吉岡力さん、全面勝訴!! 松下子会社に直接雇用確認の判決

全面勝訴し、笑顔で会見する原告の吉岡力さん=25日午後、大阪市北区、新井義顕撮影(朝日新聞)
全面勝訴し、笑顔で会見する原告の吉岡力さん=25日午後、大阪市北区、新井義顕撮影(朝日新聞)

松下プラズマディスプレイ(松下PDP)に「偽装請負」され、それを告発すると、期間工として直接雇用されたものの、半年後には解雇(雇い止め)されたとして、松下プラズマディスプレイを訴えていた吉岡力さんに、大阪高裁が全面勝訴の判決を下しました。ヽ(^o^)/

松下子会社の偽装請負は違法、直接雇用確認の判決(asahi.com)
「こんな働かせ方、おかしいですから」涙の全面勝訴(asahi.com)
解雇無効訴訟:就労先に雇用責任 松下子会社へ賠償命令――大阪高裁(毎日新聞)
松下子会社偽装請負、直接雇用成立と認定――大阪高裁(日経ネット関西版)

先日、共産党の志位委員長が国会でも取り上げていましたが、「偽装請負」が発覚しても期間の定めのない直接雇用になるのはわずか0.2%。これって、絶対におかしいと思いませんか? 違法行為をやったのに受入先企業(「偽装請負」は請け負った企業だけが悪い訳ではありません)には事実上ペナルティなし、というのはまったく異常。「偽装請負」が発覚したら、「偽装請負」をした当初から直接雇用していたことにする、というのが当然のルールになるべきだと思います。

今回の判決が高裁判決だということにも注目したいと思います。松下プラズムディスプレイの側は上告するとしていますが、最高裁でも正義が貫かれることを期待します。

なんにせよ、吉岡力さん、本当におめでとうございました。m(_’_)m

松下子会社の偽装請負は違法、直接雇用確認の判決
[asahi.com 2008年04月25日]

 違法な偽装請負の状態で働かされていた男性について、大阪高裁が25日、当初から両者間に雇用契約が成立しているとして、解雇時点にさかのぼって賃金を支払うよう就労先の会社に命じる判決を言い渡した。労働の実態を重視して判断し、事実上、期間を区切ることなく雇い続けるよう命じる内容だ。
 原告側の弁護団によると、偽装請負をめぐって就労先の雇用責任を認めた司法判断は高裁レベルで初めて。
 キヤノンなど大手メーカーの偽装請負は社会問題となったが、違法行為を指摘された企業が短期間の直接雇用のみで「是正した」と主張する事態が続発。行政もこれを追認していた。今回の判決はこうした法解釈を覆す可能性がある。弁護団は「高く評価したい。同様のケースに与える影響は大きい」と話している。
 松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ(PDP)」(大阪府茨木市)の工場で働いていた吉岡力(つとむ)さん(33)が同社を相手に提訴した。若林諒裁判長は直接雇用の地位を確認しなかった一審判決を変更。06年の解雇後の未払い賃金(月約24万円)の支払いを命じ、内部告発に対する報復もあったと認定して、慰謝料の額を一審の45万円から90万円に増額した。
 判決によると、吉岡さんは04年1月から、松下PDPの茨木工場で「請負会社の社員」という形で働いていたが、翌05年5月、「実際は松下側社員の指揮命令のもとで働いており、実態は直接雇用だ」と大阪労働局に偽装請負を内部告発した。同8月、松下PDPに期間工として直接雇用されたものの、06年1月末、期間満了を理由に職を失った。期間工だった間、吉岡さんは長時間・長期間にわたって孤独な作業を強いられた。
 判決の核心は、実際にどのように働いていたのかという点を精査して就労先との「黙示の労働契約」が成立すると認定した点。偽装請負をただし、企業に雇用責任を果たすよう迫る内容となった。
 判決はまず、請負会社の社員だった吉岡さんの労働実態をつぶさに検討して「松下側の従業員から直接、指揮命令を受け、松下側が実質的に賃金を支払っていた」と認定。吉岡さんを雇っていた請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は「脱法的な労働者供給契約」であり、職業安定法や労働基準法に違反して無効だとした
 そのうえで、労働契約は当事者間の「黙示の合意」でも成立すると指摘。吉岡さんの場合、この工場で働き始めた当初から「期間2カ月」「更新あり」「時給1350円」などの条件で松下側に労働力を提供し、松下側がこの条件で働かせる関係にあったと認定。業務委託契約が違法・無効なのに働き続けていた事実を法的に根拠づけるには、双方の間で黙示の労働契約が成立したと考えるほかない、と結論づけた
 松下側が06年2月以降の契約更新を拒否したことについても、吉岡さんが従事していた薄型テレビをつくる工程が現在も稼働していることなどから「解雇権の乱用」で無効だと判断した。
 さらに、吉岡さんが期間工として直接雇用された05年8月以降、配置転換で単独の作業部屋に隔離されたことは「松下側が内部告発などへの報復という不当な動機や目的から命じた」と認定した。
 昨年4月の大阪地裁判決は「偽装請負の疑いが極めて強い」として、就労先には労働者を直接雇用する義務が生じるとの判断を示す一方、雇用契約の成立は否定していた。

「こんな働かせ方、おかしいですから」涙の全面勝訴
[asahi.com 2008年04月26日]

 自らのケースを内部告発し、違法な「偽装請負」の解消に取り組んできた吉岡力(つとむ)さん(33)が25日の大阪高裁判決で全面勝訴した。多くの若い人たちが同じような境遇に苦しむ状況が、これで変わるのでは――。吉岡さんは「うれしい」と語り、涙をみせた。

      ◇

 裁判長が「雇用契約上の権利を有することを確認する」と述べると、法廷の吉岡さんは2度、小さくうなずいた。判決理由の要旨の読み上げに移ると、口を固く閉じたまま下くちびるを前に押し出し、泣きそうな顔になった。
 「こんな働かせ方、おかしいですから」。判決後、吉岡さんは目に涙を浮かべて偽装請負を批判した。「この問題に苦しんでいるのは、特に、ぼくらより下の世代で、これからの日本の社会を支える人たち。そういう人たちを痛めつけて、日本の将来があるとは思えない。人をモノみたいに扱う働かせ方は今後一切やめてほしい」
 04年1月、吉岡さんは松下PDPの工場で働き始めた。違法な偽装請負と気づいたのは翌05年4月。是正指導を求めて大阪労働局に内部告発し、その結果、8月に直接雇用された。ところが、5カ月ほど後の06年1月に「契約期間満了」を理由に雇用を打ち切られた。
 吉岡さんは大阪地裁に提訴。07年4月の一審判決は「労働者派遣法の規定にもとづき直接雇用義務が生じる」と述べたものの、雇用継続は認めなかった。
 一審判決の2カ月後、吉岡さんは、キヤノンの偽装請負について衆院予算委員会で語った大野秀之さん(33)らとともに「偽装請負を内部告発する非正規ネット」を旗揚げした。07年7月、国会議員らに同行してもらい、厚生労働省の高橋満・職業安定局長(当時)に面会した。
 高橋局長は「企業活動を支えるのは労働者であるわけで、企業も責任を感じてきているんだろうと思っている」と述べた。そこで吉岡さんは、地裁判決が厚労省より踏み込んだ見解を示したことに言及した。
 吉岡さんらは、労働者派遣法の定める1年の期限を超えて使われてきたのだから、定年まで勤められる正社員化が行われなければならないと考える。しかし、局長はそうではなかった。「できるだけ長期の雇用が望ましいが、(厚労省に)それを強制する権限はない」
 吉岡さんは社内でただ一人の「期間工」として5カ月、無意味としか思えない作業を強いられた末、愛着のある職場から追い出された。それを是正させることは不可能という見解だった。
 07年10月、吉岡さんらは厚労省の岸宏一(こういち)副大臣にも面会。「雇用の安定を図るという法の趣旨に、期間限定の雇用は反している。行政として、ちゃんとした対応をしてほしい」と訴えた。
 25日の大阪高裁判決は事実上、吉岡さんを無期限で雇うよう命じており、これまでの厚労省の見解とは異なる。記者会見した吉岡さんは「社会正義を貫いた判決が司法で出た。行政は不法行為に厳格な対応をしてほしい」と語った。(奥山俊宏)

解雇無効訴訟:就労先に雇用責任 松下子会社へ賠償命令??大阪高裁
[毎日新聞 2008年4月26日 東京夕刊]

 松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ」茨木工場(大阪府茨木市)で請負会社員として働いていた吉岡力(つとむ)さん(33)が偽装請負を内部告発後、不当な異動の末に解雇されたとして、プラズマ社に解雇無効と慰謝料600万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。若林諒裁判長は慰謝料45万円のみを認めた1審・大阪地裁判決を変更し、「就労先と契約があり、解雇は無効」として、解雇後の賃金計約600万円と慰謝料90万円の支払いを命じた。
 原告側は「偽装請負は就労先に雇用責任があると認めた画期的な判決で、全面的な勝訴」と評価している。
 偽装請負は、実態は「派遣」にもかかわらず、「請負」と偽って請負会社がメーカーに労働者を送り込み、メーカーの指揮下で仕事をさせるもの。職業安定法や労働者派遣法に違反する行為にあたる。
 判決によると吉岡さんは04年1月から請負で勤務。実態は派遣に当たるとして05年4月、プラズマ社に直接雇用を申し入れ、同年5月、偽装請負を大阪労働局に告発。同年8月には期間工として直接雇用されたが、単独の職場での作業を命じられ、06年1月には契約期間満了を理由に雇用を打ち切られた。
 若林裁判長は「契約は派遣の実態を隠す偽装請負」と判断。吉岡さんとプラズマ社との間には「暗黙の労働契約の成立が認められる」とした。【北川仁士】

◇松下電器産業の話 会社の主張が認められず、極めて遺憾。判決文をよく検証した上で上告する方針。

松下子会社偽装請負、直接雇用成立と認定――大阪高裁
[日経ネット関西版 2008/04/26配信]

 松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ」の工場で請負社員として働いていた吉岡力さん(33)が「実態は偽装請負」と内部告発した後に不当な扱いを受け解雇されたとして、同社に損害賠償や直接雇用の確認を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は25日、「松下プラズマとの間で暗黙のうちに労働契約が成立したと認められる」との判断を示した。
 直接雇用の義務を認める一方、契約の成立自体は否定し、慰謝料45万円の支払いだけを命じた一審判決を変更し、男性の直接雇用による職場復帰や慰謝料90万円と未払い賃金の支払いなどを命じた。
 若林諒裁判長は、男性が業務請負でなく違法な派遣労働だったと指摘し、請負会社との雇用契約が「当初から無効」と認定。無効にもかかわらず松下プラズマで勤務し続けた実態について、指揮命令の状況などを踏まえ「法的に根拠付けるのは労働契約以外ない」と結論付けた
 告発後に単独の職場に異動させた点は「作業に必要性が乏しく報復など不当な動機や目的」と認定。契約を更新せず雇い止めとした点も「解雇権の乱用」とした。
 判決によると、男性は業務請負会社の社員として2004年から大阪府茨木市の松下プラズマの工場に勤務。05年5月に偽装請負を大阪労働局に申告し、同年8月に期間を限り直接雇用されたが、06年1月に期間満了で解雇された。

ちなみに、吉岡さんの「内部告発に対する報復」というのは↓これ。それまで廃棄していた不良パネルの再生作業と称して、1人だけ隔離して、見せしめ的な仕事をさせていたのだ。

【悪質極まりない】偽装請負の内部告発者を隔離 松下子会社 – 就職氷河期被害者.com

Similar Articles:

  1. 業務日誌 しいの木法律事務所 八坂玄功 - trackback on 2008/04/27 at 11:06:51
  2. エコノミスト*練習ちょう - trackback on 2008/04/27 at 14:06:09
  3. こんばんわ>
    EUなどの場合、同一労働同一賃金の原則が守られていると聞きましたが?
    日本では、労働基本権を守ると国際競争力が低下すると言うのが財界の言い分なのでしょうね。
    その意味では、最近、日本的慣習となっていた労働基本権が取り上げられるようになったのは、画期的なことなのでしょうね。

  4. 酒井徹の日々改善 - trackback on 2010/01/04 at 14:39:09

Leave a Comment

NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">

Trackbacks and Pingbacks: