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「尖閣諸島の日本領有は正当」 日本共産党があらためて見解を発表

2010年10月4日 at 18:52:21

日本共産党が尖閣諸島の日本領有は歴史的にも国際法上も正当であるとする見解を発表し、政府にたいして「日本政府自身が、尖閣諸島の領有について正当性があるということをしっかり発信していく必要がある」と申し入れました。

尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当 2010年10月4日 日本共産党

日本経済新聞は夕刊で、「共産党『尖閣領有は正当』 志位委員長が強調/歴史的にも国際法上も」と見出しをたてて5段のカコミ記事で大きく報道しています。見出しだけ読むと、まるで今回初めて日本共産党が尖閣領有は正当だという見解をまとめたように見えますが、しかし、日本共産党は、今回の見解でも指摘しているように、1972年に「尖閣列島問題にかんする日本共産党の見解」を発表して、尖閣諸島の日本領有はあきらかであるという立場を表明しています。

尖閣領有は正当 共産党が見解まとめる:日本経済新聞
共産、「尖閣領有の大義」主張を 弱腰政府にねじをまく:MSN産経ニュース
尖閣「日本の領有は正当」共産党が見解:読売新聞

それにしても不思議なのは「朝日新聞」の態度です。

「産経新聞」や「日経新聞」でさえ、これだけの大きさで報じているにもかかわらず、「朝日新聞」の夕刊をみると、日本共産党が尖閣諸島問題で見解を発表したという記事は1行も載っていません。

それだけではありません。9月30日に開かれた衆議院予算委員会での閉会中審議についても、「朝日新聞」は10月1日付朝刊4面で報道していますが、自民党・小野寺五郎氏、民主党・長島昭久氏、国民新党・新党日本の田中康夫氏の質問には触れるものの、共産党の笠井亮議員の質問についてはまったく無視しています。同じ4面トップの「『尖閣』野党バラバラ」の解説記事でも、自民党、公明党の事情を書くだけで、共産党の立場や見解には一言も触れていません。ただ、各党の立ち位置をイラスト化したもののなかで、志位委員長の似顔絵に「領海内で取り締まるのは当然。なぜ釈放したのか」と吹き出しをつけているだけです。

つまり、「朝日新聞」だけを読んでいる人には、日本共産党が尖閣諸島問題でどんな立場をとっているのか、まったく分からないようになっているのです。それに比べたら、ジャーナリズムとしては「産経新聞」や「日本経済新聞」のほうがよっぽどまともです。

ところで、今回の日本共産党の見解で大事なことは、最後の「3、領有に関わる紛争の解決のために」で述べていることではないでしょうか。とくに、「歴代の日本政府の態度には、1972年の日中国交正常化以来、本腰を入れて日本の領有の正当性を主張してこなかったという弱点がある」と指摘している部分です。ここのところを改めないと、国際社会では、日本側の「沈黙」ばかりが目立つ結果となります。領土問題をエスカレートさせるのがよくないことは言うまでもありませんが、日本領有の正当性を明確に発信することと、問題をエスカレートさせることとは別問題。そこをうまく対処できないとすれば、日本の外交力が問われることになります。

ちなみに、産経新聞は、昨日、「【尖閣敗北】「尖閣も核心的利益」と香港紙 中国、「棚上げ路線」修正か」という観測記事を掲載しました。しかし、日本共産党の見解が明らかにしているように、中国は、すでに1992年の「領海法」制定のときにこの「棚上げ」論を見直していたとみるべきであって、最近になって見直しをおこなったかのように見るのは誤りでしょう。

尖閣領有は正当 共産党が見解まとめる

[日本経済新聞 2010/10/4 11:52]

 共産党は4日午前、尖閣諸島の日本の領有は歴史的にも国際法上も正当との見解をまとめた。日本政府が1895年に閣議決定した同諸島の日本領への編入は国際法で正当に認められる行為と認定。1895年から1970年までの75年間、中国側は日本の領有に異議も抗議もしなかったとして中国側の領有の主張には問題があるとの立場を明確にした。
 志位和夫委員長は同日の記者会見で「共産党は過去の日本の侵略行為に最も厳しい反対を貫いた政党だ。その政党が検証してもこの尖閣諸島は全く正当な領有だということは間違いない事実だ」と強調。こうした歴史的な事実に基づいて政府が国際社会に広く発信していく必要があるとの考えを示した。
 同党は1972年にも日本の尖閣諸島の領有は正当であるとする見解を発表。今回は日清戦争前後の尖閣諸島の位置付けなども検証したうえで「より突っ込んだ見解」(志位氏)と位置付けた。志位氏はこの見解を仙谷由人官房長官に伝達。在京各国大使館にも英文で配布する方針だ。

共産、「尖閣領有の大義」主張を 弱腰政府にねじをまく

[MSN産経ニュース 2010.10.4 17:40]

 共産党が尖閣諸島の問題をめぐって、「日本の領有には大義がある」(志位和夫委員長)と唱え、首相官邸に乗り込み、対応が後手に回っている仙谷由人官房長官のねじをまくなど、積極的に動いている。
 志位氏は4日、首相官邸で仙谷氏と会談し、「日本の領有は歴史的にも国際法上も正当だ。政府は堂々とその大義を主張すべきだ」とした提言書を手渡し、「政府は国際社会や中国に堂々と(日本の正当性を)主張すべきだ」と要求した。仙谷氏は「基本的に共産党と立場は一致している。菅直人首相に伝えたい」と語った。
 共産党は昭和47年、尖閣について「日本の領土であることは明らか」との党見解を発表している。今回の提言書は改めて党見解を示したもので、中国漁船衝突事件をめぐる対応を「民主党政権は『国内法で対処する』というだけで、肝心の外交的主張を怠ってきた」と批判した。
 志位氏は会談後、国会内で記者会見し、提言書を英訳して中国を含む各国の在京大使館に配布することを明らかにした。

尖閣「日本の領有は正当」共産党が見解

[2010年10月4日18時02分 読売新聞]

 共産党の志位委員長は4日、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を受け、同諸島に関する党見解を発表した。
 「1895年の日本の領有宣言以来、中国側が75年間に一度も抗議を行っていないことは、日本の領有が国際法上、正当なものである決定的な論拠の一つ」などと指摘。
 日本政府に「領有の正当性を、国際社会と中国政府に堂々と主張する外交努力」を強めるよう求めている。
 共産党は1972年にも同様の見解を示している。今回の見解は、中国を含む各国の在京大使館に伝える方針だ。

そもそも、歴代自民党政権は、日本の侵略戦争の責任をあいまいにしてきました。だから、日本が侵略戦争によって不当に獲得した領土と、日本が近代国家になってから正当に確定した領土とを区別する基準ももっていないのです。

その結果、日本が正当に編入した尖閣諸島について、それを明確に主張せず、ずるずるとやってきましたが、他方で、ソ連が不当に占領した千島列島については、国後・択捉島についてのみ領有権を主張して、それ以外の千島列島にたいする請求権は放棄してしまっています(歯舞・色丹はもともと北海道の一部)。千島列島は、1875年に日露間で締結された千島・樺太交換条約によって日本領として確定したもので、第2次世界大戦で日本が侵略・占領した地域ではありません。

侵略戦争の責任を明確にしてこそ、領土問題についても正しい立場が取れるということです。

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2 Responses to “「尖閣諸島の日本領有は正当」 日本共産党があらためて見解を発表”

  1. 和歌山県かつらぎ町で議員をしている東芝弘明と言います。はじめまして。
    この記事へのリンクを貼らせていただきました。
    マスコミの報道の仕方には、かなりおかしなところがありますね。

  2. 東芝様 はじめまして。

    リンクのご連絡ありがとうございました。ブログというのはお互いにどんどんリンクを張り合っていくところに特徴があると思っていますので、私のブログは「リンク・フリー」(自由にリンクが張れること)にしています。役に立つ記事がありましたら、どんどんご利用ください。

    「朝日新聞」は、東芝さんが指摘されているとおり、結局、翌日(10/5)の朝刊で、1段見出しで報道しました。同じく10/4付夕刊では報道していなかった「東京新聞」も10/5付朝刊で報道しました。これで一応、主要紙はすべて取り上げたことになります。しかし、扱いはまちまち。財界寄り、保守的で一番共産党に遠いと思われる産経新聞や日本経済新聞、読売新聞の方が、共産党の見解を大きく報道しているのは奇妙な現象です。

    マスメディア自身、民主党政権や歴代自民党政権と同様に「領土問題は存在しない」「尖閣諸島が日本の領土であることは分かり切っている」という態度で済ませているところもあって、尖閣諸島の領有権がいかなる意味で正当なものか、という問題はなかなか真正面から取り上げられません。それだけに、共産党の見解は、国際的にもアピールする必要のある問題ですが、国内でも大いに宣伝していくことが求められていると思います。

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