共産党大会の報道を比べてみれば…

日本共産党の大会が13日から始まって、各紙とも、報道記事が載りました。

「志位・共産委員長『米との友好関係を望む』」(読売新聞)、「共産党、連立参加を視野? 党大会、柔軟路線を強化」(産経新聞)、「共産党、支持拡大へ柔軟路線 対保守層、米国で」(東京新聞)など、それぞれ穿った見方をしているなぁと思うところがありますが、それでも一応、共産党が新しい方針としてなにを打ち出しているのかをとりあげています。

そんななかで特異なのが「朝日新聞」。見出しに「『反日米同盟・反財界』 共産党大会で民主との違い強調」と大きく打ち出して、まるで共産党が「強硬路線」に戻ったかのような印象です。

「反日米同盟・反財界」 共産党大会で民主との違い強調 : 朝日新聞
志位・共産委員長「米との友好関係を望む」 : 読売新聞
共産党、連立参加を視野? 党大会、柔軟路線を強化 : MSN産経ニュース
共産党、支持拡大へ柔軟路線 対保守層、米国で : 東京新聞

そもそも、日本共産党のいう「ルールある経済社会をめざす」という方針は、「大企業は、応分の社会的責任を負担してください」というもので、けっして「反財界」といった大企業敵視ではありません。また、アメリカとの関係についていえば、読売新聞の報道の方が正確で、けっして「反日米同盟」一辺倒ではありません。

マスコミなら、最低限、その党がどんな方針を掲げているか、まず事実として報道することが必要ではないでしょうか。

「反日米同盟・反財界」 共産党大会で民主との違い強調

[asahi.com 2010年1月13日19時8分]

 共産党の第25回党大会が13日、静岡県熱海市の党施設「伊豆学習会館」で4年ぶりに始まった。志位和夫委員長は「政治とカネなど新政権の問題点が次々と露呈し、期待はずれという声が広がっている」とあいさつし、今夏の参院選に向けて民主党との対決姿勢を強めた。16日まで討議を続けて決議を採択する。
 決議案は、政権交代を「新しい歴史のページを開く歓迎すべき出来事」とする一方、「異常な対米従属」と「大企業・財界の横暴な支配」から抜け出すには至っていないと指摘。「過渡的な情勢」と位置づけ、国民は「自公政治に代わる新しい政治」を模索している段階と認定している。
 そのうえで、民主党政権は「沖縄の基地問題を解決しようとすれば日米軍事同盟の体制にぶつかる」「労働者派遣法の抜本改正をすすめようとすれば財界の抵抗にぶつかる」と分析。参院選に向けて「反日米同盟」「反財界」を前面に掲げて民主党との違いを鮮明にする内容だ。
 さらに、内閣法制局長官の国会答弁などを禁じる民主党の国会改革について「憲法解釈を政治主導の名で自由勝手に変え、自民党政権ですら違憲としてきた自衛隊の海外での公然たる武力行使を合憲化するきわめて危険なもの」と批判。民主党がマニフェストに掲げた衆院比例定数削減にも「それに反対する一点で、あらゆる政党、団体、個人との共同を追求し、国民的大闘争によって打ち砕く」とした。
 参院選については、比例区で650万票以上・5議席を確保することに加え、小池晃政策委員長を擁立する東京選挙区で議席を奪還し、計6議席以上を得ることを目標に掲げた。近年は比例区で400万票台が続いており、ハードルは高いが「建設的野党」の共産党に批判票がなだれ込むと期待する。ただ、反日米同盟・反財界の姿勢は現実感に乏しいとの批判を招きかねず、広く批判票をすくい取れるかが課題だ。(堀江政生)

志位・共産委員長「米との友好関係を望む」

[2010年1月13日20時46分 読売新聞]

 共産党の第25回党大会が13日、静岡県熱海市で始まった。
 志位委員長は中央委員会報告で米国との関係について、「私たちは米国との真の友好関係を望んでいる」と述べ、改善への期待感を表明した。同党委員長が対米関係の前進に前向きな姿勢を示したのは異例だ。核廃絶を提唱するオバマ米大統領の誕生を機に、従来の対米批判一辺倒を改め、同党が目指す「現実・柔軟路線」を具体化させる狙いがあると見られる。
 志位氏は報告で、大統領が昨年4月にプラハで行った核廃絶演説に関連し、「歓迎すべき前向きな変化だ」と評価した。
 その一方、「米国政府には、これまでの覇権主義的な対日支配を変更する姿勢は見られない。大統領が言う『対等なパートナー』とはほど遠い、従属的な実態がある」とも指摘。友好関係構築には日米地位協定の見直しや在日米軍基地の安全性確保などが必要だとも訴えた。
 一方、今夏の参院選について、志位氏は東京選挙区での議席獲得と、比例選での650万票以上の得票と5議席確保により、改選4議席を6議席とすることを目指すとした決議案を報告した。
 決議案では、参院選に向けた党勢拡大の目標として、〈1〉約2万2000あるすべての党支部で新規党員獲得〈2〉党機関紙「しんぶん赤旗」の読者数を、3年前の1.3倍にあたる195万人に増加〈3〉農協や医師会など、従来の自民党支持基盤の支持獲得を図る――なども打ち出した。
 大会は16日まで行われる。最終日には決議案を採択し、志位氏と市田忠義書記局長の留任など、中央委員会幹部会人事も決める。

共産党、連立参加を視野? 党大会、柔軟路線を強化

[MSN産経ニュース 2010.1.13 19:15]

 共産党の第25回党大会が13日、静岡県熱海市の同党施設で4年ぶりに4日間の日程で開幕した。志位和夫委員長は大会決議案に関する中央委員会報告で、これまで敵視していた米国や経済界との関係について柔軟路線を打ち出し、保守を含む国民各層と「統一戦線運動」を進めると宣言した。今夏の参院選対策を強く意識すると同時に、将来の連立政権参加の布石とする狙いがあるようだ。決議案は最終日の16日に採択される。(榊原智、原川貴郎)

志位委員長、熱弁3時間

 「参院選の勝利が最大の任務だ。戦い如何(いかん)では、政党間の力関係を大きく変える可能性をはらんでいる。いつまでも国政第4党に甘んじていてはいけない」
 熱海市内の山中にある党伊豆学習会館の付属講堂で、1060人の代議員らを前に志位氏は約3時間にわたり熱弁をふるい、参院選で比例代表5、東京選挙区1の計6議席以上の目標に向かって全力投球するよう指示した。
 「建設的野党」を標榜する共産党だが、演説と大会決議案は、将来の連立政権参画を意識したことがうかがえる。志位氏は「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する」ことを「大志とロマンある私たちの目標」と語った。

米・財界への姿勢変える?

 対米姿勢の柔軟化もその一環とみられる。もちろん、アフガニスタン戦争などを「覇権主義」と非難し、米軍普天間飛行場の無条件撤去や鳩山政権は「異常な対米従属」と断じる主張は変わらない。
 だが、決議案に「日米安全保障条約の解消」には「国民多数の合意が必要である」との条件を新たに明記した。日米安保下での連立政権に参加を模索していることの証左といえる。
 共産党は米大使館の書記官を来賓に招いていたが、書記官はこの日姿を見せなかった。
 決議案は経済界への姿勢も変え、「経団連や大企業と会談し雇用への社会的責任を果たすよう求めた」と強調。これを「政権を担う党への力量を高めていくプロセス」と位置づけた。
 自民党の下野については「農協、医師会、歯科医師会、自治体関係者など保守層に大変動」が起きたと分析。保守勢力や連合を含む国民各層と「共同」で「統一戦線運動」を進めるとしたことも特筆に値する。
 16日には志位氏、市田忠義書記局長らが留任する人事を決める見通しだ。

消えぬアレルギー

 ただ、柔軟路線が成功する保障はない。各党や保守層には共産党アレルギーが強く、参院選では民主、自民両党のほか、伏兵の「みんなの党」もある。政界再編を見据えても、他党に共産党との連携を視野に入れた動きは見あたらない。

共産党、支持拡大へ柔軟路線 対保守層、米国で

[東京新聞 2010年1月14日 18時35分]

 共産党は14日、静岡県熱海市で開催中の党大会の来賓に全国農業協同組合中央会(JA全中)の冨士重夫専務理事を招き、保守層への支持拡大をアピールした。大会初日には志位和夫委員長が従来の対米批判一辺倒だった姿勢も微修正し、参院選をにらみ柔軟路線を打ち出している。
 「目指す方向は同じだ。共産党のますますの活躍を期待する」。冨士氏は日米自由貿易協定(FTA)に反対する党の方針を評価し、エールを送った。自民党の有力支持団体だったJA全中幹部の共産党大会出席は初めて。昨年10月にはJA全国大会に志位氏が初めて招待されている。
 大会2日目の14日は、全国森林組合連合会から初の祝電が届き、保守層との交流活発化をうかがわせた。政権交代により「自民党支持に縛られていた各団体が全方位で諸政党と対話を始めた」(志位氏)との認識から、新たな支持層の開拓に期待を懸ける。
 対米関係でも日米地位協定の不平等性や米軍基地の実態を批判する一方で、オバマ政権の核廃絶方針を評価。志位氏は「私たちは米国との真の友好関係を望んでいる」と述べ、米国に新たな関係構築へのシグナルを送った。(共同)

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