幸せは「幸せはシャンソニア劇場から」から

幸せはシャンソニア劇場から

監督・脚本は「コーラス」のクリストフ・バラティエ、主演は「パティニョールおじさん」「コーラス」のジェラール・ジュニョとくれば、もう見るしかありません。

ということで、土曜日、恵比寿ガーデンシネマで「幸せはシャンソニア劇場から」を見てきました。

ヒロインをつとめる新人ノラ・アルネゼデールにはただただ見惚れるばかり。(^^;) 見終わってから、「ホントにいい映画をみたなぁ?」という気分になれる作品でした。

舞台は1936年のパリ郊外。不況で借金の形に取り上げられ閉館してしまったミュージカル・ホール・シャンソニア劇場。長年裏方を務めたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は、失業して泣く泣く息子ジョジョ(マクサンス・ペラン)と離れることに。しかし、ジャッキー(カド・メラッド)やミルー(クロヴィス・コルニアック)ら仲間と力を合わせて劇場を占拠! 再び息子と暮らしたい一心で、懸命に劇場の再建に身を投じる。そこに、舞台をめざす若い女性ドゥース(ノラ・アルネゼデール)が登場する…。

というので、ドゥース役のノラ・アルネゼデールが本当に美人で、彼女を見るためだけでもこの映画は見る価値あり。それに、彼女が作品中でうたう歌がこれまたすてきなものばかり。とくに「パリ、愛してる」が実にいいですね。シャンソンのスタンダード・ナンバーかと思いきや、これだけでなく、映画中の歌はみんなオリジナルの楽曲だそうで、もともとこうした歌から、この作品はスタートしたそうです。

その他にも、シャンソニア劇場を買い取ったギャラピア(ベルナール・ピエール・ドナデュー)も、悪徳不動産屋、地元ギャングのボスという設定なのですが、ドゥースに一目惚れしてしまい、本気でミルーと張り合うところなどは、むしろ微笑ましくもあります。ピゴワルの息子ジョジョが、「コーラス」で最後にマチュー先生(ジェラール・ジュニョ)についていくペッピーノ役をつとめたマクサンス・ペランが演じているのも見逃せません。

しかし、なによりもおもしろかったのは、大事な時代背景として、映画の中で人民戦線の勝利、ブルム内閣の成立や、ゼネストを背景に労働者が初めて有給休暇などを獲得したマティニヨン協定などが登場することです。劇場近くのカフェのマスターが、「ブルム風」とか「マティニヨン風」といった新メニューを考え出して窓に書いていくあたりがおもしろかったり、ピゴワルの夢が息子を連れて海に旅行に行くということになっているあたりにも、有給休暇制度を実現したマティニヨン協定が重なってみえてきたりします。その一方で、企業家たちが、労働者のストに手を焼いて、ファッショ団体を引っ張り込んで工場を占拠する労働者を排除したり、「ブルム内閣は2カ月で行き詰まる」と言わせてみたり、なかなかしっかりと時代背景が描かれています。

第2次世界大戦直前のファシズム台頭の時代を描いた作品はいろいろありますが、それでも、人民戦線やマティニヨン協定などをこんなふうに取り上げた作品は珍しいのではないでしょうか?

ということで、政権が変わる、国民に基礎を置いた政権が誕生するというのはどういうことか、そんな雰囲気も少し味わうことが出来る作品です。(^^;)

映画「幸せはシャンソニア劇場から」オフィシャルサイト

【映画情報】
監督・脚本:クリストフ・バラティエ/政策:ジャック・ペラン/音楽:ラインハルト・ワーグナー/作詞:フランク・トマ/出演:ジェラール・ジュニョ、ノラ・アルネゼデール、クロヴィス・コルニアック、カド・メラッド、ピエール・リシャール(“ラジオ男”)、ベルナール・ピエール・ドナドゥー、マクサンス・ペラン/製作:2008年 フランス、チェコ、ドイツ

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