メトロポリス誌記事のヘッポコ訳(^_^;)

「赤い星がのぼる」(『メトロポリス』2009年1月16日号)

メトロポリス誌1月16日号に掲載された日本共産党の記事のヘッポコ訳です。ヘッポコなところはお許しください。

記事そのものは、こちら→英字情報誌に志位委員長!!

赤い星がのぼる

グローバル資本主義は窮地に陥り、ローカルな共産主義が上昇する
[メトロポリス2009年1月16日号]

 昨年グローバルな経済危機が始まる前から、日本の政治評論家は驚くべき現象に注目していた。オホーツク海で操業する日本のカニ加工船で働く労働者の悲惨な暮らしについて書かれた1920年代の小説――それは、若い共産党員作家によって書かれた――が突然ベストセラーになったのだ。小説『蟹工船』は昨年に50万部以上売れたし、イースト・プレス社が発行した漫画バージョンはさらに20万部売れた。
 船上の暴圧的な管理と非人間的な条件、そして自分たちを守るために団結する労働者の闘争をえがいた小説は、小林多喜二という26歳の銀行員によって1929年に書かれた。それは、彼が日本の警察によって逮捕され殺害される4年前のことだった。
 昨年5月、メディアは小説への新しい関心に注目し始め、それを近代資本主義とともに成長する不満――とくに若い世代の間での――と結びつけるようになった。読売新聞は、「『蟹工船』悲しき再脚光 格差嘆き若者共感」[1]という見出しで報道した。続いて、毎日新聞が、「プロレタリア文学の名作『蟹工船』異例の売れ行き」[2]という記事を載せた。マルクス主義の視点から書かれた小説の成功は、日本の普通の有権者のあいだで日本共産党への関心が広がっていることの合図でもあった。同党は最近までずっと大きく攻撃されてきたのだが。

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 日本の「経済的奇跡」といわれたブームの時代には、日本共産党はとてつもない成功を収めた資本主義システムのお祭り騒ぎに現われた幽霊とみられていた
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 日本の「経済的奇跡」といわれたブームの時代には、日本共産党は、とてつもない成功を収めた資本主義システムのお祭り騒ぎに現われた幽霊とみられていた。しかし、実際には、日本の過去の経済的成功は、不払い残業、生活の質の低さ、カローシ(過労死)という不名誉な現象をともない、人的には高いコストをもたらした。これに、高賃金の直接雇用労働者と低賃金の派遣スタッフという2階建ての雇用システムがつけくわわる。それによってコストカットすることで、主要な日本企業は、世界的な競争を勝ち抜いてきた。この状況こそが、『蟹工船』に描かれた極端な搾取が現代の人びとに反響を呼びおこしているのである。
 「デイリー・ヨミウリ」の最近の評論で、早稲田大学文学部教授の十重田裕一は、次のように書いた。「『蟹工船』は、格差社会、過酷な労働条件、商品偽装、無差別殺人など、危険な社会問題が起こったときにはいつでも、議論され分析されている。これは『蟹工船』ブームのユニークな特色であり、いまも、現代日本のすべての否定的側面を象徴したり反映したりしている」

      ◇

 日本共産党は、東京・代々木にある巨大な本部から指揮されているが、すでにこの利点に気づいている。2005年総選挙では、自民党38%、民主党31%、創価学会がスポンサーとなった公明党13.25%にたいして、手堅く7.25%の得票を得た。それ以後、支持と党員は伸びてきている。2008年には、毎月おおよそ1000人の新入党者があり、党員数は41万5000人を超えた。
 主要紙が『蟹工船』についての記事を載せ始めた同じ月には、日本共産党委員長の志位和夫は、ワイドショー[3]に出演して人々にマルクス主義の説明をおこなった。「テレビ朝日が私に、マルクスの『資本論』からいくつかの言葉やフレーズをとりあげて、フリップボードにして視聴者に見せてくれというんですよ」と、54歳の志位は、党本部でのメトロポリス誌のインタビューに答えた。

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「利益を得るためには、彼らはそのあとに何が起こるかまったく気にしない」
日本共産党委員長・志位和夫
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 「私は、3つのメッセージをフリップボードにしました。『わが亡きあとに、洪水よ来たれ』。これは資本主義のスローガンです。利益を手に入れるためには、彼らは、その後に何が起こるかまったく気にしません。2つめのフレーズはサブプライム危機によって産み出されたものです。『過度の信用システムは過度の投機を生み出す』。3つめは、エンゲルスの言葉で、環境破壊に関連して『自然が人びとに復讐する』というものです。商業テレビ局がマルクスやエンゲルスのこのようなフレーズを流したのは、日本史上初めてのことでした」
 戦闘的な雰囲気をただよわせる強面の志位は、2000年に委員長に選出されていらい、増大する日本の非正規労働者の権利を守るために一生懸命活動してきた。彼らは、不況になるといつも真っ先に切り捨てられる。志位もまた、同党自身を再ブランド化するための10年以上にわたるたたかいを大きく前進させた。

      ◇

 冷戦の時代、日本共産党は典型的にはこんなふうに見られていた。世界を手に入れようとする国際共産主義勢力の指令で暴力と混乱を助長する危険な非民主的組織――多くの年配の有権者にいまなお影響を与えているイメージだ。しかし、思いどおりに操ろうとするモスクワや北京の体制に幻滅したことで、日本共産党は、60年代には、国際共産主義から距離を置いて、日本の普通の有権者の関心や価値に焦点を当てた、より民主的で国民的な共産主義を発展させ始めた。
 このプロセスは非常に大きく前進した。その結果、ソ連が崩壊し、1991年にソ連共産党が解体したとき、日本共産党は熱烈な反応を示し、ソ連共産党の消滅を積極的に歓迎する声明を出した世界で唯一の共産党となった。その何年も前から、日本共産党は、その力を世界に拡大しようとするモスクワの企みにたいする厳しい批判者であった。
 「ソ連共産党は、世界の社会主義を代表するかのように振る舞って、長い間、社会主義となんの共通点もない大国排外主義と覇権主義の害悪をもたらしてきました」。志位は最近の演説でこう指摘した。
 モスクワであれ北京であれワシントンであれ、日本の出来事にたいする外国の支配を拒絶してきたため、実際、日本共産党は騒音と皇国スローガンを叫ぶ極右集団よりもずっと民族的な政党である、と言えるかもしれない。日本共産党は、極右のように、千島列島のロシアからの返還を要求するし、入党条件を日本国籍保有者に限っている。しかし、極右政党とは違って、日本のアメリカへの追従に強く声高に反対する。志位によれば、日本が直面する問題の多くは、不平等な日米同盟から生じている。
 この歪んだ関係のもっとも明白な象徴は、冷戦終了後18年たっても、大規模な米軍が存在し続けていることである。多くの日本人にとって、このことは戦後の占領が続いていることを表わしているが、もはや超大国ソ連の脅威によってそれを正当化することはできない。
 経済データは同じような話を物語る。2007年、アメリカは、日本との間でさらに820億ドルの貿易赤字を出した。それは、日本の経済的役割がアメリカが消費する財をつくることにあることを示している。しかし、そんな輸出をささえるために、日本は、ドルを買い、金利を低く導くことによって円を人為的に安く押さえてきた。
 「アメリカは、たくさんの負債を負っているし、それらを他国に輸出してきました」と志位は指摘する。「例えば、日本は、たくさんの米国債を買い込んできました。これを続けるために、日本の金利はずっと非常に低く、ほとんどゼロに抑えられています。それは資本主義システムでは信じられないことです。これは、アメリカを支えるためのもので、日本がどれほどアメリカに経済的に追従しているかを示しています」
 日本共産党のレトリックが反米主義的、反グローバル主義的な印象を与えるときがあるとしても、志位は、良好な国際関係の重要性を率直に指摘する。
 「われわれは、反グローバリゼーションは支持しません」と志位は指摘する。「私たちが要求しているのは、民主的で秩序あるグローバリゼーションです。これは、各国の経済主権は尊重されるべきだし平等でなければならない、相互の有益な関係は尊重されるべきだということです」

      ◇

 人々の関心が国際金融と投機に向けられる経済不安の時期に、日本共産党のメッセージは人気あるメッセージだ。しかし、その詳細はどうなっているのだろうか?
 「現在の金融危機に直面して、3つのことが重要です。第1は、この危機の否定的な影響を庶民に押しつけることを拒否すること。第2に、日本経済の性格を、外需頼みから内需に基礎をおいたものに変えること。第3に、われわれがいま目撃している金融危機は過度の規制緩和の結果であるということをはっきりさせることです」
 2009年、自民・公明連立の麻生政権は総選挙をおこなわなければならない。経済状況の不安定とともに、小沢一郎率いる野党・民主党が勝利しそうな勢いだ。しかし、志位からみれば、二大政党は、経済見通しの点でも、日本とアメリカの関係を継続するという彼らの立場でも、ほとんど同じである。事実、民主党に合流する前、小沢は自民党の幹事長だった。この事実は、二大政党に批判的になった有権者のあいだに、この認識を強めてきた。
 「人々は自民党と民主党に幻滅しています」と志位は言う。「世論調査は、非常に興味深い結果を示しています。小沢と麻生のどちらが首相にふさわしいかと質問されて、小沢がわずかに勝ちましたが、回答者の大多数は、どちらもふさわしくないと答えました[4]。人々は、同じパッケージの包み紙を変えるだけでは十分ではないということに気づき始めているのです。政治の中味を変えるべきなのです」
 景気は厳しいとはいえ、シベリア沖で操業する小林多喜二の蟹工船ほど酷くはない。それにもかかわらず、労働を搾り取ることで競争を続けようとする大企業によって支配された日本の輸出志向経済は、財界の献金に大きく依拠した政治システムによって支えられており、政治的な変化を求める不満を産み出し続けている。共産党がすぐに政権をかちとることはないだろうが、志位和夫のリーダーシップのもとで、彼らは2009年に強烈な前進をかちとるかも知れない。

細かいところはテキトーです。大きなところで、トンデモなところがあればお教えください。引用・転載はお断りします。引用される場合は、ご自分で原文から翻訳してください。

  1. 2008年5月2日付夕刊 []
  2. 2008年5月14日付夕刊 []
  3. テレビ朝日系「サンデー・プロジェクト」2008年5月18日放映 []
  4. 「毎日新聞」2008年12月8日付の世論調査。「首相にふさわしいのは?」の質問に、回答は「麻生首相」19%、「小沢代表」21%、「どちらもダメ」54%だった。 []

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