日本の刑罰システムは本当に機能しているのだろうか?

「犯罪白書」が発表され、各メディアとも、再犯率の高さに注目した記事を流している。

世論はこれをどう受け止めるだろうか? 厳罰化がいっそう必要だと思って受け取られるかも知れない。しかし、再犯率の高さということは、日本の刑罰機構が犯罪の抑止に効果を上げていない、ということでもある。ただ閉じ込めるだけでは、問題は解決されないのだ。罪を犯したものがふたたび罪を犯すことのないようなシステムとプログラムをつくるためにはどうしたらよいのか、考えなくてはならないだろう。

重大犯罪服役者 仮釈放者を大幅に上回る満期出所者の再犯率:BNNプラス北海道365

ところで、満期出所者の再犯率が仮釈放者の再犯率を大幅に上回っているという事実は、改悛した者が仮釈放されるということの反映でもあるが、同時に仮釈放という制度の合理性、妥当性を表わしているとも言える。

重大犯罪服役者 仮釈放者を大幅に上回る満期出所者の再犯率 出所後、10年間で3割超が再犯

[BNNプラス北海道365 10年11月13日 00時15分]

重大犯罪で服役した出所者の再犯率
再犯率 満期釈放で出所した服役者の再犯率 仮釈放で出所した服役者の再犯率 被害者が親族である事件の比率 有職者率 暴力団構成員の比率 道路交通法違反を除く犯罪による有前科率
殺人 17.2% 42.6% 7.1% 48.2% 33.9% 19.7% 36.3%
傷害致死 32.9% 60.0% 19.6% 49.1% 45.7% データなし(傷害14.0%) 40.0%
強盗 39.1% 55.6% 34.4% 0.3% 35.4% 18.9% 48.1%
強姦 38.5% 55.9% 31.8% 4.6% 63.7% 10.3% 38.0%
放火 26.1% 34.1% 22.6% 33.1% 25.4% 4.8% 31.8%

 法務省は12日、「重大事犯者の実態と処遇」を特集した2010年版「犯罪白書」を公表した。
 法務省の研究機関「法務総合研究所」が、2000年(1月〜6月)に出所した重大事件(殺人、傷害致死、強盗、強姦、放火)の服役者を調査したところ、09年末までに322人(31.5%)が再犯に及んでいたことが明らかになった。
 罪種別で最も再犯率が高いのは、「強盗」の39.1%。以下、「強姦」38.5%、「傷害致死」32.9%、「放火」26.1%、「殺人」17.2%の順。322人のうち、出所後1カ月未満での再犯者は29人。強盗の出所者は再犯者142人のうち1カ月未満が18人だった。
 別表のように、重大事犯者の場合、満期で釈放された受刑者の再犯率は、仮釈放の場合と比べて圧倒的に高い。重大事犯者の中には、社会人として更生するケースも少なくないが、長期間の服役による社会や親族との断絶や世間の厳しい犯罪感情などから更生が困難な状況にあることが浮き彫りとなった。
 重大事犯者の一定数は、無期懲役が確定した受刑者になる。法務省「矯正統計」(09年)によると、無期懲役受刑者1772人のうち、09年に仮釈放されたのは6人(0.34%)にすぎない。刑法は、無期の場合、10年経過後に仮釈放ができると定めているが、仮釈放者6人の平均受刑在所期間は約30年2カ月に及んでいる。
 さらに、09年に出所した受刑者の帰住先は、仮釈放者の64.5%が「親族」、23.2%が「更生保護施設等」であるのに対して、満期釈放者は「親族」が40.2%、「更生保護施設等」が5.2%といずれも低い。
 無期懲役囚は20歳代に犯罪を犯したとしても、出所時には50歳代を超えるケースが大半になる。60代、70代になることも珍しくはなく、技能や資格がなければ、出所後の雇用は厳しい。その場合、社会生活は困難となり、再犯を厭わない状況に陥ることも考えられる。また、仮釈放中に交通違反の罰金刑を受けたり、保護観察の遵守事項違反があれば、仮釈放が取り消されるため、再び刑事施設に入所することは避けられない。
 犯罪白書は、重大事犯者に対し、しょく罪指導プログラムや性犯罪再犯防止指導などの処遇や社会復帰支援策の充実の重要性を指摘している。(文・東)

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