昨日のお買い物 弓削達『ローマ帝国論』

弓削達『ローマ帝国論』(吉川弘文館)

弓削達『ローマ帝国論』(吉川弘文館)

2006年に亡くなられた元フェリス女学院学長・弓削達先生の旧著が復刊されました。大嘗祭に反対して1990年に右翼の銃撃を受け、いらい平和や憲法の問題で、静かに、しかし確固とした立場を貫いてこられたことで有名でしたが、もともとのご専門は、古代ローマ史です。

代表著作は『ローマ帝国の国家と社会』(岩波書店、1964年)なのですが、これは博士論文を刊行したきわめて専門的な大著で、とても素人には手が出ません。そのほかというと、手軽に読めるのは『ローマはなぜ滅んだか』(講談社現代新書、1988年)ぐらいしかなかったので、今回、『ローマ帝国論』が復刊されたことは、まったくうれしい限りです。

本書は、1966年に、「ユーラシア文化史選書」の1冊として刊行されたもので、一般読者向けに分かりやすく書かれています。同時に、序説では、マルクス『資本主義的生産に先行する諸形態』とマックス・ウェーバーの方法論を重ねて、ローマ史をどうみるか、理論的な枠組みが論じられていて、なかなか興味深いものがあります。

昨日買ってきて、まだ4分の1程度しか読んでいませんが、今回の復刊にあたって、宮城学院学院長・松本宣郎氏による解説が新しく付されていますが、これがまた、弓削先生の研究史やマルクスとウェーバーの方法論の問題などを分かりやすく紹介していて、本書を読むために非常に参考になります。

【書誌情報】
著者:弓削 達(ゆげ・とおる)/書名:ローマ帝国論/出版社:吉川弘文館(歴史文化セレクション)/発行:2010年2月/定価:本体3,000円+税/ISBN978-4-642-06359-3

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