Glass Blowingの作業工程

先日、「ガラスビン製造マニュファクチュアがわからん…」という記事を書いたら、先輩から“The Encyclopedia Americana, International Ed. の Glass Blowing に詳しく載ってるよ”と教えていただきました。

読んでみると、たとえばガラス吹きのチームについて、次のように書かれています。

ガラス吹き作業をうまくおこなうには、shop(イギリスではchair)と呼ばれる5〜7人のチームが必要である。通常の shop は6人で構成される。shop を構成するのは、

  1. gaffer(grandfather の古いイングランド訛り)または blower――グループの責任者。
  2. servitor(従者)またはserver――溶融ガラスを基本的な形に吹く。そして、それを最終的に仕上げる gaffer に渡す。
  3. gatherer――溶融ガラスを吹き竿の端に集め、それを吹いたり捏ねたりして大雑把な形にしてservitor に渡す。
  4. bit gatherer――脚、持ち手、その他のパーツに必要な小さな溶融ガラスを集める。gaffer と一緒に最終工程で仕事をする。
  5. stickup boy――gaffer のそばで、つけ加えるために for affixing 溶融ガラスを持っている。
  6. transfers――完成した製品を受け取り、徐冷室 annealing oven に運ぶ。

これは、glass-blowing つまり「宙吹き」で、マルクスが取り上げたガラス瓶製造マニュファクチュア(「型吹き」)とは作業工程が少し違うようです。bit gatherer なんていうのは、瓶製造の場合には出てこないでしょう。

また、アメリカでのやり方が書かれているので、イギリスの場合と多少違っていることも考えられます。たとえば、マルクスは、bottle maker(おそらくチームの責任者)とは別に blower がいると書いていますが、こちらではチームの責任者が gaffer または blower と呼ばれています。ただし、その場合でも、servitor がまず基本的な形に吹いて、それを blower が完成させるというふうになっているので、servitor がマルクスのいう blower で、ここで言う blower が マルクスの言う bottle maker または finisher にあたるという可能性もあります。

また、出来上がった製品を徐冷室に運ぶ係がいるというのは、マルクスの言う taker-in に当たるのかも知れません。だとすると、これは文字どおり「運搬工」になります[1]

そのほかにもこんなことが書かれています。マルクスが書いていた hole などという呼称も出てきます。

 それぞれの shop は、独立した窯から、あるいは、窯の穴から作業する。それぞれの shop は、自分たちの道具、ベンチ、ガラスを暖めなおすための小さな窯(glory hole と呼ばれる)を持っている。しばしば連続窯 continuous furnaces がつくられ、一方の側では、いくつものグループの blower が作業をし、もう一方の側では、溶融ガラスが、自動で吹いたり型押ししたりする機械に送り込まれている。
 その場で吹く offhand blowing 最初の工程は、溶融ガラスの一定量を、長さ4〜6フィートの吹き竿の端に集めることだ。それは、ポットまたは窯に吹き竿をつけて、回転させることによっておこなわれる。gatherer は、つくる製品に必要なガラスの量を正確に集めるように注意する。それとともに彼は、平らな肉厚な隣接台でガラス種を回したりひっくり返したりして、表面に硬い、粘り気のある層をつくる。そのあと、gatherer は、吹き竿にゆっくりと息を吹き込んで、大雑把な球 a rough bulb に膨らませる。球の内側の層は作業員の呼気によって冷やされ、そうして2つの皮 skins にはさまれたより流動的なガラスの層が取り残される。

ぶっさん@高知にご紹介いただいたTHE GENTLE ART OF BLOWING BOTTLESでは、hand-blowing の作業は6人でやる、と書かれています。

  1. 窯からガラスを集める gatherer
  2. blower
  3. 鋳型を扱う人
  4. blowerによって残されたバブルを削り取る人
  5. 瓶の首を仕上げる shaper
  6. 完成した瓶をなまし窯 lehr に持って行くcarrier-off[2]

そして、blower と gatherer は、一方が吹いているとき、他方がガラス種を集め、次は、2人目が吹き、そのあいだに最初の人が自分で吹き竿の先にガラス種を集める、というふうに代わる代わる、吹く作業と集める作業を繰り返す場合があると書かれています。

意味がよく分からないのは、4ですね。原文では、a man to chip off the bubble left by the blower. この bubble が何を指しているのか、よく分かりません。溶融ガラスのなかにある気泡のことなのか、それとも、blower が膨らませたガラス球のことなのか。

後の方には、「ガラスのバブルは、鋳型の口から出てきて、直径2フィートにふくらんで、ボンと破裂して、あたりは、キラキラ輝くガラスの薄片で、まるで埃がまったように、一杯になった」 A bubble of glass sprang from the mouth of the mold, swelled to two feet in diameter, and burst with a bang, filling the air with shimmering flakes of glass, light enough to be wafted like motes. という記述が出てきたりします。これだと、バブルは、鋳型に溶融ガラスを流し込んだところで、はみ出した? ガラスが膨らんだもののように読めますが、はたしてこれが通常の作業工程なのか、それとも失敗かなにかしでかしたものなのかも、よく分かりません。

ということで、謎が謎を呼ぶばかりです。(^_^;)

  1. 追記――「ガラスビン製造マニュファクチュアがわからん…」では、完成した瓶を運び出す労働者が「本来の瓶製造」に含まれるのはおかしいと書きましたが、訂正します。 []
  2. 追記――ここでも、徐冷室へ運ぶ作業が本来の瓶製造工程の1つとして上げられています。 []

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