大和ハウス子会社、未払い残業代2億4400万円

サービス残業、「名ばかり管理職」――まだまだ違反事件は続きます。

大和ハウスの子会社がサービス残業代2億4400万円を支払うことに。残業目標1カ月30時間と決めたからといって、それを超える残業代を支払わない、というのはルール違反です。

マクドナルド判決をきっかけに、「名ばかり管理職」の不払い残業代の支払いを求める動きが広がっています。牛丼チェーン「すき家」のアルバイト3人が残業代不払いで「すき家」を労基署に刑事告発。コナカの店長2人が労働審判を申し立てました。

他方、紳士服の青山は、店長や課長への残業代を支払うことを決定。過去2年にさかのぼり12億円を支払います。

未払い残業代を支給 2億4400万円 大和ハウス子会社(東京新聞)
公立病院でも「名ばかり管理職」・滋賀、労基署が是正勧告(NIKKEI NET)
労組加入で解雇不当、「名ばかり取締役」提訴…佐賀地裁(読売新聞)
「名ばかり管理職」訴訟 尼崎の会社に支払い命令(神戸新聞)
都市機構が残業代未払い(共同通信)
「名ばかり管理職」コナカに残業代請求 仙台2店長(河北新報)
「残業代など不払い」 バイト3人が「すき家」刑事告訴(asahi.com)
青山商事、店長や課長に残業代を支払いへ、「管理監督者」定義見直し(nikkei BPnet)
トヨタ系など販社の8割、「みなし労働制」廃止へ(NIKKEI NET)

未払い残業代を支給 2億4400万円 大和ハウス子会社
[東京新聞 2008年4月2日 朝刊]

 大和ハウス工業は1日、ホテルを経営する子会社「大和リゾート」(大阪市)で賃金を支払わないサービス残業があったとして、未払い分の約2億4400万円を支払うと発表した。対象は2004年10月から3年2カ月間で、社員やパート従業員ら518人。
 大和ハウスによると、大和リゾートは従業員の残業目標時間を1カ月当たり30時間と設定し、それを超える残業代を払っていなかった。サービス残業は06年秋に内部監査で分かり、改善を指示したものの、未払い賃金は払っていなかったという。
 大和リゾートは経営責任を明確にするため、大塚敬一社長を2カ月間の減俸10%とするなど4人を減俸処分とした。

大和ハウスの公告は↓こちら(PDFファイルが開きます)。
当社子会社における時間外労働等の不適切な取り扱いに関する社内調査の結果について(大和ハウス、4/1)

大和リゾートは、サービス残業の支払い対象となる退職者についての調査をおこなっています。
【2008.04.14】 弊社における時間外労働等の不適切な取り扱いに関する退職者への調査について

公立病院でも「名ばかり管理職」・滋賀、労基署が是正勧告
[NIKKEI NET 2008年4月23日 15:02]

 滋賀県守山市の県立成人病センター(河野幸裕病院長)で、管理職の医師が、権限がないのに残業代が支払われない「名ばかり管理職」の状態に置かれているとして、大津労働基準監督署が労働基準法に基づく是正勧告をしていたことが23日、分かった。
 名ばかり管理職をめぐっては、未払い残業代の支払いを求める訴訟や労働審判が相次いでいる。公立病院にも同様の問題があることが明らかになったが、センターを運営する県病院事業庁関係者は「医師不足が要因となっている」と説明している。
 大津労基署は内部告発を受け、今月11日、センターに立ち入り調査。同事業庁から事情を聴き、勤務日誌など関係書類を調べた。
 この結果、部長以上の管理職の医師で、勤務終了後5―6時間の残業が常態化。月数回の夜間当直では、夜間診療や急患対応に追われ、当直が明けても深夜まで連続勤務する場合も多かったが残業代は支払われていなかった。〔共同〕

労組加入で解雇不当、「名ばかり取締役」提訴…佐賀地裁
[2008年4月24日 読売新聞]

 佐賀県武雄市の岩瀬広和さん(40)が「名ばかりの取締役として会社に安い賃金で働かされ、労働組合に加入したことを理由に解雇された」として、勤めていた佐賀市のゴルフ練習場運営会社「佐賀ゴルフガーデン」などを相手取り、労働契約の存続確認と慰謝料100万円の支払いなどを求め、佐賀地裁に23日提訴した。
 訴状などによると、同社は昨年5月に設立。岩瀬さんは同時に採用された。1週間後、自分が取締役に就任していることを渡された名刺で知った。精神的な不安から「役員を外してほしい」と訴えたが、聞き入れられなかった。会社は社長以下4人。取締役会に呼ばれず、勤務時間は他の社員と同じなのに、自分だけ残業手当が付かなかった。
 岩瀬さんは「取締役は名ばかりで、福利厚生も充実していない」と同年9月ごろ、社外の労働組合に加入。組合を通じて今年3月、取締役から外すよう再び求めたところ、会社側は「役員でありながら組合に加入するのは納得できない」と岩瀬さんを解雇した。
 読売新聞の取材に対し、岩瀬さんは「月50時間残業しても、賃金は基本給の25万円のみ。残業代が出る一般の社員より安かった」と話した。会社側は「基本給は管理職手当などを含んでいる」と争う姿勢を見せた。

「名ばかり管理職」訴訟 尼崎の会社に支払い命令
[神戸新聞 4/16 21:35]

 尼崎市にあるスポーツ用品会社「エイティズ」の元課長の男性(42)が、「実態は十分な権限がない『名ばかり管理職』で、長時間勤務を強いられた上、会社が残業代を払わないのは不当」として、時間外手当など計約1,400万円の支払いを求めた訴訟の判決がこのほど、神戸地裁尼崎支部であった。永吉孝夫裁判官は男性の訴えをほぼ認め、会社側に約1,300万円の支払いを命じた。
 判決の言い渡しは3月27日。判決文によると、男性は1992年から同社でTシャツなどにデザインをプリントする業務に従事し、2000年ごろ技術課長に就任。その後、体調を崩して06年6月から休職し、同12月末で退職した。休職直前の1年間の月平均残業時間は約120時間に上った。
 会社側は「月2回程度の経営会議に出席し、報酬も役員並みだった」などとして、男性が時間外手当の支給を除外される管理監督者だったと主張していた。
 判決で永吉裁判官は、男性が一般社員らと同様の業務を直接担当、出退社時刻をタイムカードで管理されていたことなどを挙げ、「現場のいわば職長という立場にすぎず、管理監督者とはいえない」とした。
 男性の弁護士は「残業時間は多いときで月200時間を超えていた。当然の判決で社会への警鐘になった」と評価。一方、会社側は「残業代が払われないのを理解して課長職に就いたはず」などと判決を不服とし控訴した。

↑企業側は「残業代が支払われないのを理解して課長職に就いたはず」といっていますが、タイムカードで出退勤を管理されるような課長であれば、「残業代は支払われない」という契約そのものが法律違反。抗弁になっていません。

都市機構が残業代未払い 285人分4600万円
[2008/04/16 17:58 共同通信]

 独立行政法人「都市再生機構」は16日、東日本支社(東京都新宿区)の職員285人に計約4600万円の時間外労働手当の未払いがあったと発表した。2月に新宿労働基準監督署から是正を指導され、内部調査で判明した。未払い分は同日、支給した。
 同機構によると、未払いがあったのは賃貸住宅の削減計画などの担当者で、昨年10月から今年2月末までの計約1万4400時間分。最も多かった職員は約350時間分の約94万円だった。
 同機構では残業する職員は上司に事前に報告。上司が帳簿に時間を記入する。しかし、実際は報告した時間よりも長時間働いたり、記入が徹底されていなかったケースがあり、その分の手当が未払いになった。
 機構は、職員のパソコンの使用記録などから未払い分を調べたが、昨年10月以前は記録が残っていないため調査しないという。ほかの支社についても、昨年10月以降分を調べる。

↑パソコンの使用記録が残っていないからという理由で、昨年10月以前について調査しないというのは、あまりに無責任。未払い賃金の支払いを求める権利は、2年間にわたって認められています。ですから、最低でも過去2年間については未払い残業代があれば支払わなければなりません。パソコンの使用記録が残っていないからサービス残業がゼロだったという証拠はありません。職員からの申告を求め、都市機構がそれを否定するだけの証拠を提出できなければ、職員の申告にしたがって未払い残業代を支払う義務があります。

「名ばかり管理職」コナカに残業代請求 仙台2店長
[河北新報 2008年04月15日火曜日]

 店長に残業代が支払われないのは不当だとして、紳士服販売コナカ(横浜市)の仙台泉中央店(仙台市泉区)の高橋勇店長(43)と、同社カジュアルショップ「バルボ」西多賀店(太白区)の佐藤光成店長(35)が、同社に過去2年分の残業代、計約1284万円の支払いを求める労働審判を14日までに、横浜地裁に申し立てた。
 申し立てによると、2人は月90―100時間を超える長時間労働を強いられたのに、経営者と一体の管理監督者として扱われ、残業代は1円も支払われなかった。店長には出退勤の自由や職務権限、ふさわしい待遇などなく「名ばかり管理職」だったと主張している。
 高橋店長は2005年2月―07年1月の残業代約671万円、佐藤店長は05年10月―07年9月の約612万円を請求した。
 同社は「申立書が届いていないのでコメントは差し控えたい」(総務部)としている。
 同社の残業代をめぐっては、30代の元店長が約690万円の支払いを求める労働審判を同地裁に申し立て、今年1月、同社が解決金として600万円を支払うことで合意している。

「残業代など不払い」 バイト3人が「すき家」刑事告訴
[asahi.com 2008年04月08日]

 牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショー(東京)が、残業代などを適切に支払わなかったとして、すき家仙台泉店(仙台市)のアルバイト3人が8日、同社を仙台労働基準監督署に刑事告訴した。契約社員として店長を務めた女性は、管理職を理由に他店での応援分の賃金などをもらえなかったという。
 告訴したのは、仙台市内に住む男性1人と女性2人で、労働組合「すき家ユニオン」(組合員17人)のメンバー。
 告訴状などによると、3人は時給制のアルバイトとして雇われたが、残業代分の割増賃金などが支払われなかったという。さらに、女性の1人は、店長として他店の応援などを指示されたが、管理職であることを理由に、その分の賃金は支払われなかったという。これらは時間外賃金の支払いを定めている労働基準法に違反しているとしている。
 元店長の女性は05年春、本社が希望者を募って行う昇格試験に合格して、2万円の手当を毎月もらえる店長になった。アルバイトから契約社員になったが、時給950円での勤務だったという。
 支払われなかったのは、確認できた06年9月勤務分までで3人で計17万円と、女性が店長を務めていた06年2?5月、賃金173時間分計約14万円としている。
 3人は昨年4月、団体交渉を同社が拒否しているとして、東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをした。これに対し、同社は昨年11月、都労委に書面を提出。実質は個人を事業主として業務を委託する委託契約であり、割増賃金の支払い義務はないとした。また、店長については、仮に労働契約だとしても、労基法41条の管理監督者で、時間外手当は発生しないと主張したという。
 同月、3人は仙台労働基準監督署に是正申告を行った。原告側によると、時間外賃金の支払いについて同署が2月、同社に対し是正勧告をしたが、同社は受け取りを拒否したという。
 日本マクドナルド社の店長が提起した「名ばかり管理職」問題は、実体は普通の社員なのに管理職として扱われたケース。契約社員が店長の今回の事例について、記者会見した笹山尚人弁護士は「正規の賃金すら支払われずマクドナルドよりも悪質。ただ、業務委託という主張は大変珍しく、どうして突然出てきたのか理解できない」と話す。
 すき家は全国に995店舗ある。刑事告訴されたことについて、ゼンショー広報室は「(民事で)係争中なのでコメントは差し控える」とした。

↑「すき家」のゼンショーは、不払い残業代の支払いを求められたのに対して、「我が社のアルバイトは業務委託なので、残業代は発生しない」という珍妙な議論を展開して、残業代の支払いを拒絶しており、悪質です。詳しくは、すき家ユニオンのホームページを御覧下さい。

紳士服の青山商事は、店長や課長に残業代を支払うことを決定。過去2年間にさかのぼり、約12億円を支払うと言っています。

青山商事、店長や課長に残業代を支払いへ、「管理監督者」定義見直し
[nikkei BPnet 2008年04月09日 15時02分]

 紳士服チェーン「洋服の青山」を展開する青山商事は4月8日、店長、マネジャー、本社勤務の課長に対し、21日から残業代を支払うと発表した。これに伴い過去2年間にさかのぼって該当者に残業代を支払う。
 勤務実態などを検討した結果、これらの地位が労働基準法の定める「管理監督者」に当たらないと判断した。支払総額は、時間外勤務、休日勤務、深夜勤務の手当に社会保険料を含め、12億円程度となる見込み。2008年3月31日以前の残業代については2008年3月期決算に計上する。
 青山商事は2月時点で、2008年3月期通期の連結経常利益を前年比0.5%増の246億円、連結最終利益を同7.6%増の126億円と見込んでいた。今後、残業代の支払いを織り込んだ業績予想をあらためて発表するという。

青山商事の発表は↓こちら(PDFファイルが開きます)。

店舗に勤務する「店長」「マネジャー」及び本社に勤務する「課長」への時間外勤務手当の支払いについて(青山商事、4/8)

↓トヨタや日産系列の自動車販売会社でも、「みなし労働制」を廃止する動き。「みなし労働制」も、サービス残業の温床になっている制度の1つ。たしかに外回りなどをしていると、「直帰」などもあってタイムカードが押せないこともあります。しかし、企業側に労働時間の管理がまったく不可能という訳ではありません。

トヨタ系など販社の8割、「みなし労働制」廃止へ
[NIKKEI NET 2008年04月05日 09:03]

 トヨタ自動車、日産自動車などの系列の販売会社が社員の長時間労働是正に向け、労務制度の見直しを始めた。8割強が「みなし労働時間制」を廃止し、実労働時間を管理する制度へ変える。人材を確保するため、全産業界で実態に則した労務制度に変更する動きが広がっており、28万人が働く自動車販売業界も改革を進める。ただ、新車販売台数が減少しているだけに、各社は同時に、収益性の改善も迫られている。
 みなし労働制の廃止については、全国の販売会社の労働組合が加盟する自動車総連が方針を策定し、傘下労組が経営側と交渉してきた。加盟する586組合のうち、3月末までに52%に当たる307組合が経営側と廃止で同意。4月末までに実際に働いた時間に応じて残業代を支給する給与体系に移行する。

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