ニューヨークタイムズ紙 麻生首相を「喧嘩っ早い民族主義者」と批判

米紙ニューヨーク・タイムズが社説で、麻生新首相について、「喧嘩っ早い民族主義者」「日本の植民地支配を正統化した」と批判したというニュース。

ということで、ニューヨーク・タイムズの社説↓を読んでみた。

Editorial – The Return of Taro Aso – Editorial – NYTimes.com

社説は、あくまでアメリカとして「責任ある戦略パートナー」を求める立場からのもの。しかし、日本の植民地支配を正当化したり、戦時中の虐殺を正当化したりするような首相はいらない、ナショナリズムを引っ込めてプラグマチズムに徹しろ、アジア諸国を対等の相手としてあつかえ、となかなか厳しい。

麻生首相「けんか好きな国粋主義者」とNYタイムズ社説(読売新聞)
「近隣国との関係強化を」NYタイムズ、麻生首相に注文(朝日新聞)

ということで、へっぽこ訳。しかし、こんな訳文がなくても、読めば分かる英語か…。(^_^;)

社説:麻生太郎の復活

[ニューヨークタイムズ 2008年9月24日]

 日本の新しい首相、麻生太郎は、日本の近隣諸国によって、喧嘩っ早い民族主義者としてよく知られており、好意的には記憶されてはいない。2005?2007年の外相として、麻生氏は、戦前の日本の植民地主義の達成を称賛し、戦時中の虐殺を正当化し、中国を危険な軍事的脅威とえがきだすことによって、中国や韓国との関係を難しくし、地域の緊張を高めた。
 今度、長く政権与党である自由民主党内の権力ブローカーが彼を、この2年で4人目の首相にして、麻生氏を「実利主義者〔プラグマティスト〕」として再ブランド化した。
 麻生氏は、日本の落ち込んだ経済を活気づけることに集中するよう期待されている。だから、21世紀を成功裏に導くためには、彼は、外交関係についていえば、民族主義をプラグマチズムに取り替える必要に迫られるだろう。日本の将来は、最大の貿易相手国である中国、韓国その他急速に成長している近隣諸国とさらに強い政治的経済的な関係を築くかどうかにかかっている。
 彼は、ワシントンに、インド洋における日本の海上自衛隊による燃料補給活動――アフガニスタンにおけるアメリカと同盟国の軍事作戦を支持する日本のリスクなしのデモンストレーション――を中止させようとする野党の努力に反対することを請け合った。〔しかし〕アメリカが必要としているのは、責任ある戦略的パートナーであって、帝国の幻想をふりまいたり腕力を見せびらかしたりしてアジア諸国の激しい反発をまねくような政府ではない。
 民族主義は、不穏な政治的復活をとげようとしている。なぜならば、多くの日本人が、かつてはアジアの明白の経済リーダーだった自分たちの国が急成長する近隣諸国にたいして人知を失いつつあることを恐れているからである。
 日本に必要なことは、そんなことではなくて、小泉元首相が始めた市場改革を完成させることによって、その経済を現代化することだ。さらに、近隣諸国を対等の国としてあつかうことで、外交政策を現代化する必要がある。もし、麻生氏がこの課題をこなせるほど十分にプラグマティック〔実利主義的〕であるならば、彼は、首相として成功するかもしれない。

Editorial

The Return of Taro Aso

[Published: September 24, 2008]

Japan's new prime minister, Taro Aso, is well known ― and not fondly remembered ― by Japan's neighbors as a pugnacious nationalist. As foreign minister from 2005 to 2007, Mr. Aso soured relations with China and South Korea and raised tensions throughout the region, praising the achievements of prewar Japanese colonialism, justifying wartime atrocities and portraying China as a dangerous military threat.

Now, the power brokers in the long-governing Liberal Democratic Party have made him Japan's fourth prime minister in just two years and rebranded Mr. Aso as a "pragmatist."

Mr. Aso is expected to focus on stimulating Japan's stagnant economy. To successfully lead a 21st-century Japan, he will also need to swap nationalism for pragmatism when it comes to foreign relations. Japan's future depends on cultivating stronger political and economic relations with China ― its largest trading partner ― South Korea and other rapidly advancing neighbors.

He has assured Washington that he will resist opposition efforts to shut down a Japanese naval refueling mission in the Indian Ocean ― Japan's risk-free demonstration of support for American and allied military efforts in Afghanistan.

What the United States most needs from Japan is a responsible strategic partner, not a government whose imperial reveries and symbolic muscle-flexing will provoke angry reactions across Asia.

Nationalism is enjoying a disturbing political revival because many Japanese fear that their country, once Asia's clear economic leader, is losing ground to booming neighbors. The answer for that doesn't lie in the nostalgic fantasies about Japan's ugly past for which Mr. Aso has become well known.

Instead, Japan needs to modernize its economy by completing the market reforms begun by Junichiro Koizumi, the former prime minister. And it needs to modernize its foreign policy by treating its neighbors as equals. If Mr. Aso can be pragmatic enough to adopt that agenda, he is likely to be a successful prime minister.

麻生首相「けんか好きな国粋主義者」とNYタイムズ社説

[2008年9月26日20時21分 読売新聞]

 【ワシントン=五十嵐文】25日付米紙ニューヨーク・タイムズは、麻生首相について、中韓両国との関係を悪化させた「けんか好きな国粋主義者」と断じる社説を掲載した。
 社説は、麻生氏が外相時代、「戦前の日本の植民地化政策の成果を賞賛し、旧日本軍による残虐行為を正当化する一方、中国を危険な軍事的脅威だと述べた」と主張。首相として「近隣諸国を対等に扱う必要がある」と注文を付けた。
 さらに、日米関係についても触れ、「米国は、帝国主義の幻想でアジア中を怒らせるような(日本)政府を必要としているのではない」などと指摘した。
 同紙は06年2月にも、当時外相だった麻生氏を「外交感覚も歴史感覚もおかしい」などと批判し、日本政府が正式に抗議した経緯がある。

「近隣国との関係強化を」NYタイムズ、麻生首相に注文

[asahi.com 2008年9月26日21時49分]

 【ワシントン=小村田義之】米紙ニューヨーク・タイムズは25日付の社説で、麻生首相について「日本の近隣諸国では、けんか腰のナショナリストとして知られ、好意的には記憶されていない」と紹介。アジアで現実主義的な外交を展開するよう求めた。
 社説は「日本の将来は中国や韓国など近隣諸国との関係強化にかかっている」との見方を示し、「米国が日本に最も求めているのは責任ある戦略的パートナーであり、帝国主義的な夢想や、力の誇示によってアジアの怒りを招くような政府ではない」とも記した。
 そのうえで、アジアでの日本の地位低下を避けるためには、ナショナリズムを復活させるのではなく、小泉元首相が始めた市場改革を完遂させ、隣国を対等に扱うことによる外交の変革が必要だ、と主張。麻生氏が「現実主義者」としてこの方針を採れば「首相として成功するだろう」と呼びかけている。

産経新聞だけは、「不穏当な表現乱発」とニューヨークタイムズを非難している。

麻生氏は「好戦的な民族主義者」 NYタイムズ社説、不穏当な表現乱発(MSN産経ニュース)

麻生氏は「好戦的な民族主義者」 NYタイムズ社説、不穏当な表現乱発

[MSN産経ニュース 2008.9.26 22:42]

 【ニューヨーク=長戸雅子】25日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、首相に就任した麻生太郎氏について、「好戦的な民族主義者」で「日本の植民地支配を称賛した」と決めつけるなど、不穏当な表現をちりばめた社説を掲載した。
 社説のタイトルは「タロー・アソウの復活」。麻生氏を「(中国などの)隣国では好戦的な民族主義者としてよく知られている」と紹介し、「外相時代には日本が植民地支配下で行ったことを称賛し、第2次大戦での残虐行為を正当化し、中国を危険な軍事的脅威と表現して中国、韓国との関係を損ねた」と批判した。
 そのうえで「日本の将来は最大の貿易相手国である中国、韓国、急速に発展する他の近隣諸国との政治、経済関係の強化にかかっている」と麻生氏を牽制(けんせい)した。さらに「米国が最も必要としているのは責任ある戦略的パートナーとしての日本であって、アジアから怒りを買うような帝国主義を空想し、力を誇示するような政府ではない」とクギをさし、「隣国を対等に扱い、民族主義を現実主義に入れ替える必要がある」と“進言”した。
 一方、「日本は小泉純一郎元首相が着手した市場改革を仕上げ、経済の近代化を図る必要がある。外交政策は隣人と対等につきあうことで近代化を図る必要がある。麻生氏がこうした手法を取れるほどに現実主義的であれば、首相として成功するだろう」と挑戦的な言い回しで締めくくっている。

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