朝日新聞にも『蟹工船』が登場!!

先日の読売新聞に続いて、今朝の朝日新聞でも、小林多喜二『蟹工船』が取り上げられています。上野駅や丸ノ内で売れているというのも、今のブームの特徴かも知れません。

ずらりと並んだ「蟹工船」=東京都千代田区の丸善丸の内本店、東川哲也撮影(朝日新聞)
ずらりと並んだ「蟹工船」=東京都千代田区の丸善丸の内本店、東川哲也撮影(朝日新聞)

今、若者にウケる「蟹工船」 貧困に負けぬ強さが魅力?(朝日新聞)

今、若者にウケる「蟹工船」 貧困に負けぬ強さが魅力?
[asahi.com 2008年05月13日10時43分]

 作家小林多喜二の代表作「蟹工船」の売れ行きが好調だ。若い世代を中心に人気を呼び、コーナーを特設する書店も相次ぐ。凍える洋上で過酷なカニ漁や加工作業を強いられる男たちが、暴力的な監督に団結して立ち向かう昭和初期のプロレタリア文学。いまなぜ読まれるのか。
 東京都中野区の山口さなえさん(26)は昨年夏、「おい、地獄さ行(え)ぐんだで!」で始まる「蟹工船」を書店で見つけて読んでみた。「小説の労働者は、一緒に共通の敵に立ち向かえてうらやましい」と感じたという。
 04年に大学を卒業したが就職難。1年後に正社員の経理職を見つけ、残業代ゼロで忙しい日には15時間働いた。だが、上司に命じられた伝票の改ざんを拒むと即日解雇され、10カ月で追い出された。
 「会社の隣の席で働くのは別の派遣会社から来たライバル。私たちの世代にとっては、だれが敵かもよくわからないんです」
 「蟹工船」が発表されたのは1929(昭和4)年。小林多喜二は4年後の33年2月20日に、東京・築地警察署で拷問されて絶命した。没後75年の今年は各地で催しが開かれ、山口さんは多喜二の母校・小樽商科大(旧・小樽高商)などが募集したエッセーコンテストで今年1月、大賞に選ばれた。
 東京・JR上野駅構内の「ブックエキスプレス ディラ上野店」は多喜二の命日に先駆け、2月初めに話題書コーナーに「蟹工船」の文庫を並べた。就職氷河期で苦労した文庫担当の長谷川仁美さん(28)が「同世代の共感を呼ぶのでは」と企画した。週に100冊近く売れ、文庫売り上げのベスト3に入っている。当初は年配の男性客が多かったが、20?30代が増えたという。
 東京・丸の内の丸善丸の内本店は3月末にコーナーを設け、これまでに約230冊売れた
 東京・神田の三省堂神保町本店で文庫を担当する山名景子さん(29)は最近、自分でも読み返してみた。中学生のころは暗い話と思ったが、団結して状況を変えようとする男たちの明るさと強さにひかれた。「私たちならばあきらめるかも。蟹工船で働く人たちは偉いですよね」と話す。
 「蟹工船」は複数の出版社から小説や漫画版が出ている。このうち新潮社は4月、文庫の「蟹工船・党生活者」を例年より2千部多い7千部刷ったが足りず、さらに5万部増刷することにした。新潮社の担当者は「活字離れが指摘される世代がこれほど読んでくれるとは」と驚いている。(林恒樹)

「一緒に共通の敵に立ち向かえてうらやましい」「団結して状況を変えようとする男たちの明るさと強さにひかれた」というあたりに、いまどきの若者たちにとっての蟹工船の魅力があるのかも知れません。

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