発見! 8世紀半ばの荘園絵図

発見された東大寺の荘園図

8世紀半ばの東大寺の荘園絵図が見つかったというニュース。新聞の写真なので不鮮明ですが、条里制にしたがった正方形の枡目がしっかり分かります。

最古級の荘園絵図を発見…奈良国立博物館「国宝級」(読売新聞)

最古級の荘園絵図を発見…奈良国立博物館「国宝級」
[2008年5月24日 読売新聞]

◆東大寺所領、外部流出の1枚

 奈良時代中期に奈良・東大寺が所領した荘園の開発状況などを描いた荘園絵図=写真上=が見つかった。正倉院宝物として現存する同時期の荘園絵図18点とともに江戸時代まで東大寺に一括保存されていたが、その後外部に流出し、所在不明だった絵図であることが奈良国立博物館(奈良市)の調査でわかった。日本で最も古い時期に描かれた地図原本の一つで、同博物館は「正倉院宝物より保存状態が極めて良く、国宝級の発見」と評価している。
 「越中国射水(いみず)郡鳴戸開田地図」で、縦77センチ、横141センチの麻布製。現在の富山県高岡市の一部を、東を上に、「条里」と呼ばれる碁盤の目状の区画に割って、荘園の範囲や地番、田の開発状況を個別に墨書き。「沼」などの書き込みや水路のような線がある。
 造(ぞう)東大寺司や東大寺僧、越中国司の署名と「天平宝字三年(759年)十一月十四日」の日付が添えられていた。
 東大寺では、越中と越前、近江の開田図や墾田図を中心に、奈良時代中期の麻布の荘園絵図19点を保存していたが、うち1点が江戸時代後期に外部に流出。一時、個人所蔵となったが、戦後は所在不明だった。残る18点は明治初期に献納され、正倉院宝物となった。
 同博物館は、今回見つかった絵図のほぼ全面に押された97個の「越中国印」の印影などを正倉院宝物のものと比較した結果、外部流出した1点と確認した。
 正倉院宝物以外で現存する同様の荘園絵図は、国宝・額田(ぬかた)寺伽藍(がらん)並(ならびに)条里図(国立歴史民俗博物館蔵)しかない。
 同博物館はすでに絵図を購入しており、修理後、同博物館で一般公開する。
 杉本一樹・宮内庁正倉院事務所長の話「(正倉院宝物の荘園絵図と異なり)修理の跡がほとんどなく、当初の状態に近いところが大変貴重だ。この価値を損なわないよう保存・展示してほしい」

■荘園絵図

 荘園で収穫される米などは当時、寺などの経営基盤を支えていたため、その荘園の所在や田の開発状況などを絵図として記し、重要な書類として取り扱われた。奈良時代の荘園絵図は、日本最古の地図群として、当時の地形や地名の研究にも欠かせない。

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