大学は出たけれど…

「大学は出たけれど」というのは、1929年に公開された小津安二郎監督の映画。戦前の、世界的な大恐慌で、文字どおり、大学は卒業したが就職できないという世相を描いたものです。

しかし、それが過去の話でなくなってしまいました。文部科学省の調査で、今年3月に卒業した大学生の就職内定率は91.8%で、就職を希望した学生37万5,000人にたいし、内定をもらった学生は34万4,000人。ということで、大学は卒業したけれど就職できないという学生が3万人もいる計算になります。

企業側のみなさん、ぜひとも「既卒」を理由にして門前払いなどしないように、最低限、それだけは守ってください。

大学生内定率91.8%、過去2番目の低さ 今春卒業者:朝日新聞
大卒者、2度目「就活」に焦り 「元気な後輩に気後れ」:読売新聞

大学生内定率91.8%、過去2番目の低さ 今春卒業者

[asahi.com 2010年5月21日]

 今春卒業した大学生の就職内定率は前年より3.9ポイント低い91.8%で、比較できる1997年以降で過去2番目に低かった。厚生労働省と文部科学省が21日発表した。不況で大手企業が採用を絞り込んだことに加え、学生の大企業志向が強く、希望する職種と企業の求人が食い違うミスマッチも影響したとみられる。
 厚労省が同日発表した高校生の内定率は93.9%で、前年を1.7ポイント下回った。いずれも4月1日現在。
 今春卒業を予定していた大学生は推計56万人。このうち、就職を希望した人は37万5千人で、うち内定者は34万4千人。21万6千人が進学など就職以外の道を進んだか、留年したり未就職のまま卒業したりしたとみられる。
 男子の内定率は92.0%、女子は91.5%でともに前年を3.9ポイント下回った。落ち幅は過去最大。
 内定率は、就職希望者のうち就職した人の割合で、就職をあきらめる人が増えると内定率は上がる。4月1日現在の就職希望率は前年より3.6ポイント低い66.8%。2月時点の就職希望率は72.1%あり、最終的に就職をあきらめた学生が多かったことがうかがわれる。
 91.8%という内定率は「就職氷河期」といわれた2000年の91.1%と同水準。
 高校生の内定者は14万4千人。求人数は19万8千人(前年比38.6%減)で、求職者は15万3千人(同14.1%減)だった。
 高校生について文科省が同日発表した内定率は、前年を1.6ポイント下回る91.6%だった。就職を希望しながら未就職となった卒業生は、前年より約千人多い1万5325人(男子6164人、女子9161人)にのぼった。
  内定率を都道府県別に見ると、高いのは富山と福井(98.1%)、新潟(97.9%)、石川(97.7%)、秋田(97.4%)。一方、低いのは沖縄(75.9%)、北海道(79.3%)、大阪と高知(86.2%)、神奈川(87.1%)だった。
 厚労省の調査は、学校やハローワーク経由で就職を希望した生徒が対象だが、文科省は公務員志望や自営業などを含む就職希望者全員が対象で、母数が多い。(高橋末菜、見市紀世子)

大卒者、2度目「就活」に焦り 「元気な後輩に気後れ」

[2010年5月21日 読売新聞]

「今年ダメならフリーター」 「氷河期」並み就職率91.8%

 「氷河期」並みの91・8%となった今春卒の大学生の就職率。
 内定を得られなかった若者たちの多くが今、2度目の「就活」に挑んでいる。来春の新卒者を対象に大手企業の出す内定がピークを迎える中、「浪人生」たちは不安と焦りを募らせている。
 「今年もだめだったら、フリーターでもやるしかない」。12日午後、東京労働局が運営する東京都港区の「学生職業総合支援センター」(通称・六本木ジョブパーク)で相談待ちをしていた埼玉県内の男性(23)は不安を口にした。
 都内の私立大学を今春卒業した。4年生だった昨年度は、電機メーカーを中心に約30社を選び、卒業直前の3月中旬まで面接を受けたが、内定はゼロ。既卒者を募集しない企業もあるため、留年も考えたが、学費が約90万円かかるため、両親から「経済的余裕がない」と反対された。
 「既卒であることが面接で不利になるのでは」。そう思うと、2度目の就職活動は不安だらけだ。この4月の面接では、真新しいスーツで元気に自己PRする新卒の後輩に「情けないけど、完全に気後れした」と唇をかんだ。
 同センターは、大学や専門学校などの新卒・既卒者の支援のため、1999年に設置された。就職相談や求人紹介に応じるほか、求人の検索端末を利用することもできる。
 4月末現在、同センターには新卒1万6118人(昨年同期比5849人増)、既卒9079人(同2732人増)が登録。昨年より大幅に増えたのは、厳しい雇用情勢の影響とみられる。既卒者の場合、過去に何度も落とされて自信を失っているケースも多いという。担当者は「過去の就職活動を再検証し、失敗の原因を探ることが大切」とアドバイスする。
 あえて留年して就職活動を続ける学生もいる。
 都内の大学を今春卒業予定だった男子学生(22)は、昨年末時点で内定が出なかったため、1月の後期試験で必修科目の試験を欠席し、「就職留年」した。
 ラグビー部に所属し、就職活動では体育会系の学生を積極採用する企業を中心に受けた。先輩からは「体育会系は重宝されるから、会社を選ばなければ大丈夫」と言われていたが、考えが甘かったらしい。
 今春は5月までに大手、中小を問わず約20社に応募したが、内定はまだない。今年は危機感の強い学生が多いためか、「昨年は参加者が少なかった中小の会社説明会も、募集案内が出た当日には予約が埋まり、エントリーできないこともあった」と驚く。既に内定をもらった後輩もいると話し、「もし今年も決まらなかったらと思うと、夜も眠れない」と焦りの色を隠さなかった。

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