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大津透『神話から歴史へ』天皇の歴史1(講談社)
大津透『神話から歴史へ』(講談社)

年末からコンサートと映画の記事ばかりで、遊んでばかりいると思われると困るので、まだ3分の2程度しか読んでいませんが、いま読んでいる本を紹介しておきます。

講談社の「天皇の歴史」(全10巻)の第1巻、大津透『神話から歴史へ』です。

正直言って、最初、「天皇の歴史」などというタイトルで、どうせろくでもないシリーズなんだろうと思い、それどころか、そんなシリーズに大津さんが「神話から歴史へ」というタイトルで書くというので、少々危ぶんでいたのですが、まったく余計な心配でした。そもそも、大津透、河内祥輔、藤井譲治、藤田覚の4氏が編集委員で、トンデモ本になるはずがありません。

体系的に追っかけたことはありませんが、古代史にかんしていえば、最近、皇位継承や宮廷儀式、あるいは遷都の理由や背景などの詳しい文献学的な検討から、当時の大和政権のあり方に迫る研究がいろいろと出ています。さらに、考古学的にもいろいろ新しい発掘の成果もあって、ほんとうにおもしろい状況になっています。

第1巻では、そうした最新の成果を踏まえて、卑弥呼の時代から大化の改新を経て、律令制の確立期にいたるまでの歴史が叙述されています。ただ、大津さんの専門外になるので、考古学的な部分については、叙述に物足りなさを感じます。

また、序章の「マルクス主義を中心とする歴史学」の扱いには、私としては異論もあります。大津氏は「マルクス主義を中心とする歴史学」を克服することで、天皇・天皇制研究が深まってきたことを強調されていますが、その割に、叙述の要所では、石母田正氏、吉田孝氏などが引用されていて、研究史的な位置づけと実際の叙述が食い違っているのではないでしょうか。

しかし、なんにせよ、このシリーズがこんごどうなっていくのか、注目したいと思います。

講談社BOOK倶楽部:天皇の歴史

【書誌情報】
書名:神話から歴史へ 天皇の歴史01巻/著者:大津透(おおつとおる・東京大学教授)/出版社:講談社/発行:2010年11月/定価:本体2,600円+税/ISBN978-4-06-280731-9

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投稿者:

GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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