破綻した財界戦略 経団連が企業献金の斡旋中止へ

日本経団連が、企業献金の斡旋をやめる方針を固めたもようです。

経団連は、自分たち財界の要求項目にしたがって、自民党、民主党の政策を5段階で評価・採点して、その結果にもとづいて政党への献金を斡旋していました。そうすることによって、自民党、民主党を競わせて、自分たちの思い通りの政策をやらせようとしていた訳です。また、民主党にも財界の“ヒモ”をつけて、自民党・民主党の「2大政党制」を実現し、どっちが政権についても自分たちの利益が守られるようにしようという財界戦略の手段という役割も持っていました。

しかし、経団連の評価は民主党にたいして一貫して低かったため、財界の期待に反して、民主党政権が誕生してみると、この採点方式はかえって財界と民主党との関係を悪くすることになってしまいました。そこで、政策評価にもとづく献金斡旋そのものをやめてしまおう、という訳です。

企業献金によって政界支配をねらった財界戦略の破綻といえます。

経団連、献金関与を中止 政府の全面禁止方針受け : NIKKEI NET

もちろん、経団連がやめるというのは、企業献金の斡旋だけ。企業献金そのものを中止しようというものではありません。しかし、もともと経団連が献金斡旋を開始するまでは、企業献金はかなり減ってきていました。

それは、ある意味当然で、企業側が献金の“見返り“を求めれば、献金はワイロ、つまり贈収賄という犯罪になってしまいます。しかし、苦しい経営状況のもとで、“見返り”が期待できないようなおカネは出したくないし、下手をすれば経営陣は会社の利益を意図的に無駄遣いしたということで、株主から責任を問われたり、背任罪に問われたりしかねません。つまり、もともと企業献金は、どっちに転んでも、うまくいかない代物なのです。

しかも、政権交代が実現してみると、これまで自民党の支持基盤となってきた、たとえば医師会や農協など、さまざまな団体のなかでも、自民党支持だけでは政権に効果的に働きかけることができないという理由から、自民党支持を見直す動きが広がっています。しかも、その場合、自民党がダメだから民主党支持だ、ということになるかといえば、それでは、もし自民党が政権復帰をしたときにまた困るだけだから、結局、自民党であれ民主党であれ、特定政党とのつながりで、なんとか政権に働きかようという旧来の活動スタイルそのものが破綻してきています。

実際、全国農協中央会は、今年1月の共産党の党大会に会長挨拶をもって代表が参加したし、先日は、千葉県医師政治連盟(県医師会の政治組織)と日本共産党千葉県委員会の共催でレセプションが開かれ、志位委員長も参加して、エールを交換したそうです。

実は、財界にとっても、事情は同じ。自民党ばかりに肩入れしていたのでは、自分たちが冷や飯を食わされてしまう、というのがホンネではないでしょうか。

この際、企業人のみなさんも、農協や医師会を見ならって、「全方位」に方針転換した方がいいですよ。そのためにはまず企業献金は禁止して、悪しき癒着を廃しましょう。

経団連、献金関与を中止 政府の全面禁止方針受け

[NIKKEI NET 2010/02/25 11:20]

 日本経団連は今年から、企業・団体献金への関与を中止する方針を固めた。例年は民主、自民両党の政策を5段階で評価し、加盟企業が献金する際の目安を示してきた。民主党が企業・団体献金を全面禁止する検討に着手したため、政策評価を通じて献金を促す仕組みを廃止する。経済界と政界の関係が変わるとともに、日本でも個人献金の重みが増す契機になりそうだ。
 鳩山政権は政治資金規正法の改正を検討している。「経済界と政界の癒着を招く」との批判が強い企業・団体献金を禁じ、個人献金の普及策を探る考えだ。
 御手洗冨士夫会長も17日の記者会見で「個人献金が望ましいと前から思っていた。法整備が必要なので検討したい」との意向を表明していた。「政治とカネ」の問題が問われている点も踏まえ、企業・団体献金への関与を中止して政治的な中立性に配慮すべきだと判断した。早ければ3月8日の正副会長会議で正式に決める見通しだ。

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  1. 山形幸彦

    単純な漢字変換ミスでしょうが、いくらなんでも「恣意」委員長では気の毒です。

  2. 山形さん

    ご指摘ありがとうございました。さっそく修正します。(^_^;)

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