法科大学院の司法試験合格率33%

法科大学院の修了者を対象とした3回目の新司法試験の結果が判明。合格率は全体で33%、172人が終了後3回までの試験で合格しなかった。

新司法試験:合格率33%に低下…合格者ゼロも3校に(毎日新聞)
新司法試験 合格率33%(読売新聞)

こっちが大学別の合格者数。合格者ゼロの大学もある。法科大学院は、はたしていったいどうなってゆくのだろうか?

2008年新司法試験法科大学院別合格者
順位 法科大学院名 受験者数 最終合格者数 合格率(%)
1 東京大法科大学院 366 200 54.64
2 中央大法科大学院 352 196 55.68
3 慶應義塾大法科大学院 292 165 56.51
4 早稲田大法科大学院 345 130 37.68
5 京都大法科大学院 241 100 41.49
6 明治大法科大学院 264 84 31.82
7 一橋大法科大学院 127 78 61.42
8 神戸大法科大学院 128 70 54.69
9 東北大法科大学院 127 59 46.46
9 立命館大法科大学院 205 59 28.78
9 同志社大法科大学院 210 59 28.10
12 関西学院大法科大学院 168 51 30.36
13 上智大法科大学院 120 50 41.67
14 大阪大法科大学院 127 49 38.58
15 首都大東京法科大学院 79 39 49.37
16 九州大法科大学院 105 38 36.19
16 関西大法科大学院 187 38 20.32
18 千葉大法科大学院 69 34 49.28
19 大阪市立大法科大学院 82 33 40.24
19 北海道大法科大学院 108 33 30.56
21 名古屋大法科大学院 98 32 32.65
21 法政大法科大学院 135 32 23.70
23 日本大法科大学院 148 26 17.57
24 横浜国立大法科大学院 65 24 36.92
25 立教大法科大学院 92 21 22.83
26 学習院大法科大学院 87 20 22.99
26 専修大法科大学院 88 20 22.73
28 広島大法科大学院 52 19 36.54
29 成蹊大法科大学院 45 17 37.78
30 愛知大法科大学院 35 16 45.71
30 明治学院大法科大学院 74 16 21.62
30 大宮法科大学院大学 81 16 19.75
33 南山大法科大学院 49 15 30.61
33 青山学院大法科大学院 61 15 24.59
35 創価大法科大学院 60 13 21.67
36 甲南大法科大学院 71 12 16.90
37 岡山大法科大学院 35 11 31.43
37 駒澤大法科大学院 47 11 23.40
37 駿河台大法科大学院 84 11 13.10
40 福岡大法科大学院 33 10 30.30
41 新潟大法科大学院 50 9 18.00
42 中京大法科大学院 36 8 22.22
42 獨協大法科大学院 40 8 20.00
42 桐蔭横浜大法科大学院 63 8 12.70
45 熊本大法科大学院 33 7 21.21
45 広島修道大法科大学院 35 7 20.00
45 東北学院大法科大学院 37 7 18.92
45 山梨学院大法科大学院 40 7 17.50
49 神戸学院大法科大学院 18 6 33.33
49 大東文化大法科大学院 37 6 16.22
51 筑波大法科大学院 26 5 19.23
51 名城大法科大学院 31 5 16.13
51 神奈川大法科大学院 41 5 12.20
51 久留米大法科大学院 42 5 11.90
55 近畿大法科大学院 25 4 16.00
55 島根大法科大学院 26 4 15.38
55 東海大法科大学院 34 4 11.76
55 國學院大法科大学院 40 4 10.00
55 関東学院大法科大学院 42 4 9.52
55 京都産業大法科大学院 45 4 8.89
55 金沢大法科大学院 47 4 8.51
55 東洋大法科大学院 55 4 7.27
63 香川大法科大学院 21 3 14.29
63 琉球大法科大学院 24 3 12.50
65 北海学園大法科大学院 13 2 15.38
65 静岡大法科大学院 17 2 11.76
65 白鴎大法科大学院 21 2 9.52
65 龍谷大法科大学院 24 2 8.33
65 西南学院大法科大学院 46 2 4.35
70 鹿児島大法科大学院 23 1 4.35
70 大阪学院大法科大学院 28 1 3.57
72 愛知学院大法科大学院 16 0 0.00
72 信州大法科大学院 19 0 0.00
72 姫路獨協大法科大学院 24 0 0.00
総計 6,261 2,065 32.98

順位は合格者数順

新司法試験:合格率33%に低下…合格者ゼロも3校に
[毎日新聞 2008年9月11日 19時33分(最終更新 9月11日 22時53分)]

 法務省の司法試験委員会は11日、法科大学院の修了者を対象とした3回目の新司法試験の合格者を発表した。合格者数は2065人(男性1501人、女性564人)。合格率は33.0%で初めて3割台に落ち込んだ。委員会が今年の目安とした2100?2500人を下回り、合格者ゼロも3校に上った。また、新司法試験の受験資格は「法科大学院修了から5年で3回」と制限されており、172人が初めて受験資格を失った。
 法学部以外の学部出身者が多い「未修者コース」(3年)の合格率は22.5%で、前年より約10ポイント下回った。法学部出身者向けのコース(2年)に比べて21.8ポイント低かった。
 今回、初めて法科大学院全74校から受験者があり、総数は6261人。合格者の最高年齢は59歳、平均年齢は29.0歳だった。出身法科大学院別の合格者数は東京大が200人でトップ。中央大196人▽慶応大165人▽早稲田大130人▽京都大100人と続く。合格率のトップは一橋大(61.4%)。合格者がいなかった3校は愛知学院大、信州大、姫路独協大の3校だった。【石川淳一】

新司法試験 合格率33%/法科大学院 合格者ゼロは3校
[2008年9月12日 読売新聞]

 法務省の司法試験委員会は11日、法科大学院の修了生が受験できる新司法試験の2008年の合格者を発表した。受験者6261人のうち合格者は2065人で、新試験導入から3回目となる今年は初めて同委員会の想定合格者(最低2100人)を下回った。
 合格率も昨年比7.2ポイント減の32.98%で、一昨年の48.25%と比べても大幅に低下し、合格者を2010年ごろに3000人程度まで増やすとした政府目標の達成に黄信号がともる結果になった。
 今年は初めて74の法科大学院全校が受験者を送り出し、受験者は昨年より36%増加した。合格者数は東京大が200人で2年連続のトップで、中央大(196人)、慶応大(165人)が続いた。愛知学院、信州、姫路独協の3校はゼロ。ほかに一けた台の学校が31校あった。
 同委員会は合格者を段階的に3000人まで増やすため毎年の合格者数の目安を定め、今年の新司法試験は「2100?2500人程度」と設定していた。
 合格者の性別は、男性1501人に対して女性564人。平均年齢は28.98歳で、最高齢は59歳だった。

[解説]◆法科大学院の乱立背景

 3回目となる今年の新司法試験では合格率が初めて4割を切り、合格者数もあらかじめ定められた目安の下限にすら達しなかった。
 司法制度改革審議会は法科大学院修了生の7?8割が司法試験に合格できる仕組みを提言したが、法科大学院が74校も乱立したことで毎年5800人近い総定員を抱え込み、想定通りの合格率は望めなくなった。
 大学院側からは「目安より多数を合格させるべきだ」との声も上がっているが、今年の結果は、大学院側が、要望に見合うだけの学生の質を維持できていない実情を浮き彫りにした。
 合格者増がこのままのペースでは、あと2年で目標の年間3000人に到達できるかどうか微妙。法科大学院修了生には5年間で3回しか司法試験を受験できない制限があり、今年不合格となって受験資格を失った人は241人に上った。「高い学費を払っても合格できない」として法科大学院を敬遠する空気が広がり、多様な人材の確保が難しくなる懸念もある。
 中央教育審議会は今月、各校の定員削減や統合の必要性に触れた提言案をまとめ、保岡法相も同様のアイデアに言及した。学生の数を絞り込んで質を高め、合格率低下に歯止めをかけるためだ。一方、日本弁護士連合会は「質を維持するため」として合格者増のペースを落とすよう提言しているが、安易なペースダウンは有能な人材を遠ざける。関係機関が連携し、合格率の低迷が法科大学院離れを招くという悪循環をどう断ち切るか知恵を絞る必要がある。(田中史生)

各大学も、法科大学院の定数削減が避けられないと考えているようだ。

法科大学院:4割が「定員削減必要」 司法試験合格率低く(毎日新聞)

法科大学院:4割が「定員削減必要」 司法試験合格率低く
[毎日新聞 2008年9月10日 15時00分]

 全国の法科大学院74校の4割が、現在の総定員約5800人の削減が必要と考えていることが、毎日新聞のアンケートで分かった。目標の合格率(8?7割)を大幅に下回り、法曹資格を手にできない志望者が増えているためで、既に3校が定員の削減を決め、5校が定数減を検討している。地方の法科大学院には「首都圏への偏重を解消すべきだ」との意見が多く、首都圏に乱立する法科大学院を軸に再編論議も起きそうだ。
 アンケートは3回目の新司法試験合格発表となる11日を前に、法科大学院全74校を対象に8月下旬?9月上旬に行い、55校(74%)が回答した。
 総定員について「整理(削減)が必要」と回答した法科大学院は22校(40%)。「必要ない」が25校(45%)でほぼ同じ割合となった。無回答か「どちらとも言えない」は8校あった。
 「整理が必要」と回答した大学院には、都市部に集中した大学院の定数を減らすべきだとの声が多く、「首都圏一極集中の配置は避けるべきだ」(鹿児島大)、「大規模な法科大学院の定数を削減し、入学者を地方に分散させるのが良い」(久留米大)など、偏在の解消を求める意見が目立った。
 関東学院大が法科大学院の定員を今年度、30人削減した。来年度は福岡大が20人、姫路独協大が10人削減する。
 07年の新司法試験合格者数は1851人で、合格率は40%にとどまっている。政府の司法制度改革審議会の意見書(01年)が例示した「約7?8割が合格」とする目安を大きく下回った。08年の合格者数は、法務省が受験者6261人に対して2100?2500人との目安を定めており、合格率は3割台に落ち込む見込みだ。
 法科大学院の定員を巡っては、保岡興治法相が8月、「教育能力のないところは合併するとか、整理されてしかるべきだ」と述べている。【石川淳一】

 ▽宮沢節生・青山学院大法科大学院教授の話 4割が総定員の削減を必要としている意味は大きいが、大多数がまだ自校の問題として認識していない。過半数が法曹資格を取得できない定員の維持は、学生の経済的な搾取にほかならず、設置基準や認証評価基準の強化で全法科大学院が定数削減に取り組む状況をつくるべきだ。

◇教育能力に見合う改革必要

 法科大学院の4割が総定員数(約5800人)削減の必要性を回答した毎日新聞のアンケートは、一定水準の合格率という「実績」を維持できない各大学院の危機感を浮かび上がらせた。だが、実際に定員を見直す法科大学院は一部にとどまる。法科大学院を巡っては「質」も問題視されており、教育能力に見合った改革が求められる。
 法科大学院の総定員数は導入時「15?20校で4000人程度」だった。背景には、司法試験合格者を年3000人に増やす政府の方針と、「合格率7?8割」の目安があった。だが、「大学の法学部に優秀な学生を集めたい」とする経営戦略も絡んで74校に増え、「司法制度改革の理念とかい離する」(改革に携わった自民党国会議員)との批判も出始めた。法務省幹部は「多くの大学院が質の低い学生しか送り出せない現実が問題だ」と指摘する。
 また、法科大学院では学部との兼任教員が依然多く、修了認定も甘いなど養成機能が問題視されている。一方「外車1台分」とも言われる学費が優秀な学生を除外する要因となり、奨学金制度の充実を求める声も上がる。
 優秀な法曹志望者を獲得する趣旨を考えれば、一定の定員を維持するのは必要だ。だが、大量の司法試験不合格者を生み出している現状は、法科大学院が養成機関としての機能を十分に果たしておらず、多くの志望者を不幸にしていると言わざるを得ない。【石川淳一】

しかし、問題は、法科大学院バブルだけではない。司法試験合格者を年間3000人まで増やすという計画だが、他方で、弁護士事務所などの求人は増えておらず、司法試験に受かったのに就職先が見つからない、という問題も生じているようだ。

僕は、地方によっては弁護士がいない、なんていうところもあって、弁護士を増やすということには基本的に賛成。しかし、べらぼうに高い授業料を払って法科大学院をでて弁護士になって、結局、都会で企業お抱え弁護士が増えるだけなら、司法試験合格者を増やしてみても、問題の解決にはならない。国民にもっと法律を身近にする、法律的な知識がないばっかりに国民が損をさせられるなどということがないようにする。そのために、弁護士がもっと身近な存在になるような改革をすすめてほしい。

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