『サイゾー』 日本共産党の「政権奪取」計画を直撃?!

『サイゾー』2008年10月号表紙

月刊『サイゾー』10月号(9月18日発売)の表紙↑の右上に、「志位委員長を直撃 共産党『政権奪取』計画」の文字が…!! (クリックすれば拡大して見れます)

ということで、さっそく中を開いてみたら、8ページにわたって、日本共産党を特集していました。曰く、「ブームをうまく活用すれば、政権獲得までは無理でも、政局のキャスティング・ボードを握ることぐらいは可能では?」「それを念頭に、共産党が政権の一翼を担うための具体的な方策をマジメに検討してみた」――。僕から見れば、?なところもありますが、そういうところも含めて、「マジメ」な企画!?です。(^_^;)

「ブームに乗って、革命遂行!? 共産党、もし政権を取らば」(『サイゾー』2008年9月号)

編集部の松島拡氏は、共産党を特集する背景をこんなふうに説明しています。

 (前略)
 思えば共産党は、民主党の結成(1998年)以降、二大政党制の波にのまれ、冬の時代を過ごしてきた。最近2回の選挙では、05年衆院選で9議席、昨年7月の参院選ではわずか3議席(非改選4議席)と惨敗。また、党員数も、87年の48万4000人をピークに減少し、ここ10年は35万?40万人前後にとどまっているだけでなく、党員の高齢化も深刻だ。機関紙「しんぶん赤旗」(日曜版含む。以下、「赤旗」)の購読者数に至っては、ピーク時の355万人(80年)から、半数以下の164万人(06年)にまで激減した。昨年までは、ブームどころか、衰退の一途をたどるのは必定と見えたものだ。
 しかし、思い起こしてほしい。80年代末から90年代初頭にかけ、東欧諸国およびソ連の共産党政権が崩壊し、その他の国でも共産党の解散・改名が相次ぐ中、日本共産党だけは、96年衆院選で26議席、98年参院選では15議席(非改選8議席、計23議席)を獲得し、逆に躍進してみせた。世界規模の厳しい情勢すらはねのけた政党なのである。
 今回のブームの理由について、野党に対して数々の提言を行っている、山口二郎・北海道大学公共政策大学院教授は、「共産党の長年の主張と格差社会の現実とが一致したことで、彼らの主張が本質を突いていたのだということを、国民が実感したからではないでしょうか」と解説する。一方、政治過程論・政治行動論が専門の、森裕城・同志社大学法学部准教授は、「今回のブームは、メディアによって増幅されたもので、実際の共産党支持率がそれほど上がっているとは考えにくい」と前置きした上で、「共産党が注目されているのは、民主党が政権奪取を意識するようになったことで、国民にわかりやすい牽制球を与党に対して投げる旧来型の野党の役割を担える政党が、共産党だけになってしまったからでは」との見解を示す。
 理由はさておき、今、共産党に注目が集まっているのは事実だ。ブームをうまく活用すれば、政権獲得までは無理でも、政局のキャスティング・ボードを握ることぐらいは可能では? むしろ、このチャンスを逃せば、今度こそ共産党に未来はないのでは?
 それを念頭に、共産党が政権の一翼を担うための具体的な方策をマジメに検討してみた。以降92?95ページで、共産党の現状と、今後取るべき選挙戦略や広報戦略などについて解説する。中には非現実的と感じる提言もあるだろうが、すべてはわが国と共産党の未来を憂いてのこと。その辺りを割り引いて、ご一読願いたい。

共産党の地力に着目した? コメントだろうと思います。いつもは一言余計なことをいう山口二郎先生の指摘も、まったくごもっともな話。「すべてはわが国と共産党の未来を憂いてのこと」というあたりに、「マジメ」さが現われていますね。(^_^;)

特集の中では、「しんぶん赤旗」について、「大企業の広告を掲載しないことから、有力企業・団体や政治家のスキャンダルといった分野において、時に一般紙をも凌ぐ取材力を発揮し、しばしばスクープをとばすことで知られる」と注目。次のような一覧表を紹介しています。

実はスクープ飛ばしまくり!? 最近の「しんぶん赤旗」スクープ一覧

94年4月 81年に撮影された1枚の写真を端緒に、細川首相(当時)と佐川急便の関係を追求。その後、佐川急便からの1億円借入疑惑が浮Lし、細川内閣は退陣。
02年2月 三菱自動車工業(03年に三菱ふそうトラック・バスとして分社)製トラクタの車輪脱落死亡肇故が、構造上の欠陥によるものであると指摘。その後、同種事故が多発していたことや、組織的なリコール隠しが露見し、04年、当時の会長らが逮捕される。
05年6月 各メーカーの冷蔵庫の消費電力が、力タログでは実際より過小表示されていると指摘。これにより、翌年5月にJIS基準が改正された。
05年10月 偽装請負問題を、注目の集まる以前から継続的に調査、掲載。06年7月以降、朝日新聞が大きく報じ、社会問題に発展。
06年11月 石原慎太郎都知事の01?06年の計15回の海外出張旅費を調査し、総経費が約2億4300万円にのぼっていたと暴露。
07年1月 自民・民主の国会議員ら18人が、資金管理団体の主事務所を賃料のかからない議員会館としているにもかかわらず、年間1000万円以上の事務諸費を計上していると指摘。政界を揺るがす問題へと発展。
07年10月 自民党・久間章生元防衛相が、防衛庁長官在任中、防衛官僚への贈賄容疑等で逮捕された山田洋行元専務から接待を受けていたことを指摘。

最後に、志位委員長へのインタビューが掲載されています。

「たしかな野党」じゃ終わらない共産党は、政権を奪りにいく!!
[サイゾー 2008年10月号]

 共産党のトップ、志位和夫・党中央委員会幹部会委員長は、この共産党ブームを、現代日本の状況を、そして来るべき政権獲得をどのように考えているのか? 雨降りしきる8月某日、東京・代々木の、党本部にて話を聞いた――。
――今、“共産党ブーム”といわれていることについて、どうお考えですか?

志位和夫(以下、) これまで共産党の掲げてきた主張が多くの人に受け入れられ、共鳴していることを、いろいろな分野で感じています。今年の2月に私は、衆議院予算委員会で、50分間、派遣労働の問題について質問しました。この中で、キヤノンでの派遣労働の実態を告発しました。これに対し、想像していたよりもかなり多くの若者から、特にインターネット上で共感と激励を頂きました。全国の労働者の闘いによって、ずっと規制緩和できていた労働法制の潮目が変わり、規制強化を目指す方向に変化してきました。

――質問の模様はYouTubeなどで配信され、「CGJ(志位、グッジョブ)」というネット用語も誕生し、話題となりました。ご自身もネットに書き込みをなさることはありますか?

 私から書き込むことはしません(笑)。最初、「CGJ」って意味がわからなかったんですね。ネットに詳しい人に聞いたら、「“志位、よくやった”という感じですよ」と言われてね。

――そんな今だからこそ、麻生(太郎)自民党幹事長のように、アキバ系の人気を集める発言をし、共産党のイメージを良くしてはいかがでしょう?

 うーん……(笑)。私の2月の質問に対してどういう書き込みがあるか見てみると、若者は、決してムードやイメージだけで物事を評価しているわけじゃないんですね。同じ映像がニコニコ動画にも投稿されているんですが、これを見ると、50分間の質問のうち、ネットユーザーたちが何分何秒のところでどういう書き込みをしたかというのがわかるんですね。それをずっと眺めてみたんですけど、皆さん、「論理」をよく見ているなと思った。たとえば、私が「日雇い派遣労働の場合、実際に働けるのは月平均18日、月収13万から15万です」と言うと、「それって最低賃金以下じゃないか」と書き込みがあるんですね。最低賃金がいくらか計算して、パッと書き込んでいる。福田首相が正面から答えないと、「ちゃんと答えてない」とかね。真剣に「論理」を追いかけて書き込みをしているなという感じがするわけです。決して、表面のイメージだけの見方ではなく、道理にかなっているものは何か、冷静に見極めようという流れが生まれていて、非常に心強いです。もちろんイメージは悪いより良いほうがいいけれど、やはり中身で勝負することがいちばん大事ですね。

――しかし、ネットの書き込みは、良いものばかりではないのでは?

 もちろんいろいろな議論があります。あの質問については、激励が多かったけれども、若い人は実によく見て本質を捉えていきますから、私たちも、今の政治の本質をズバッと突くよう、真剣な姿勢で向かわないとダメだと思っています。

――ネット上だけでの人気ではなく、実際に党員の数は増えているのでしょうか?

 去年の秋以降、平均して月1000人くらいのペースで増えています。その前の時期は、月500人くらいのペースだったんです。年齢層は、若い人の比率がだんだん上がっていますが基本的にはだいたい満遍なく増えています.、総選挙に向けて、さらに2万人は増やしたいと思っています。

自民・民主と政権協力する余地はありません

――国会が解散総選挙となった場合、選挙についてどのような戦略をお考えですか?

 次回の選挙では、「自民か民主か」ということがメディアでは取り沙汰されています。しかし私たちは、今度の選挙の焦点は、「政権の担い手の選択」ではなく、「政治の中身の変革」であり、それを問う選挙だと考えています。政治の中身を変える戦略と方針を持っている政党は共産党だけだと、正面から打ち出したい。

――05年の衆院選から、小選挙区のすべてには候補者を擁立しない方針に転換されたのはなぜですか?

 全区に候補者を立てるのが目指すべき姿ですが、党の財政や体制の問題からいって、ちょっと無理がある。無理をしないで比例一本で選挙に臨んだほうが、かえって票を増やすことにつながるところもあるだろうということです。比例代表で得票を躍進させて、いい結果を出したいと思っています。

――「たしかな野党」という共産党のスローガン通り、「共産党は野党であるからこそいい」といった支持のされ方があります。与党にモノを申せるのは共産党しかないと。

 そうですね。たとえば、キヤノンの派遣労働を告発できる党は共産党くらいしかないんですね。というのも、キヤノンは日本経団連の御手洗冨士夫会長が率いる企業であり、経団連は白民党と民主党に対して、毎年のように“通信簿”をつけ、それに応じて企業献金を両党に斡旋するということをやっている。だから、自民党も民主党も財界にモノが言えない。私たちは、「財界や大企業をつぶせ」と言っているわけではありません。「ルールなき資本主義」といわれる大企業・財界の横暴勝手をただし、相応の社会的責任と負担を果たさせて、「ルールある経済社会」へと改革する。これが共産党の立場なんです。
 ただし、「たしかな野党」というスローガンは、今後は使わないようにしようということになったんです。「いつまても野党でいるつもりですか」という質問がずいぶんありましてね。私たちは、政権を担って「ルールある経済社会」をつくりたい。そしてもうひとつ、異常なまでのアメリカ言いなりから脱却し、日米軍事同盟(安保条約)をなくして、独立した平和な日本をつくりたい。この2つの大きな展望に立って、「政治の中身を変える党」というスローガンを、今は押し出しています。

――政権を獲得するとしたら、どのような形を目指していますか?

 私たちの基本的な考え方は、単独政権ではなく、連合政権です。ただ、残念ながら今はパートナーがいない。個々の課題や国会の対応では、野党間の協力を一致点で進めますが、政権協力という点では、自民党とはもちろん、民主党ともその余地はありません。財界とアメリカのいいなりという古い政治の流れの中にある政党とでは、政権協力の条件はないのです。ただ、私たちが国政で力を伸ばせば、 パートナーとなる流れが必ず生まれてくると考えています。

――ではズバリ、政権はいつごろ取れそうですか?

 先の予定はわからないですけども(笑)、最近になって、「資本主義は限界か」といった趣旨の問いかけが、メディアからよくされるようになり、私も、いくつかの雑誌やテレビのインタビューに答えました。こういった状況は、これまでにはなかったまったく新しい状況です。
 現代の世界を覆う大きな問題である「貧困」「投機」「環境破壊」などは、資本主義という枠組みの中では、根本的には解決できない。私たちは「共産党」ですから、まず資本主義の枠内で「国民が主人公」の日本を目指しますが、その次の段階には、社会主義・共産主義という、本当に自由で平等な人間関係で結ばれた社会を展望しています。「共産党」という名前に込めた理想社会の展望を、大いに語っていきたいと考えています。

ちなみに、『サイゾー』は、同誌編集部の自己紹介によれば、「20?30代の若年層」を読者とする雑誌です。

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