民主党の公約、消費税含む税制改革・法人税下げ

「強い経済、強い財政、強い社会保障」をかかげる菅民主党の政権公約。2020年までの財政再建をかかげる一方で、法人税の引き下げを明記。となると、「強い財政」は消費税増税によるほかないことになる。

しかし、「基礎的財政収支」を黒字にするためには、今年度予算で約22兆円の財源が必要。「事業仕分け」をいろいろやったとしても、それで生まれる財源は限られている。これを全部消費税でまかなうとすれば、10%近い税率引き上げが必要になる。さらに、これに法人税引き下げ分が加わるのだから、消費税率15%!!は必至。

法人税の実効税率を引き下げよ、というのは、日本経団連など財界の強い要求。「強い財政」といいながら、財界言いなり。国民に負担を押しつける「強さ」だけでは困ったもんだ。

消費税含む税制改革・法人税下げ…民主公約:読売新聞
民主参院選公約、法人税下げ明記:日本経済新聞

消費税含む税制改革・法人税下げ…民主公約

[2010年6月12日03時02分 読売新聞]

 民主党は11日、菅首相を議長とする「政権公約会議」を党本部で開き、夏の参院選公約をまとめた。
 菅首相が掲げる「強い経済、強い財政、強い社会保障」を目指す方針を示すと同時に、「消費税を含む税制の抜本改革を行う」と明記し、経済成長、財政再建、社会保障制度の維持・安定を一体的に実現する姿勢を打ち出した。法人税率の引き下げも盛り込んだ。
 公約は、〈1〉ムダ遣い排除、行政刷新〈2〉政治改革〈3〉外交、安全保障〈4〉子育て、教育〈5〉年金、医療、介護、障害者福祉〈6〉雇用〈7〉農林水産〈8〉郵政改革〈9〉地域主権〈10〉交通政策、公共事業――の10項目で構成している。首相が11日の所信表明演説で打ち出した「財政健全化検討会議」を念頭に、財政再建に向けた超党派の協議機関設置や郵政改革法案の早期成立方針も盛り込まれた。
 消費税率の引き上げ時期については、当初検討された「次期衆院選後」という表現を見送り、早期の引き上げに含みを持たせた。財政健全化目標は「基礎的財政収支の赤字幅を2015年度までに10年度の半分以下とし、同収支を20年度までに黒字化する」とし、新規国債発行額は11年度以降、10年度の44.3兆円を超えない方針を明記した。
 衆院選の政権公約(マニフェスト)で掲げた「子ども手当の11年度からの満額支給(1人当たり月額2万6000円)」は、「財政の状況を勘案し、既に支給している月1万3000円から上積みする」という内容に改め、満額支給を事実上断念することを明らかにした。
 成長戦略では、「2020年度までの平均名目成長率3%、実質成長率2%」という経済成長目標を掲げ、「法人税率引き下げ」「総合特区・都市政策」など13施策の実施で達成を目指す方針を示した。衆院選のマニフェストにはなかった税制抜本改革、財政健全化目標を新たに加え、「菅カラー」を打ち出した形だ。
 会議には、首相と仙谷官房長官、枝野幹事長、玄葉政調会長、輿石東参院議員会長らが出席した。首相は冒頭、「参院選を前に元気の出る、勢いの出る公約をまとめてほしい。今日はそういうものを誕生させてほしい」と語った。

 ◆民主党の参院選公約骨子◆

 ▽消費税を含む税制の抜本改革
 ▽財政再建に向けた超党派の協議機関設置
 ▽基礎的財政収支の赤字幅を2015年度までに10年度の半分以下、20年度までに同収支を黒字化する財政健全化目標を設定
 ▽新規国債発行額を10年度の44.3兆円以下に抑制
 ▽20年度までに名目成長率3%、実質成長率2%の経済成長目標を設定
 ▽子ども手当は既に支給している1万3000円から上積み
 ▽法人税率引き下げ

民主参院選公約、法人税下げ明記 郵政法案は「早期成立」

[日本経済新聞 2010/6/11 22:49]

 民主党は11日、党本部で政権公約会議を開き、参院選公約をまとめた。経済成長戦略では国際的に高い水準の法人税の引き下げを明記し、企業の競争力強化を図る。超党派の国会議員による「財政健全化検討会議」の設置も提案。消費税議論に消極的だった衆院選マニフェスト(政権公約)の方針を転換する。菅直人首相が掲げる「強い経済、強い財政、強い社会保障」を実現する狙いだ。
 国会情勢をにらみながら、来週中に正式に発表する。菅内閣になって初の同会議には、首相のほか仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長らが出席。首相は「元気の出る勢いのある公約をまとめてもらいたい」と強調した。
 公約は「無駄遣い・行政刷新」「政治改革」「外交・安保」「子育て・教育」「年金・医療」「雇用」「農林水産」「郵政改革」「地域主権」「交通政策・公共事業」の10本の柱で構成。連立を組む国民新党に配慮し、郵政改革法案の早期成立も柱立てに加えた。
 法人税の引き下げは成長戦略の柱となる。日本の法人税率は現行約40%(実効税率)で、韓国やEU(欧州連合)各国と比べると10〜15%ほど高い。経済界からは日本企業の国際競争力回復や外資企業の日本への投資増に向け、早期の法人税下げを望む声が上がっていた。
 自民党はすでに参院選公約に法人税率の20%台への引き下げを明記する方針を固めている。民主党は引き下げ幅や実施時期までは書き込まない方針だ。
 経済財政運営では2020年までの年平均の経済成長率の目標を名目3%、実質2%に設定。財政規律を守るため、11年度の新規国債発行額を「10年度の44.3兆円以下にする」目標を提示する。15年までに基礎的財政収支の赤字幅を10年度と比べて半減し、20年までに黒字化を目指す財政再建目標も掲げる。
 子ども手当では厳しい財政状況に配慮し、衆院選マニフェストを修正。「月額2万6000円支給」を見送り、代わりにすでに支給している1万3000円からの「上乗せを目指す」とした。衆院選マニフェストで掲げた13年度までの主要政策の実施時期や所要額を示す「工程表」と、実現の裏付けとなる財源確保の計画表の記載はともに見送った。

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