失業率が低下しても喜べない理由

10月の完全失業率(季節調整値)は3.7%で、9月から0.3ポイント低下。本当なら喜んでいいことのはずなのだが、実態はそんな事態ではない。

10月完全失業率は3.7%に低下、非労働力人口増に注視 | Reuters
有効求人倍率、大幅低下0.80倍=4年5カ月ぶり低水準?10月(時事通信)

失業率が下がったのは、もっぱら求職活動を諦めた人が増えたから。統計上、失業者にカウントされるためには仕事探し(求職活動)をしていなければならない。しかし、景気が悪くなると「どうせ、探したって見つからない」といって、求職活動を諦めてしまう人が増える。で、仕事探しをやめてしまうと、失業者にはカウントされないので、見かけ上失業率が下がったように見える訳だ。

事実、10月には、就業者が36万人減った、つまり36万人が仕事を失ったはずだが、失業者は増えるどころか逆に16万人も減った。これらの人はどこへ行ったかというと、非労働力人口が56万人も増えている。36万人+16万人=52万人だから、実際問題として数字的にもほぼ一致する。

10月完全失業率は3.7%に低下、非労働力人口増に注視

[ロイター 2008年 11月 28日 11:56 JST]

 [東京 28日 ロイター] 総務省が28日発表した労働力調査によると、10月の完全失業率(季節調整値)は3.7%と9月(4.0%)から低下し、昨年7月(3.6%)以来の低水準となった。
 ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査での予測中央値は4.2%となっていたが、これを大きく下回った。
 就業者数は前年比36万人減と9カ月連続で減少し、9月の29万人減から減少幅が拡大した。一方で、失業者数は前年比16万人減となり、9月の同2万人増から減少に転じた。減少するのは3月(13万人減)以来7カ月ぶり。
 職探しをあきらめた人口がカウントされる非労働力人口は、男女ともに増加した結果、前年比56万人増となり、9月の同36万人増から増加幅が拡大した。
 総務省では、就業者の減少傾向に加え、就業者から完全失業者や非労働力人口にシフトする動きがみられることから、今後の雇用状況については「一層注意する必要がある」との認識を示した。
 特に、非労働力人口の増加は「過去の景気後退期にもみられている」とし、今後は就業者数、失業者数に加え、非労働力人口の動きも注視する必要がある、との見解を示した。(ロイター日本語ニュース 武田 晃子記者)

有効求人倍率、大幅低下0.80倍=4年5カ月ぶり低水準?10月

[時事通信 2008/11/28-11:56]

 厚生労働省が28日発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は0.80倍で、景気悪化の影響から2004年5月以来4年5カ月ぶりの低水準となった。前月からのマイナス幅は0.04ポイントで、10年7カ月ぶりの大幅な低下。求人数より求職者の方が多いことを示す1倍割れは11カ月連続で、ほぼ一貫して水準を切り下げている。
 地域別で見ると、これまでトップを独走していた愛知県(1.38%)が、自動車産業で従業員の削減などが相次いだため倍率を落とし、群馬県(1.51%)に抜かれて4年9カ月ぶりに転落した。雇用の先行指標とされる新規求人数は前年同月比18.1%減。新規求人倍率は1.14倍と約5年ぶりの低水準だった。
 一方、総務省が同日発表した労働力調査によると、10月の完全失業率(同)は3.7%で前月比0.3ポイント改善した。男性は3.9%、女性は3.5%で、それぞれ0.2ポイント、0.4ポイント低下した。

総務省「労働力調査」の発表データは、↓こちら。
労働力調査 2008年10月分(基本集計)結果の概要(PDF:57KB)

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