題化。キヤノンも07年に宇都宮市の事業所で是正指導を受け、派遣への切り替えを進めてきた。今後は直接雇用を増やしつつ、問題のあった請負でも法令順守を徹底させる。
 派遣社員を利用する企業は雇用期間が最大3年以上になると同じ業務で新規契約できない期間が発生、熟練人材流出の懸念がある。06年ごろ多くの派遣社員を受け入れた会社は09年に「契約解除期間」に突入。労働力不足に陥る恐れもある。
 コマツは09年3月末までに、国内工場の現場で働く人の13%にあたる約750人の派遣社員を原則ゼロにして、期間社員に切り替える。正社員への登用も進める。製造現場の正社員比率を6割から10年3月末までに7割に引き上げる。
 スーパーや飲食店に続き、自動車業界でも正社員化を進めている。国際競争力強化と従業員の技能向上を狙い、製造業全体に流れた広がりそうだ。

 ▼請負と派遣 メーカーなどの発注元から、製造の一部作業を受託するのが請負。働く人は請負を受注した会社の指示に従って仕事をし、発注元からの指揮命令を受けてはならない。一方、人材派遣会社が雇用し、送り込む派遣社員は、利用企業が直接、指揮できる。

最近の主な企業の雇用安定化や従業員の待遇改善の動き
キヤノン 08年12月末までに派遣社員6000人を期間社員に
コマツ 09年3月末までに派遣社員750人を期間社員に
ダイキン工業 請負社員約1000人のうち希望者を期間社員に
吉野家 6月にもパートを転勤がない地域限定の正社員に
ユニクロ パートなど約5000人を2年かけて正社員化
みずほ銀行 1年以上勤務した人に正社員転換の資格
三菱東京UFJ銀行 08年中に派遣社員1000人を契約社員に

↑日経の記事の書き方もいやらしい。「雇用期間が最大3年以上になると同じ業務で新規契約できない期間が発生」などというと、なんて不合理な制度だと思うかも知れないが、3年以上も連続して同じ業務で働かせたのなら、その仕事は一時的・臨時的なものではないのだから、派遣ではなくて直接契約しなさい、というのが本来の立場。派遣の雇用期間が3年に限定されているから、09年になると人材流出の恐れが生まれる、のではなくて、本来直接雇用で確保すべき人材を派遣ですませていた企業の人事政策の矛盾が09年になると表面化する、というのが正しい理解だ。

【追記】

キヤノン、製造業派遣の受け入れ打ち切りへ 年内に(朝日新聞)

キヤノン、製造業派遣の受け入れ打ち切りへ 年内に

[asahi.com 2008年03月17日18時38分]

 キヤノンは、グループ会社を含む工場の派遣社員約1万2000人の受け入れを年内に打ち切り、半数の6000人を直接雇用の期間社員に、残りを請負会社との契約に置き換える。同社は、実態は派遣なのに請負を装う「偽装請負」があるとして栃木労働局などから指導を受け、派遣への切り替えを進めていた。だが製造業への派遣可能期間は3年が上限のため、工場内の作業を直接雇用と請負に再編することにした。
 昨年末現在で、同社のグループ全体で正社員約1万5000人、期間社員約4600人、派遣社員約1万2000人、請負会社の社員約8000人が働いている。直接雇用の割合は約48%。作業を直接雇用による基幹作業と請負会社への委託作業に振り分け、新規採用も含め約6000人を期間社員とする。再編後は直接雇用6割、請負4割となる。
 労働者派遣法では、製造業への派遣は同一業務で最長3年。04年に製造業派遣が解禁され、07年に最長派遣期間が1年から3年に延長されるなか、多くの工場で派遣社員が09年に3年の期限を迎えるとみられる。キヤノンは「同一業務かどうかの判断に不透明さが残るため、派遣への依存体質を改めることにした」としている。

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