インド洋では無償で提供、イラクでは有償で購入

相馬市九条の会のブログに、こんな面白い記事が載っていました。

インド洋上ではアメリカ軍艦船などに無償で燃料を提供している日本ですが、イラク、クウェートに派遣された航空自衛隊は米軍に、しっかり燃料代を支払っていた、というのです。なんという気前のよさ!! (-_-;)

思いやりあふれる日本の政府 – 相馬市九条の会

で、その元記事は「東京新聞」8月21日に載っているというので、さっそく元記事を探してみました。

その記事がこれ↓です。

洋上給油 無償提供の自衛隊 イラクでは米から購入

[東京新聞 2008年8月21日付朝刊1面]

 インド洋で米軍など複数海軍の艦艇に無償で燃料を提供している自衛隊が、イラク空輸では米軍から燃料を購入していることが20日、分かった。ガソリン価格が高騰し国民が困窮する中で、燃料の無償提供を続ける日本の“気前よさ”が際立つ形になった。
 イラク空輸のため、隣国のクウェートにC130輸送機三機を派遣している航空自衛隊は、日米物品役務相互提供協定(ACSA)に基づき、有償支援を受けている。2006年度は米軍から航空燃料1,840キロリットルの提供を受け、1億2,600万円支払った。
 一方、インド洋に派遣されている海上自衛隊はテロ対策特別措置法(テロ特措法)に基づき、01年から昨年11月まで艦艇燃料、ヘリコプター燃料など989回の洋上補給を行った。その分の燃料費224億円は、日本政府が負担した。
 今年1月からの新テロ対策特別措置法(給油新法)でも燃料費は日本持ちで、パキスタン、フランスなど7カ国に8億円以上の燃料を無償提供している。
 イラクでは有償で購入、インド洋では無償提供と対応が異なることについて、防衛省幹部は「政策判断というほかない」という。給油新法は来年1月で期限切れを迎えるが、秋の臨時国会では同法の期間延長を論議するか決まっていない。

核心 無償補給 買ってまで 貢献はカネ 浮き彫り 防衛省 有償切り替え『今はない』

[東京新聞 2008年8月21日付朝刊3面]

 インド洋で各国に燃料を無償で提供している自衛隊が、イラク空輸では米軍から燃料を購入していた――。2001年の米中枢同時テロの報復でアフガニスタン攻撃を始めた米国への支援が目的だった、燃料の洋上補給。防衛省幹部は「海外では有償が当たり前。無償提供が異例」と言う。ずるずると続く活動とその安易な延長は、燃料高騰にあえぐ国民の目にどう映るのか。(編集委員・半田滋)

■先進国にも

 2001年から昨年まで6年間続いたテロ対策特別措置法(テロ特措法)に基づく洋上補給は、224億円分の燃料を無償で米艦艇などに補給した。その米艦艇がイラク攻撃に参加した“転用疑惑”は記憶に新しい。
 今年1月からの新テロ対策特別措置法(給油新法)では、先月末までに40回の洋上補給が行われ、8億円以上の燃料を補給した。パキスタンが16回と一番多く、フランス、ドイツ、カナダ、米国、英国、ニュージーランドの順。政府開発援助(ODA)対象国のパキスタンだけでなく、先進国にも無償で提供している。
 05年7月に、インド洋で50回以上無償補給を受けた“お礼”として、フランスから同国に寄港した海上自衛隊の練習艦隊が、一回(3,000万円相当)だけ燃料提供を受けたことがある。

■“戦争支援”

 一方、イラク空輸ではクウェートに駐留する航空自衛隊は日米物品役務相互提供協定(ACSA)の適用を受け、同じ基地に燃料の貯蔵タンクを持つ米軍から燃料を買っている。米軍が空自から物品の提供を受けると、日本政府に代金を支払う。クウェートでの物品提供は相互に有償だ。
 テロ特措法、給油新法、イラク特措法という3つの法律には「物品の譲渡および無償貸し付け」の項目があり、日本から他国に物品を無償提供できる。
 インド洋の補給活動ではこれを適用し、イラク空輸で適用しない理由について、防衛省国際協力課は「日本としての貢献策は何か判断した結果」という。その判断とは何か。
 01年10月、米英軍のアフガニスタン攻撃開始を受けて、テロ特措法はわずか25日間の国会審議で成立した。昨年10月10日、衆院予算委員会で福田康夫首相は同法の認識を問われ、「9・11(米中枢同時テロ)という非常に衝撃的な事件が起こって米国の自衛が行われた。それに協力をする立場だった」と“戦争支援”を認めた。

■ずれる説明

 しかし、01年12月22日、アフガン暫定政権発足により、「米国の自衛戦争」が終わった後も洋上補給は続き、補給相手は11カ国まで拡大した。
 洋上補給について、日本政府は「(米軍による)不朽の自由作戦のうちの海上阻止活動(OEF-MIO)支援」というが、活動を指揮する米海軍は、安全で安定した海洋環境づくりのための「海上治安活動」(MSO)と名称を変えており、日本政府の説明と活動は符合しない。
 移り変わる現地情勢を無視した洋上補給は、130億ドルの巨費を提供した湾岸戦争当時の日本政府の姿勢と重なり、「カネこそ一番」を連想させる。給油活動は無償でなければ歓迎されないのか。米国や英国の補給艦から燃料提供を受ければ有償だ。防衛省は日本が有償補給に切り替える可能性について、「現時点では検討されていない」としている。

さすがにフランスは、フランスに寄港した海上自衛隊に無償で燃料を提供してくれたそうですが、アメリカには、その程度の“思いやり”もないというよりも、下僕が御主人様に奉仕するのは当たり前、お返しをするなんていう発想がそもそもないのでしょう。

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