いよいよ立ち往生か…

これまでは、「予算は成立しても関連法案が……」といわれていたが、いよいよ政権そのものがあやしくなってきた。

朝日新聞が、本日の朝刊1面トップで、「首相の進退が焦点」とデカデカと報じた。何をネタに書いたんだろうと思っていたら、どうやら、民主党の某有力幹部が公明党に、首相退陣を条件に協力を要請した、という話らしい。

予算関連法、年度内成立困難 首相の進退が焦点に:朝日新聞
「首相退陣と引き換えに協力を」民主幹部、公明に打診:朝日新聞

菅首相が、いくらこのままがんばるといってみても、予算案さえおぼつかないということになれば、二進も三進もいかない。しかし、じゃあ菅首相が退陣して、民主党の誰かに代わったとして、それで展望が出てくるかといえば、やっぱり参議院の過半数割れはいかんともしがたいし、衆議院で社民党を抱き込む話も、アメリカや財界との関係では、社民党のお気に召すほどの譲歩は難しい以上、あまり展望はでてこない。

しかし、16人の造反議員にしてみても、菅首相に辞任させて、民主党の代表選挙だと言ってみても、肝心の小沢一郎氏を担ぎ上げるわけにはいかないだろう。そもそも、予算を人質にして、彼らは何をしようというのか。与党の身でありながら、予算案を実際につぶしてしまえば、民主党もろともに落ちぶれるだけだろう。となると、予算の前に小沢氏の党員資格停止処分を撤回せよ、ということしかないのだが、それはおよそ「私闘」というもので、そのために予算を人質にとるというのはまったく筋が通らない。自民党、公明党と組んで、菅内閣打倒をやったのでは、そもそも「政権交代に責任を持つ」ことにならないし。

ということで、こちらも展望があるわけではない。その意味で、菅政権がゆきづまっただけでなく、民主党政権そのものがとことんゆきづまってしまっているといわざるを得ない。

予算関連法、年度内成立困難 首相の進退が焦点に

[asahi.com 2011年2月18日3時2分]

 2011年度予算関連法案のうち、赤字国債発行のための特例公債法案など主要法案の年度内成立が困難な情勢となった。17日に会派離脱を表明した民主党の衆院議員16人は予算関連法案の採決で造反する構えで、同調者が広がる可能性もある。社民党も民主党との政策協議に否定的で、衆院の再可決に必要な3分の2議席確保の見通しは立たなくなった。民主党内には関連法案の成立と引き換えに菅直人首相の退陣もやむを得ないという声が出始めており、首相の進退が焦点になってきた。
 菅首相は17日、渡辺浩一郎衆院議員(比例東京ブロック)ら比例単独当選の16人が「民主党政権交代に責任を持つ会」と称する新会派立ち上げを表明したことについて、記者団に「まったく理解できない行動だ」と批判。これらの議員が2009年衆院選の政権公約(マニフェスト)見直しを批判していることに「マニフェストの見直しは、せんだっての党大会で承認された」と反論した。
 新年度予算案は3月2日までには衆院を通過し、年度内に成立する見通し。首相や党執行部は予算関連法案もなお年度内成立を探る構えだが、状況は厳しい。会派離脱の動きについて、岡田克也幹事長は17日の記者会見で「パフォーマンスと言われても仕方ない」と批判する一方、渡辺氏ら16人の処分には「めくじらを立てるほどでもない」と沈静化を図る方針だ。
 ただ、16人は小沢一郎元代表に近く、小沢氏もこうした動きを容認しており、同調者がさらに広がる可能性もある。
 また、党内情勢が混乱してきた民主党に対して、社民党幹部は同日、「こちらと協議している一方で、足元がぐらついている。このような状態では事実上、協議は打ち切りだ」と指摘。予算案と予算関連法案をめぐる政策協議から撤退する方向だ。
 首相はこれまで、野党多数の参院で否決されても、社民党の協力を得て衆院3分の2の議席で再可決する道筋を描いていた。その国会戦略の根幹が揺らぎ、特例公債法案の年度内成立が図れなければ、92.4兆円の新年度予算案のうち4割強の40.7兆円の財源は賄えなくなる。4月以降は毎月入ってくる税収などで乗り切らねばならないという異例の事態になる。
 また、税制改正法案や子ども手当法案も成立の見通しが立っていない。法人実効税率の5%引き下げや成年扶養控除の縮小・廃止などが実現できなくなるほか、子ども手当は4月から自公政権時代の児童手当に戻さねばならず、システム移行などで現場の自治体に混乱も予想される。
 内閣支持率は低迷しており、菅内閣の取り組みへの国民世論は厳しい。4月以降に混乱が生じ、国民生活にも影響が出てきた場合、政権批判が高まる可能性もある。
 このため、昨年9月の党代表選で首相を支持した議員からも、野党の協力を得るためには首相の退陣もやむを得ないとの声が出始めている。前原誠司外相グループのある議員は「首相のクビと引き換えに予算関連法案を通すしかない」と語る。
 民主党最大の支持団体である連合の古賀伸明会長も同日の会見で、「統一(地方)選を目の前に控え、中央の政党がこのような状況になることは我々の活動にも大きな影響を与えかねない」と苦言を呈した。

「首相退陣と引き換えに協力を」民主幹部、公明に打診

[asahi.com 2011年2月18日15時2分]

 新年度予算の関連法案をめぐり、菅直人首相を支持してきた民主党の有力幹部が公明党幹部に対し、首相退陣と引き換えに関連法案成立に協力を得られないか打診していたことがわかった。小沢一郎元代表に近い議員ばかりではなく、首相支持派からも首相退陣で局面打開を目指す動きが出てきた形で、政権運営は一層厳しさを増している。
 この民主党幹部は今週に入り、公明党幹部と会談し、菅内閣がめざす新年度予算案と関連法案の年度内成立を要請した。「首相のクビを代えてもいい。何とかならないか」と働きかけたという。さらに子ども手当法案を大幅修正する用意があることも伝えた。
 公明党幹部は、民主党幹部からの打診を断ったという。公明党は4月の統一地方選に向けて民主党政権との対決姿勢を強め、予算案と関連法案に反対する方向で調整を進めている。
 与党が予算関連法案を成立させるには、野党が多数の参院で公明党の賛成を得て可決するか、社民党の賛成を得て衆院の「3分の2」以上の賛成で再可決するしかない。公明党が対決姿勢を強めたため、民主党は社民党に接近して衆院再可決を目指してきたが、小沢氏を支持する民主党の衆院議員16人が造反の構えを見せ、衆院「3分の2」の確保は困難になった。
 民主党執行部は統一地方選後に公明党の姿勢が軟化することを期待しており、今後、首相退陣や子ども手当法案の修正などの大幅譲歩案を公明党に示して協力を要請する動きが一層強まる可能性がある。
 一方、首相は続投の意思は固く、予算案と関連法案の採決に向けて執行部内の意見対立が深刻になる展開も考えられる。
 18日の閣議後会見では、民主党衆院議員16人の会派離脱の動きをめぐり反応が相次いだ。首相退陣論について、枝野幸男官房長官は「与えられた任期の中で最大限の成果を上げていくことが菅総理に課せられている任務だ」と反論。北沢俊美防衛相は16人の会派離脱表明を「理解に苦しむ」と批判しつつも、「政権交代をして民主党政権をつくるという一点で力を合わせてきた同志なので、間違ったことはしないだろう」と呼びかけた。
 昨年9月の代表選で小沢氏を支持した海江田万里経済産業相は「(会派離脱表明は)残念だ。一致結束をして成立させてほしい。今回の事態の発端は去年の参院選であり、参院選で勝っていればこうはならなかった」と語った。中野寛成国家公安委員長は「政局を打開するため(首相退陣が)一つのきっかけをなすことはあったが、いちいちコメントするテーマではない」。与謝野馨経済財政相は「政党政治をやっていればいろいろなことが起こる。いちいち驚いてはいけない」と述べた。

そういう中で、登場したのが、予算審議の最中に内閣不信任案を提出するという自民党の「奇策」。なんとか16人の造反議員たちを取り込もうという算段だろうが、しかし残念ながら、16人全員が賛成しただけでは、不信任案は可決できない。小沢系列の議員たちの造反がもっと広がることを期待しているのだろうが、そんな按配では「奇策」程度のものでしかない。

まあ、過去にも、「出合い頭解散」みたいなこともあったから、何が起こっても不思議ではないのだが。

退陣より解散 自民も「奇策」:日本経済新聞

退陣より解散 自民も「奇策」  永田町アンプラグド

[日本経済新聞 2011/2/18 8:07]

 民主党元代表、小沢一郎を支持する若手議員が「会派離脱届」を出し、菅直人内閣を取り巻く環境は一段と厳しさを増した。内閣総辞職か、衆院解散・総選挙か。野党の関心はこの一点に絞られている。「退陣はさせない。解散させる」と意気込む自民党で、ある奇策の検討が進む。内閣不信任決議案を、予算案の審議中に提出しようというのだ。
 前官房長官、仙谷由人らを交代させる内閣改造につながった参院の問責決議案より、衆院での不信任案の政治的な意味と効果は比較にならないほど大きい。不信任案が可決されれば、首相は退陣か解散・総選挙のどちらかを選ばなければならない。野党にとっても、一国会で1回しか使えない「伝家の宝刀」だ。
 会期150日間の通常国会で野党はふつう、最終盤に不信任案を提出する。大平内閣ではハプニング的に不信任案が可決され、衆参同日選挙―首相の死去という劇的な事態につながった。宮沢内閣は当時、自民党にいた小沢たち身内の造反で倒れた。次期首相に最も近かった元自民党幹事長、加藤紘一は不信任案を巡る騒動で政治的影響力を決定的に失った。不信任案にはドラマがつきものだ。
 自民党が不信任案を提出しても、与党に300超の議席がある以上、否決は確実だ。それでも、この時期に不信任案の提出という話が出るのはなぜか。自民党幹部は「菅内閣を民主党に信任させ、辞めさせないようにするためだ」と語る。会派離脱届を出した16人の小沢系議員に「踏み絵」を迫る効果もある。
 「逆転国会」を乗り切るメドもなく、社民党も予算関連法案に反対する構えを強める。赤字国債発行法案や子ども手当法案が否決されれば、菅はいよいよ「重大な決意」を迫られるというのが、自民党や公明党の見立てである。その時に備え、退陣の理由を封じておくというのが、不信任案提出説の根拠だ。
 自民党が望むのは、退陣より解散だ。現在、自民党は衆院で117議席しかない。民主党の勢いが衰え、政党支持率も各種調査で逆転したいま、選挙すれば必ず勢力は増えるとみる。「第1党になって政権復帰だ」と期待も膨らむ。ベテラン議員も「これほど選挙してほしいという気持ちになったのは初めて」と言うほどだ。
 予算案審議中の不信任案提出に現実味は乏しい。だが、こうした説が飛び交うのは、もはや自民党で誰も「菅内閣のまま、通常国会が終わる」とは思っていないことの裏返しでもある。=敬称略(伯楽)

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