志位委員長、こんどは『サンデー毎日』に登場!!

『サンデー毎日』2008年11月30日号

『サンデー毎日』11月30日号(11月18日発売)に、志位和夫・日本共産党委員長が登場しています。

題して、「志位和夫共産党委員長が糾す ルールなき資本主義」。3ページにわたって、志位委員長へのインタビューを掲載しています。

「志位和夫 ルールなき資本主義を糾す」(『サンデー毎日』2008年11月30日号)

日本共産党委員長志位和夫 ルールなき資本主義を糾す

[サンデー毎日 2008年11月30日号]

「心ある経営者となら協力する」

 世界金融危機に続く大不況の跫音――。現代版『蟹工船』の派遣労働問題の追及で若者の支持を集める共産党が、経営者との対話を模索し、大企業も敵視しないなどと“変身”している。そこで、ニッポン資本主義の行方について、志位和夫委員長(54)にズバリ迫った。

――10月7日の衆院予算委で、大企業の非正規雇用の調査を麻生太郎首相に迫った映像へのアクセスが、インターネットの動画サイト「志位和夫チャンネル」などで注目されています。

志位 日雇い派遣問題などを追及した今年2月の予算委の動画映像には、計21万件超のアクセスがありました。今回は偽装請負を告発してクビにされたケースや、3年の期間制限を骨抜きにする派遣労働者の使いまわしを追及しましたが、アクセスはすでに13万件を超え、多くの激励をいただきました。政府の姿勢や製造現場にも変化が生まれていますが、問題の解決はこれからです。

――現代版『蟹工船』労働の実態をどう見ますか。

志位 派遣労働は身分が不安定なだけでなく、著しい低賃金もひどいものです。大企業のライン勤務の場合、派遣会社にマージンを3?4割取られた上、寮費や電気・水道、テレビ、ふとん代まで給料から天引きされ、1カ月の手取りは10万円前後。私が見た寮はペラペラの壁で部屋を3つに仕切り、1人分は3畳に小さな窓の“独房”レペルでした。こんな奴隷状態で若者を働かせているのです。

――首相がオタク・パフォーマンスを繰り広げた秋葉原でも演説されました。

志位 若い人が多い街ですから、600?700人が立ち止まって耳を傾け、最後にワーッと拍手をしてくれました。若者が本当に苦しんでいる「使い捨て」労働を何としても解決したい。責任を感じています。

――その麻生政権の景気対策をどう見ますか。

志位 ともかく自民党総裁選で盛り上げ、正体不明のまま解散総選挙になだれ込むのが麻生首相の作戦だったのでしょう。それが頓挫した今、何かやらなきゃいけない。それで経済対策を持ち出してみたものの、最大の“目玉”にしようとした「定額給付金」のバラマキ先すら決められない醜態をさらした揚げ句、自治体丸投げという最悪の責任放棄に帰着しました。3年後の消費税大増税という“地金”まで出して景気が良くなる道理はない。唯一最大の“目玉”である給付金が、皮肉なことに政権の致命傷になったわけで、もはや末期状態ですね。

――自公政権が総選挙で下野したら、小沢民主党との協力はあり得ますか。

志位 民主党との関係では、後期高齢者医療制度の撤廃法案提出など、国会内の一致点で協力してきましたし、それはこれからも変わりません。ただ、国の進路については根本的に立場が違います。民主党は憲法9条改定を目指し、消費税もいずれ引き上げると言う。私たちが「2つの政治悪」と呼んできた、行き過ぎた大企業中心主義と異常な米国追従でも、自民党と同じ流れの中にあります。ですから、政権協力はあり得ません。ただ、共産党が躍進できたら、労働問題に限らず社会保障、中小企業、農業問題などで積極的に提言を行い、個別課題での協力を追求するつもりです。

――「20?30代の1割以上が共産党支持」との調査結果もあります。動画映像へのアクセスや書き込みはやはり若者が多いですか。

志位 若年層が中心ですが、子どもや孫が苦しむ姿を見かねた年配者からの反響も目立ちます。若い世代のほぼ半数が非正規雇用ですから、必ず身近にこうした働き方を強いられる人がいて心を痛めている。それから、経営者からもモラルを失った企業経営への嘆きが寄せられています。「昔の企業には雇用を守る責任感があり、労働者を数カ月で切り捨てたりしなかった。若年層が家庭を持つことさえできない社会を何とかしなくては」という声も届いています。個々の若者の苦しみだけでなく、社会全体の大問題として取り組む必要を痛感しています。

日本社会に特有の「異常な歪み」

――共産党にとって、資本家や経営者は、対立する存在ではないのですか。

志位 私たちは大企業を敵視したり潰すようなことは考えていません。その横暴を抑え、力にふさわしい社会的責任と負担を果たすことを求めているのです。この立場から“心ある経営者”とも胸襟を開いて対話したいと考えます。9月には経営者や企業の幹部の方が集まる『経営塾フォーラム』で講演する機会があり、深刻な派遣労働の実態を提起するだけでなく、欧州などに比べて日本経済が“異常な資本主義”であることを説明しました。

――「異常な」とは?

志位 言い換えれば「ルールなき資本主義」ということです。国民の暮らしや権利を守るルールが存在しないか、あっても弱い。たとえば、欧州の派遣労働は文字通り一時的、臨時的な業務に限られ、「テンポラリー・ワーク」と呼ばれます。「均等待遇」の原則も確立され、リストラの手段として正社員を派遣や期間社員に置き換えることはできません。その結果、非正規の労働者は独仏伊で13?14%、英国が6%とほぼ1割前後に抑えられています。また、欧州には残業を含む労働時間の上限を定めた法律があります。過労死は海外でも“KAROSHI”と呼ばれ、日本の過密な長時間労働の象徴となっていますが、その背景には残業時間の法的規制がない上、「サービス残業」を押し付けるなど、日本社会に特有の異常な歪みがあるのです。

――フォーラム参加者の反応はいかがでしたか。

志位 通常より参加者が多く「面白かった」「意外だった」との声も出たそうで、経済誌『BOSS』12月号に講演内容が掲載されました。立場の違いはあっても一定の理解、共感は得られたと感じています。せめて欧州並みの「ルールある経済社会」を実現するため、労働、社会保障、中小企業、金融、環境、農業などあらゆる分野で国民の暮らしを守るまっとうなルール作りが必要だ、と話したところ、多くの方がうなずいて聞いてくれました。

――現代版『蟹工船』の悲惨さが理解されたのですか。

志位 それもあるでしょうし、加えてもう1つ、膨れ上がった投機マネーの暴走がもたらした世界金融危機の衝撃が影響しているのではないでしょうか。マルクスの『資本論』に「『大洪水よ、わが亡き後に来たれ』。これがすべての資本のスローガンである。(中略)資本は社会によって強制されるのでなければ、労働者の寿命と健康に対し、何らの顧慮も払わない」という一節があります。資本は目先の利潤追求のために“後は野となれ山となれ”とばかりに何でもやるので、社会が規制を加えなければ“大洪水”になるということです。今回の金融危機は、まさにカジノ資本主義の破綻がもたらした1つの“大洪水”ですよ。

「資本主義万能論」の誤りを証明

――新自由主義が放任してきた投機マネーの行状から、経営者は資本主義の本性を見て取ったのですか。

志位 投機規制が必要との考え方は、世界的な流れになりつつあります。ドイツでは『資本論』が新たなブームです。31の大学で新たな講座が開設され、書店でも例年の数倍増の売れ行きと聞きます。専門家の試算によれば、世界の国内総生産(GDP)の合計は約48兆ドル(約4500兆円)で、これがほぼ実体経済とみなされますが、株式や債券、預金など金融経済の総額は約152兆ドルに達し、それだけで実体経済の3倍強。さらには、債務担保証券(CDO)など店頭デリバティブの取引残高が516兆ドルという空前の規模に膨れ上がり、世界を暴れ回る投機マネーが実体経済を破壊しています。いちばんひどい目に遭っているのは労働者や発展途上国といった“世界の庶民”でしょう。こうした金融に表れた「ルールなき資本主義」の震源はもちろん米国で、その忠実な追随者が日本なのです。

――日本はここでも「ルールなき資本主義」に直面しているわけですね。

志位 私たちは、すぐに社会主義や共産主義を目指すのではなく、まずは資本主義の枠内で「国民が主人公」の日本を目指し、経済の分野では国民の暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」を実現させます。金融資本主義が野放しにしてきた国際的投機マネーを規制するルールも必要です。ヘッジファンドの規制や投機マネーへの課税などがそれです。ただ、モンスター化した金融投機の問題を、資本主義という枠組みの中で根本から解決できるかどうか。これは疑問ですね。

――ソ連崩壊後、資本主義は永続するという「歴史の終焉」論は誤りですか。

志位 新自由主義が引き起こした種々の問題により、むしろ「資本主義万能論」の誤りが証明されたというべきでしょう。世界的規模で進む貧困と飢餓、環境破壊、そして投機マネーの暴走――。この3つの問題には資本主義の下でも緊急の対応を迫られますが、根本的解決のためには、資本主義を乗り越えた新しい社会への前進が必要になるのではないでしょうか。人類の生存を脅かす問題が「利潤第一主義」という資本主義の狭い枠組みでは解決できないとなれば、やはり新しい社会に進むしかありません。それが21世紀の新たな社会主義、共産主義が担うべき役割だと私は考えています。

構成/本誌・井上卓弥

この前の「朝日新聞」の記事もそうですが、ようやくメディアでも、「ルールなき資本主義」ということが注目されはじめたようです。

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