グッドウィル課長ら 二重派遣幇助の疑いで逮捕

グッドウィル社の違法な「二重派遣」事件で、同社の派遣社員をさらに他社に派遣した「東和リース」の元常務とともに、グッドウィル社の課長ら3人が違法派遣(職業安定法違反)の幇助容疑で逮捕された。課長といっても、本社の企画管理部事業戦略課長で関東エリアマネージャーだから、グッドウィル社の幹部だ。

グッドウィル課長ら逮捕 二重派遣ほう助 疑い 警視庁(東京新聞)
グッドウィル:二重派遣・幹部逮捕 拡大路線の裏で 元支店長「数字さえ出せば」(毎日新聞)

グッドウィル課長ら逮捕 二重派遣ほう助 疑い 警視庁
[東京新聞 2008年6月3日 夕刊]

 日雇い派遣大手「グッドウィル」(東京都港区)が違法な二重派遣を手助けしたとして、警視庁保安課は3日、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)ほう助の疑いで、同社事業戦略課長上村泰輔容疑者(37)=新宿区新宿5=ら3人を逮捕した。また、同社から派遣された労働者を二重派遣したとして、同法違反(同)の疑いで港湾運送業「東和リース」元常務江川隆一容疑者(47)=板橋区小豆沢4=も逮捕した。 
 保安課はグッドウィル上層部の関与についても慎重に調べる。
 調べでは、江川容疑者は2006年5月?昨年6月、27回にわたり、東和リースがグッドウィルから派遣された労働者延べ27人(実数は5人)を港区内の港湾運送業2社に二重派遣した疑い。
 上村容疑者らグッドウィル側の3人は、東和リースが二重派遣すると知りながら労働者を派遣するなどした疑い。
 保安課は、法人としてのグッドウィルと東和リースについては5日に、二重派遣先の港湾運送会社の幹部ら数人についても近く同法違反容疑などで書類送検する方針。
 調べに、上村と江川の両容疑者は「二重派遣を知っていた」と容疑を認め、他の2人は「詳しくは知らなかった」と一部否認しているという。
 上村容疑者は当時、イベント新宿支店など東日本の13支店を統括する北関東エリアマネジャーだった。保安課によると、グッドウィル側は、二重派遣した労働者について、東和リースから1人当たり5,000円のリベートを受け取っていたという。

グッドウィル:二重派遣・幹部逮捕 拡大路線の裏で 元支店長「数字さえ出せば」
[毎日新聞 2008年6月3日 東京夕刊]

 日雇い派遣大手の「グッドウィル」(GW)をめぐる違法な労働派遣に、捜査のメスが入った。業者の合併吸収や買収を進めて業績を拡大する一方で、労働者の二重派遣や偽装請負を繰り返していた。「正しくないことをするな、常に正しいほうを選べ」。GWグループが掲げた社訓は有名無実化していた。【武内亮、町田徳丈】
 「将来は総合人材サービスのトップを目指す」。95年、東京都新宿区のマンションで事業を始めた折口雅博・GWグループ元会長は従業員5人を前にぶち上げた。
 2年前まで都内の支店長を務めていた男性(45)は「登録すれば仕事をもらえ、しかも日払いでお金がもらえる。就職難に苦しむフリーターらには、魅力的に映ったと思う」と振り返る。07年6月期には売上高約1384億円を記録するなど、日雇い派遣業界のトップに上りつめた。
 しかし、こうした急成長の裏で、労働者の二重派遣など違法な行為が常態化していた。GWは04年10月?07年8月、延べ約1万3000人の労働者を二重派遣したほか、労働者派遣法で禁じられている港湾運送業務にも従事させていたとして、全708支店が2?4カ月の事業停止命令を受けた。また、05年6月にも建設現場への違法派遣で事業改善命令を受けた。
 グッドウィルユニオンの関根秀一郎書記長は「事件の背景には、拡大路線一辺倒の企業姿勢がある。法律違反をしないよう対策を講じるのが企業の責任だが、GWにはそういう考えはまったくなかった」と訴える。
 関係者によると、実際に業務を運営する支店長は大半が20代の若者。しかも、就職後2?3カ月で就任するケースがほとんど。元支店長は「法律の知識や実務経験に乏しい支店長ばかり。数字(売り上げ)を伸ばせば自分の給料が上がり、落ちれば上司からの叱責(しっせき)と減給が待っている。二重派遣など違法なことをやっても、数字さえ出せばいいという雰囲気だった」と証言する。

「東京新聞」は、「二重派遣」されていた女性の話を紹介している。

 「労働者の尊厳をないがしろにしていたのだから、逮捕者が出るのは当然」
 グッドウィルから東和リースを通じて都内の港湾地区の別会社に二重派遣された横浜市の女性(45)は、グッドウィル幹部らの逮捕の報に怒りを込めて言い放った。
 女性がグッドウィルに登録したのは2004年春。派遣初日に知らない会社に連れて行かれ、「話が違う」と支店に泣きながら抗議。就労後に提出したリポートに疑問を書きつづった。
 東和リースからの二重派遣は3年間で十数回に及んだ。グッドウィルに再三求めた労働環境の改善も実現しなかった。「二重派遣を知らなかった、とうそぶくドックウィルには憤りを覚える」と女性は強調した。(「東京新聞」2008年6月3日付夕刊)

「日経」でも、この女性の話が紹介されている。

 女性が東和リースに派遣されたのは計十数回。働く場所は毎回のように違う倉庫で、当時は「東和リースはたくさん倉庫を持っているんだな」との認識だった。
 人影の少ない海岸側の倉庫に連れて行かれたときも、何の説明もなかった。作業はワインなど輸入品の検品や積み出しなど力仕事で、「一度働くと疲れ切って話す気力もなくなった」という。
 終業後、給料とひきかえにグッドウィルに提出する就業確認票には東和リースの社員ではなく、グッドウィルから派遣されたアルバイト女性が代筆した。「なぜ東和リースの社員がサインしないのか疑問だった」という。(「日経新聞」2008年6月3日付夕刊)

バイトの女性まで現場に派遣しているのだから、グッドウィルが「二重派遣」を知らなかったなどということはありえない。徹底的な操作を望む。

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