日本経団連が自民、民主の政策評価を発表

日本経団連が、自民党、民主党の「政策評価」を発表しました。

自民党の評価が高いのは、やっぱり大企業中心の政治をやってきたから。自民党で評価が下がったのは、「雇用・就労」の項目。評価が下がった理由は、「与党間で事務系労働者の働き方に対応する労働時間のあり方を検討することに合意したが、具体的な進展はこれから」というもの。これは何かといえば、例の「ホワイトカラー・エグゼンプション」のこと。導入検討を決めたにもかかわらず、具体的にはすすんでない!! というのが、経団連の評価だということです。

さて、民主党。自民党に比べて評価が低いから、民主党は財界いいなりじゃない、と思ったら大間違いです。まず、「規制改革・民間開放」と「教育改革」は合致度がどちらもB。経団連の評価はCがニュートラルですから、民主党の政策も十分経団連寄りなのです。

それに経団連が民主党を評価しないのは、CやDの項目があるからではありません。最大の理由は、「政局を重視」して「党利党略優先の行動が目立」ったから(これは、そのかぎりでその通りですが)と書かれています。もっと「与党と問題意識を共有し法案を修正・成立」させろ、というのが経団連の民主党にたいする注文なのです。

経団連政策評価:自民、10項目で「A」 民主に採点辛く(毎日新聞)

日本経団連の政策評価そのものは、こちら↓。
日本経団連:2008年政策評価の発表にあたって (2008-09-17)

で、自民党、民主党との「政策を語る会」の概要は、こちら↓。
日本経団連:2008年 自由民主党と政策を語る会 (2008-05-29)
日本経団連:2008年 民主党と政策を語る会 (2008-06-04)

日本経団連の民主党評価は、次のように書かれています。

国会等では政府与党と強い対決姿勢を示した。法案や国会同意人事等への対応を見ても、政局を重視したという印象は否めない。公務員制度改革など与党と問題意識を共有し法案を修正・成立させた事例もあるが、概して、政策で切磋琢磨するというよりは党利党略優先の行動が目立ち、参院第一党の責任政党としての姿を示せなかった。(日本経団連「2008年政策評価:民主党」総評から)

で、実際、民主党は、日本経団連にどんなことを語っているか。「政策を語る会」から拾ってみると、こんなふうになっています。

  • 「法人税の実効税率を国際水準に引き下げることは理解できる」「どうして法人税だけを下げるのか、この理由を世間が納得するように説明することが必要だ」(藤井裕久・税制調査会長)
  • 「消費税について、年金や医療の財源とすることを謳っている」(同前)
  • 「財源については、世代を超えて国民全体で負担する消費税がふさわしいと考えている。同様に、医療費についても、消費税を財源に充てたい」(直嶋正行・民主党政調会長)
  • 「EPAについては、経団連の主張に全く同感であり、民主党としても積極的に推進していく。経団連の考えを踏まえて、政府に対して注文を付けていきたい」(増子輝彦・ネクスト経済産業大臣)
  • 「消費税を引き上げる理由は、負担を現役世代だけに押し付けていては、社会の活力が保てないことだ。従って、ALL JAPANで負担する消費税がふさわしい」(藤井裕久・税制調査会長)

大前提として、民主党は、財界・大企業の一番の要望である法人税減税の必要性を認めています。民主党も、法人税を減税したいのだ、ただ「なぜ法人税だけを下げるのか」、国民が納得する理由が必要だというのです。

そして、法人税減税を認めているのだから、当然、年金・医療など社会保障の財源は「消費税がふさわしい」ということになります。この点でも、当面の問題としては、「消費税の上昇は国民が許さない」(長妻昭政策調査会長代理)から反対するというのが民主党の本音だ、ということです。

EPA(経済連携協定)については、経団連と一緒になって積極的に推進していく、と、自民・公明以上の推進派ぶりを誇っています。

こういう民主党だからこそ、日本経団連は、政局に走らず、自民・公明と協力せよ、と期待を寄せることができる訳です。

経団連政策評価:自民、10項目で「A」 民主に採点辛く
[毎日新聞 2008年9月18日 東京朝刊]

 日本経団連は17日、加盟企業・団体に政治献金を呼び掛ける際の指針となる「08年政策評価」を発表した。10分野の政策をそれぞれ3項目で評価した結果、自民党は最高の「A」評価が前年より一つ増えて10項目に達した。一方、民主党は昨年に続いてAが一つもなかったうえ、3項目で評価を下げた。
 昨年11月?今年8月までの自民、民主両党の政策が対象。10分野について経団連の政策との「合致度」「取り組み」「実績」をA?Eの5段階で評価した。ただし、民主党については「政策実現に主体的に関与していない」として「実績」の評価を見送っている。
 自民党は、今年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を通じた積極的な対応などで「エネルギー・環境」の取り組みがAに上がったが、「教育改革」の実績と「雇用・就労の促進」の合致度の2項目は評価を下げた。民主党は、衆参両院の勢力が逆転するねじれ国会の下で「党利党略優先の行動が目立つ」と指摘され、3項目で評価を下げた。【谷川貴史】

◆日本経団連の政党の政策評価◆
自民党 民主党
合致度 取り組み 実績 合致度 取り組み
税・財政改革 A B B C ↓D
社会保障一体改革 B B C ↓C C
規制改革・民間開放 B B B B C
技術革新 A A B B B
エネルギー・環境 A ↑A B C D
教育改革 A B ↓C B B
雇用・就労 ↓C C C D D
道州制推進 A A B C C
通商・経済協力 A B B C ↓D
外交・安全保障 A B B C D

(注)「合致度」は経団連の政策との一致度合い、「取り組み」は政策立案・実現のための活動、「実績」は政策の達成度をそれぞれA?Eの5段階で評価。民主の実績は評価外。↑(アップ)↓(ダウン)は前年の評価との比較。

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