早野透氏 “解決策はマルクスにあり! ”

早野透「政治の時間」(「日刊スポーツ」2009年4月5日付)

日本共産党の都議候補・阿部まことさんが、ブログに、「『朝日新聞』のコラムニスト早野透さんが、『日刊スポーツ』に『解決策はマルクスにあり』と書いている」と対話がはずんだ、と書かれていました。

なぬ? と、「日刊スポーツ」のサイトを見ましたが、見つかりません。でも、4月5日付に載っているよ、と教えていただきました。

早野氏は、年間自殺者が3万人を超えるのは異常だと述べて、「自殺、不況、派遣切り、規制緩和政策は、同一線上に並んだ問題である」と指摘。そして、「この豊かな社会で、なぜ自殺が増え、派遣の若者が野宿し、年度末の3月も各地で派遣村ができるようなことになるのか」と問いかけています。

そして、『理論劇画 マルクス資本論』の出版に触れつつ、「現代の貧困も差別も派遣切りも、解決策はここにある」「もう一度マルクスに立ち返るべき時代なのかも知れない」と結んでいます。

【政治の時間】早野透

自殺、不況、派遣切り… 解決策はマルクスにあり

[日刊スポーツ 2009年4月5日付]

自殺者3万人超

 日本列島はサクラの季節だというのに、2008年の自殺者が3万2249人、11年連続で3万の大台を超えたという悲しいニュースが警察庁から2日発表された。ここにも大不況が影を落としている。
 自殺の問題は、1月、通常国会の参院代表質問で自民党の参院議員会長の尾辻秀久が取り上げたことを以前、このコラムで書いた。「3万人といえば東京マラソンの全出場者の数であります」と尾辻は慨嘆していたが、この間、東京マラソンのひしめくうンナーの群れをテレビ中継でみた。あの数が全部自殺者の群れだったらと想像せよ。背筋が寒くなる。
 私は朝日ニュースターのテレビ番組「政治学原論」に尾辻を改めて招き、あの代表質問が自民党政策への批判を含んだ異例のものだった点をただした。尾辻の答えは意外だった。
 「代表質問は、冒頭に必ず○○党を代表して質問しますと発言しますね」。
 確かに本会議壇上で議員が演説するときは必ず「××党を代表して」と述べ、単に議員個人でなく党としての意見表明であることを明確にするものである。
 「でも、私の代表質問は、自民党を代表して、とは言わなかったのです」。
 えっそうだったのか? 手元の議事録をみると、確かにそのくだりがない。私も彼の演説をライブで聞いていながらそのことに気づかなかった。
 「私は、私の考えを述べて、もし党からそれはいかんといわれれば責任を取る覚悟だったのです」。
 なるほど、それで尾辻は自殺問題に続いて、「これまで経営者の視点で規制(緩和)政策がとられて、その結果、派遣の大量打ち切りとなり、多くの人を失業に追い込んだ」とはっきりと言えたんだな。私は、改めて尾辻のもののふぶりに感じ入った。
 自殺、不況、派遣切り、規制緩和政策は、同一線上に並んだ問題である。折しも、3月末から「遭難フリーター」という映画が上映されている。この映画は、岩淵弘樹という23歳のフリーター青年が自分でビデオを回して自分の生活を撮ったという作品である。1人でどんぶり飯をぱくついている場面などは、岩淵の顔が大写しになって妙な迫力がある。
 岩淵は、仙台の実家を出て、埼玉のキヤノン工場で派遣社員として働いた。ひたすらプリンターのインクにふたを取り付け続けた。時給は1250円。アパート代など天引きされると1カ月12万円、そこから借金返済が6万円。居酒屋でおっちゃんに言われた。「フリーターというけど、自由なのは経営者なんだよ。あなたは奴隷なんだよ」。
 土日は、東京ドームでプラカード持ち。半日立ちっぱなし。ついに所持金300円。野宿することに。「おれは誰に負けた。おれは誰の奴隷だ?」。
 これ以上は、この「一番リアルな青春映画」を見てほしい。知る人ぞ知るマイナーな映画だったが劇場公開にこぎつけた。全国で順次、上映される。
 さて、この豊かな社会で、なぜ自殺が増え、派遣の若者が野宿し、年度末の3月も各地で派遣村ができるようなことになるのか
 4月中旬、マルクスの「資本論」の漫画版が、かもがわ出版から出る。「資本論」というと分厚くて難しくて最初の50ページくらいでくじけてしまうのが通例である。それが、漫画で読めるのだからありがたい。
 マルクスが「資本論」を書いたのも、例えば、貴婦人用のドレスをつくる製造所で、若い娘が16時間もの労働を強いられ、貧しい寄宿舎に寝泊まりして、過労で死んでいくことへの怒りからだった。マルクス自身、貧窮をきわめ、次々と子どもを病で亡くした。
 現代の貧困も差別も派遣切りも、解決策はここにある。ユニークな評論家、紙屋高雪の解説がいい。
 もう1度マルクスに立ち返るべき時代なのかもしれない。(敬称略)

阿部まこと都議候補のブログはこちら↓。貴重な情報、ありがとうございました。m(_’_)m

子育て安心 雇用・くらし守る都政に改革 ─ 日本共産党 阿部まことのブログ ? 失敗もあり、成果もあり…

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  1. 中村正男

    大阪・豊中の中村です。いつも拝見させていただき、活用させていただいています。今朝の「日刊スポーツ」にこんな記事がありました。

    「日刊スポーツ」6月29日付「政界地獄耳」から
    野中が党でふん張っていれば・・・
     ★27日付の日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」の1面インタビュー記事が政界で話題だ。自民党ベテラン秘書は「過去に正副議長が議会人として出たことはあるがOBとはいえ、選挙の近いこのタイミングも驚いた」。小渕恵三内閣で内閣官房長官を務め、自民党幹事長経験もある野中広務だ。03年に政界は引退したものの、いまだ全国土地改良事業団体連合会長などの職にあり、政界に一定の影響力があると言っていい。引退後は講演などを精力的にこなし、全国で既に300回を超えているという。
     ★「今静かに日本の政治を見ると、おかしくなっていく日本を感じる」で始まったインタビューは「憲法、戦争、平和」と題され、民主党代表代行・小沢一郎の「国連の下でなら自衛隊を海外に出してもいいなんておかしなことを言っている」と民主党の政策を疑問視するとともに「政界再編なんていっても、本当にまともにこの国の行方を決める政治家の集団はできないんじゃないかと思う」と政界再編にも批判的だ.
    ★記事の冒頭、議員引退の理由に触れた野中は「小泉内閣の5年は、短い言葉で国民を狂わせて、米国型の市場万能主義をそのまま持ち込み、(中略)日本社会の屋台骨を粉々にしてしまいました。私はこんな内閣と同じ時代に国会議員でいたら後世恥ずかしいと思い、議員を退いたのです」と話している。野中の政治家としての生きざまを評価する者は多い。だが、そこで引退せずに党でふん張り続け、間違いを正し、屋台骨を守る努力はできなかったものか。政権の中枢にいた人物だけに残念な気もする。また、今、野中の声を聞こうとするのが自民党ではなく、赤旗なのも興味深い。(F)

  2. 中村さん、拙ブログを活用していただき、ありがとうございます。

    「日刊スポーツ」のコラムを読んで、あらためて野中広務氏のインタビューが「しんぶん赤旗」に載ったことの大きさを実感しました。

    ということで、日刊「しんぶん赤旗」を読んでない方のために、野中さんのインタビューそのものもブログに載っけてしまいました。(^^;)

  3. 大脇道場 - trackback on 2009/07/04 at 18:07:08

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