平野官房長官発言の真意はどこに?

普天間基地の移設問題で、平野官房長官の発言をめぐって、いろいろ取りざたされています。

その多くは、名護市辺野古沖への移設(現行案)を前提にして、地元合意なしにも強行するつもりか、という批判。しかし、平野長官は、辺野古沖移設案だとは一言もいっていません。

「法的決着も」、重ねて言及=普天間移設で平野官房長官 : 時事通信
普天間「法律的にやれる場合も」 地元合意巡り官房長官 : 朝日新聞
移設の調整 多様なケース : NHKニュース

「法律的にやれる場合」という発言は、辺野古沖移設を強行するために特別立法するという考えを示唆したものだというのも、まったくあり得ないことではないものの、そういう意味だと断定することはできないでしょう。

一番考えられるのは、現在の仕組みからいっても、地元合意なしに政府の判断だけで移設できるところに新基地をつくる、という可能性です。たとえば、すでに米軍基地となっているところに海兵隊用の新基地をつくる、という移設案のであれば、法律的には政府の判断だけで可能ではないでしょうか。具体的には、たとえばキャンプ・シュワブ内への新基地建設です。

現行移設案も、元々は、辺野古沖合海上への新基地建設だったものを、キャンプ・シュワブと沿岸埋め立てで新基地をつくる、というふうに方針変更したものですが、それでも、現行案では新規埋め立て地域などがあって、その手続きで地元の合意がどうしても必要になります。

だから、地元合意も必要ないというのであれば、現行案よりももっと全面的にキャンプ・シュワブ内での基地建設を考えるということになるのではないでしょうか。

もちろん、もともと沖合案になった背景には、陸上に基地をつくったのでは周辺の騒音被害が大きいから、それを避ける、というために、沖合に基地をつくるということになった経緯があります。したがって、キャンプ・シュワブ内になれば、政府の判断だけで新基地はつくれるでしょうが、地元にとっては深刻な騒音被害が生じることになります。

「法的決着も」、重ねて言及=普天間移設で平野官房長官

[時事通信 2010/01/27-13:08]

 平野博文官房長官は27日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関し、「手続きも含めて法律でやらなければならない部分もある」と述べ、移設先の地元自治体の合意が得られない場合は、法的決着を図ることもあり得るとの考えを改めて示した。土地の強制収用などの手段を取る可能性についても、「一般論としてはそういうこともある」と否定しなかった。
 平野長官は、移設先選定に当たっての地元との合意について「いろんなケースがある。すべて合意を取らないと進められない問題ではない」と指摘。同時に「地元の協力を得てやらなければならないと一貫して言ってきた」とも語り、強硬手段はできるだけ回避したいとの考えも示した。
 一方、鳩山由紀夫首相は同日朝、新たな移設先について、首相公邸前で記者団に「いろんなものが検討される可能性がある。どこが入って、どこが入っていないという議論ではない」と強調。「ゼロベースでやると決めた以上、どこが一番適切なのか、国民、沖縄の皆さんにも理解されて、米国にも分かってもらえるものを5月までに出すと決めて今、行動している」と語った。

普天間「法律的にやれる場合も」 地元合意巡り官房長官

[asahi.com 2010年1月26日20時29分]

 平野博文官房長官は26日午後の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、移設先の自治体の合意が必要かどうかについて「(合意がなくても)法律的にやれる場合もあるだろうし、色々なケースがあると思う」と述べた。
 地元自治体の合意が得られなくても国の権限で新たな米軍施設の建設を進められる、との認識を示したとも受け取れる発言で、関係の自治体から反発を招きそうだ。
 同県名護市辺野古に移設する現行案では、海の埋め立てに県知事の許可が必要となる。自民党政権時代には、国が埋め立てを強制執行するための特別措置法をつくる構想が浮上した経緯がある。
 一方、鳩山由紀夫首相は同日夜、首相官邸で記者団に対し、「私が責任を持って米国とすり合わせるなかで、日本、特に沖縄県民の意思を尊重して、理解を求めて決めていく」と述べた。

“移設の調整 多様なケース”

[NHKニュース 1月26日 20時6分]

 平野官房長官は記者会見で、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で移設先を決めるにあたっての受け入れ先との調整について、「法律的に合意がいるケースと、いらないケースと、いろいろなケースがある」と述べるとともに、安全保障面で支障を来さない移設先を選定する必要があるという認識を示しました。
 この中で、平野官房長官は、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で、移設先を決めるにあたっての受け入れ先との調整について、「できる限り、地元の方々の理解を得ながら決めていくが、住民の50%の理解か、70%の理解か、そこは非常に難しい」と述べました。そして、平野官房長官は、受け入れ先の合意について、「合意がなかったら、物事が進まないというのか。法律的に合意がいるケースといらないケースと、いろいろなケースがある。合意がなくても、法律的に移設が可能な場合もあるだろうし、そこは十分検討したい」と述べました。そして、平野官房長官は、「まったく使い物にならない場所を言ってもしょうがなく、包括的に考えないといけない。土俵がないのに、住民の意向をどうこう言えるのか」と述べ、アメリカ側も受け入れ可能な、安全保障面で支障をきたさない移設先を選定する必要があるという認識を示しました。

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