産経新聞が核・安保政策で世論調査

産経新聞が核・安保問題で世論調査を実施した。

産経新聞は「核論議は長くタブー視されてきたが、いよいよ国民が許容する時期を迎えている」と、日本の核武装を含めて国民が許容し始めたかのように書いているが、中身を読むと、55.9%が「非核三原則」を「堅持すべき」と答えているし、48.6%が「日本が核を保有しなくても日本の安全は守られる」と答えている。「日本の安全保障体制について、最も望ましいのは」の問いに「核を保有した自主防衛」と答えたのは10.2%にすぎない。

また、「日米安保体制を堅持すべきか」の問いには77.3%が「思う」と答えているが、「日本の最も望ましい安全保障体制」としては「日米安保体制の堅持」は43.4%しかない。現在の東アジア情勢のもとでは、安保はやむを得ないが、将来にわたって日米安保体制を維持する必要はないと考えている人が30%以上存在するというか。なかなか興味深い現象かもしれない。

国会で核議論すべき86.7%:MSN産経ニュース
「4島一括返還変換求める」51.3%:MSN産経ニュース
質問と回答(2月12、13日調査):MSN産経ニュース

国会で核議論すべき86.7%

[MSN産経ニュース 2011.2.14 22:50]

 産経新聞社は12、13の両日、政治と安全保障政策に関する世論調査を実施した。政府や国会が核問題の議論を行うことに「賛成」する人が86.7%を占め、「賛成しない」は8.5%にとどまった。北東アジアの核兵器の現状に不安を感じる人は84.1%。望ましい日本の安保体制を聞いたところ「核を保有した自主防衛」を支持する意見も10.2%だった。核論議は長くタブー視されてきたが、いよいよ国民が許容する時期を迎えている。
 日本周辺で中国とロシアが核兵器を保有し、北朝鮮が2度の核実験を行っているが、日本は「非核三原則」を堅持し、日米安全保障条約に基づき米国の核抑止力(核の傘)を依存しているのが実情だ。
 調査では、北朝鮮が開発を進めている核搭載可能なミサイルについては9割超が「脅威」と回答。日米安保体制については「堅持すべきだ」と思う人が77.3%を占め、「堅持すべきと思わない」は11.4%にすぎなかった。
 ただ、米国の「核の傘」を「信頼できる」は54.9%にとどまり「信頼できない」は32.6%に上った。
 昭和42年に佐藤栄作内閣が打ち出し、昨年3月に鳩山由紀夫首相が国会で「国是」と答弁した非核三原則(持たず、作らず、持ち込ませず)は、55.9%が「堅持すべきだ」と回答する一方、「見直すべきだ」との回答も39.0%となり4割に迫った。
 日本が核保有しなくても「日本の安全は守られる」としたのは半数をわずかに下回り48.6%。「思わない」は35.6%だった。
 望ましい日本の安全保障体制では「日米安保体制の堅持」が最多の43.4%、「核を保有しない自主防衛」(32.9%)、「核を保有した自主防衛」(10.2%)、「中国と連携」(6.1%)と続いた。

「4島一括返還変換求める」51.3%

[MSN産経ニュース 2011.2.14 22:53]

 産経新聞が12、13両日に行った世論調査で、菅内閣の北方領土問題への取り組みについて「評価しない」が70.8%で7割を超え、「評価する」の15.3%を大きく上回った。昨年11月のメドベージェフ露大統領の国後島訪問以来、露政府高官が続々と北方領土を訪問し、実効支配を強めていることに対し、有効な対抗策を打ち出せないことへの不満の表れだとみられる。
 北方領土問題で政府の交渉姿勢については「あくまで4島一括返還を求める」が51.3%で過半数となった。「歯舞群島、色丹島の2島先行返還」は26.1%にとどまり、「返還を求めない」は4.3%だった。
 菅直人内閣の外交への信頼の低さは対ロシアだけではない。沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で悪化した日中関係は「評価する」が10.7%。膠着状態に陥っている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題への対応は「評価する」は12.6%。首相が「外交の基軸」と強調する日米関係さえも「評価する」は30.4%だった。
 日露関係をめぐっては前原誠司外相が10?13日に訪露し、ラブロフ外相と会談したが、両政府の主張は平行線をたどり、事態打開のメドは立っていない。首相は14日、前原氏に「引き続き日露関係の強化に取り組むように」と命じたが、具体的な事態打開策は示すことはなかった。
 首相は昨年11月の横浜市でのメドベージェフ大統領との会談で、国後島訪問に抗議したが、「日本固有の領土」「不法占拠」との表現を避けた。ところが「北方領土の日」の今月7日には「許し難い暴挙」と強く非難した。こうした首尾一貫しない姿勢が低評価につながったとみられる。

質問と回答(2月12、13日調査)

[MSN産経ニュース 2011.2.14 22:44]

■質問と回答

【問】菅直人内閣を支持するか

 支持する20.7(28.3) 支持しない62.9(53.5) 他16.4(18.2)

【問】どの政党を支持するか

 民主党18.0(19.3) 自民党18.2(21.4) 公明党4.1(5.3)
 みんなの党7.1(7.6) 共産党2.7(1.6) 社民党1.0(1.0)
 国民新党0.4(0.4) たちあがれ日本0.3(0.5) 新党改革0.2(0.1)
 他政党2.0(1.5) 支持政党なし44.9(40.4) 他1.1(0.9)

【問】菅内閣の外交・安全保障政策について次のものを評価するか

《尖閣問題への対応》
 評価9.3 評価しない79.8 他10.9

《日中関係》
評価10.7 評価しない75.7 他13.6

《日米関係》
 評価30.4 評価しない55.1 他14.5

《普天間移設問題》
 評価12.6 評価しない73.0 他14.4

《北方領土問題》
 評価15.3 評価しない70.8 他13.9

【問】北方領土問題で政府がとるべき交渉姿勢は

 あくまで4島一括の返還を求める 51.3
 歯舞群島、色丹島の先行返還を求める 26.1
 北方領土面積の半分の返還を求める 10.5
 返還を求めない 4.3
 他 7.8

【問】北東アジアの核兵器の現状をどう感じるか

 不安を感じる84.1 気にならない14.2 他1.7

【問】北朝鮮が核搭載可能なミサイルを保有することは日本に脅威か

 思う90.5 思わない7.9 他1.6

【問】日本は米国の「核の傘」の下にあるが、米の核兵器は抑止力として信頼できるか

 思う54.9 思わない32.6 他12.5

【問】日米安保体制を堅持すべきか

 思う77.3 思わない11.4 他11.3

【問】「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を見直すべきか

 思う39.0 思わない55.9 他5.1

【問】日本が核を保有しなくても日本の安全は守られるか

 思う48.6 思わない35.6 他15.8

【問】政府や国会が核問題に関する議論を行うことに賛成か

 賛成86.7 賛成しない8.5 他4.8

【問】日本の安全保障体制について、最も望ましいのは

 日米安保体制の堅持43.4 中国と連携6.1 核を保有した自主防衛10.2
 核を保有しない自主防衛32.9 他7.4

(注)数字は%。( )内の数字は前回1月15、16日の本社・FNN合同世論調査結果。(?)は前回データなし。「他」は「分からない」「言えない」など

 ■世論調査の方法 調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。調査対象は全国の成年男女1000人。

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