なるほど、日本海はこうやってできたのか

能田成『日本海はどう出来たか』(ナカニシヤ出版)

能田成『日本海はどう出来たか』

昨日、仕事帰りに本屋さんをプラプラしていて、偶然見つけた本。能田成『日本海はどう出来たか』(ナカニシヤ出版)

中身は、タイトル通り、日本海はどうやってできたのか、というお話。古地磁気学とストロンチウムとネオジムの同位体分析という2つのデータからは、もともとユーラシア大陸にくっついていた日本列島が、西日本はぐいと時計回りに、東日本は反時計回りに回転して、いまのようなかたちになったことが分かってくるが、それを、そプレートテクトニクスにもとづいて理論化しているところがおもしろかった。

プレートテクトニクスというと、大西洋の中央海嶺から南北アメリカ大陸とヨーロッパ・アフリカ大陸とが分かれていったというあれ。太平洋の場合には、海嶺は東の端っこにあるけれど、そこから太平洋プレートが押し寄せてきて、それが、別のプレートにぶつかって、沈み込むところが日本海溝とかマリアナ海溝とかになり、その沈み込むプレートに引っ張られて、日本列島では地震が起きたり、火山が噴火したりする。

しかし、太平洋がプレートの拡大によって出来たことはわかるが、プレートの沈み込みの場所にある日本列島の背後にある日本海はどうやってできたのか? しかも、同じプレートの沈み込みの場所である太平洋東岸には、アンデス山脈のような陸弧はあっても、その後ろに海は存在しない。この違いは、どこから生まれたのか? ここらあたりの解明は、プレートテクトニクスの研究の最前線を知る、といった感じだ。

もう1つ、この本がおもしろかったのは、そうした問題を理論として展開するのではなくて、著者の研究生活に即して書かれているところ。いつ、どんなきっかけで問題意識をもち、それをどう確かめるか計画を立てて、試料を集め分析し、さらにそれを理論化する。そういう著者の研究プロセスに沿って書かれているので、オイラのような文科系にも退屈せずにおもしろく読めた。試料を探して東北を旅してまわったり、アメリカの大学にわたってその試料を分析するくだり(第4章)は、とくにおもしろかった。著者が勤務する京都産業大学に質量分析計がなかったというのも、京産大ならさもありなん、という感じで、笑ってしまった。

叢書・地球発見12 日本海はどう出来た:ナカニシヤ出版

【書誌情報】
著者:能田成(のうだ・すすむ)/書名:日本海はどう出来たか/出版社:ナカニシヤ出版(叢書・地球発見12)/発行:2008年5月/定価:1,900円+税/ISBN978-4-7795-0012-1

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