メア米国務省日本部長「沖縄の人はごまかしとゆすりの名人」

2011年3月7日 (月) at 23:12:29 Posted in アメリカ, 在日米軍

アメリカ国務省日本部長のケビン・メア氏が昨年12月、国務省内でおこなった講演の内容を共同通信が暴露した。

アメリカ政府当局者の発想からすれば、政府間で普天間基地の移転について合意をしているにもかかわらず、それが実現する気配もみえない、というのは理解しがたい事態なんだろう。だから、「合意は日本文化」「日本でいう合意とは、ゆすりのこと」という一種の「日本異質論」に行き着いたわけだ。そして、「日本異質論」に行き着けば、「沖縄の人はごまかしとゆすりの名人」「怠惰」という侮蔑的な発言にいたるのは、ある意味当然だろう。

しかし、そもそも彼の認識の根本が間違っている。共同配信記事では省略されているが、メア氏は、もともと普天間は田畑の真ん中だったのに、基地の周辺に住宅を建て、人口が増えるのを沖縄県人が放置したのが悪い、と語っている[1]。だから、問題解決のために移設で合意したのに、文句をいうのはけしからん、ということになるのだ。

しかし、彼の認識は根本的に間違っている。もともと沖縄の米軍基地は、沖縄占領直後に住民を収容所に強制収用し、その間に県民の土地を勝手に基地にしてしまったのだ。だから、沖縄の人は誰だって、できれば米軍基地はなくなってほしいと思っている。そこで、歴代自民党政権は、何とかカネで「合意」をとりつけてこざるをえなかった。それを「ごまかしとゆすり」というなら、それは、「日本の安全保障のため」といって沖縄に基地を押しつけてきたアメリカ政府と、それに付き従ってきた自民党政権との「ごまかし」が生み出した政治のゆがみといわなければならない。

そこが、沖縄米軍基地の問題と伊丹空港との違うところなのだ。

「沖縄、ゆすりの名人」 メア米日本部長が発言:琉球新報
メア日本部長の発言要旨:共同通信

「沖縄、ゆすりの名人」 メア米日本部長が発言

[琉球新報 2011年3月7日]

 米国務省のメア日本部長(前在沖米総領事)が昨年末、米大学生らに国務省内で行った講義で、日本人は合意重視の和の文化を「ゆすりの手段に使う」「沖縄はごまかしの名人で怠惰」などと発言していたことが6日までに分かった。メア氏は米軍普天間飛行場の移設問題など日米交渉に実務者として深く関与、移設先を名護市の辺野古崎地区とした現行案決着を米側で強く主張してきた人物の一人。発言は差別的で、日本と沖縄への基本認識が問われる内容だ。
 講義を聞いた複数の学生がメモを基に作成した「発言録」(A4判3ページ)によると、メア氏は「日本の和の文化とは常に合意を追い求める」と説明した上で「日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをしながら、できるだけ多くの金を得ようとする」と述べた。沖縄については日本政府に対する「ごまかしとゆすりの名人」「怠惰でゴーヤーも栽培できない」などと発言。普天間飛行場は「(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港と同じ」で特別に危険でないとし、日本政府は仲井真弘多知事に「お金が欲しいならサインしろ」と言うべきだと述べている。
 講義は米首都ワシントンのアメリカン大の学生ら14人に対して、彼らが東京と沖縄へ約2週間の研修旅行に出発する直前の昨年12月3日、大学側の要請で行われた。
 発言録を作成した学生たちは「メア氏は間違いなくこのように言った」と証言。「米政府の地位ある人物の偏見に満ちた言葉にとても驚いた」「人種差別的発言と感じた」などと話している。

◆「正確ではない」

 ケビン・メア米国務省日本部長の話 学生たちにはオフレコ(公にしないこと)で講義を行った。彼らが私の発言をどのように解釈し、ノートに取ったかまでは関知し得ないが、学生からの2次的な情報を基に、特定の発言を私の発言とするのは不適切だ。発言録は正確でも完全でもない。

メア日本部長の発言要旨

[2011/03/06 16:16 共同通信]

 米国務省のメア日本部長の発言要旨は次の通り。

 海兵隊8千人をグアムに移すが、軍事的プレゼンス(存在)は維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。
 (米軍再編の)ロードマップのもとで日本は移転費を払う。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。
 日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。
 しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。
 沖縄の主産業は観光だ。農業もあり、ゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。
 日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。
 沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ。
 日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。(共同)

実は、メア部長は、沖縄総領事時代の2008年に「滑走路の近くの基地外に、なぜ、宜野湾市が建設を許しているのか疑問」と発言し、県民から「退島」を要求されたことがある。今回の発言で、彼が「沖縄の人々が私のオフィスの前で抗議した」云々と言っているのは、このこと。つまり、「もともと普天間は田畑のなかだったのに、その周辺に人が住みついたのが悪い」という今回の発言は、彼の「持論」なのだ。

基地被害は宜野湾市のせい?!参照。

【追記】
 「しんぶん赤旗」によれば、ゴーヤー云々のほかにも、メア部長は、次のように発言している。

 沖縄は離婚率と出生率(とくに非嫡出子)、および沖縄の、アルコール度の高い飲酒文化により、飲酒運転の割合がもっとも高い。

メア氏は、沖縄の米兵が酔っ払って事件・事故をたくさん起こしていることはご存じなかったようだ。

ということで、「しんぶん赤旗」に掲載された発言要旨を紹介しておく。

米国務省部長の講演(要旨)

[しんぶん赤旗 2011/03/08付]

 米国務省のメアに本部長が昨年12月3日、国務省内で行った講演の要旨は次の通りです。

 沖縄の、矛盾を抱えている基地(普天間)はもともと田畑のなかにあったが、今は市街地のなかにある。なぜなら、沖縄県人が米国施設の周辺の都市化と人口増加を許したからだ。
 民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄と連絡をとる“パイプ”を持っていない。私が沖縄の人々と接触するよう提案したとき、民主党幹部は「はい、はい、どうぞ!」と言った。自民党は沖縄と連絡を取り、今の民主党政権よりも沖縄の人々の関心を理解していた。
 2009年の総選挙は民主党に権力をもたらした。鳩山(由紀夫前首相)は左翼の政治家だった。民主党と鳩山(の存在)にもかかわらず、日米は5月の2プラス2共同発表をこなしてきた。
  ◆   ◆
 米国は沖縄における米軍兵力を削減するために8000人の海兵隊をグアムに移す。東京(日本政府)は、沖縄県知事に対して、こう言う必要がある。「もし金がほしいなら、署名しろ(移転計画に賛成しろ)」と。
 日本の文化は“和”の文化だ。それは合意に基づいている。日本人が“合意”と言っているのは、“ゆすり”を意味する。そして、この合意の文化は“ゆすり”の手段だ。
 合意を求めるふりをして、人々は可能な限り、より多くの金を得ようとする。沖縄の人々は“ごまかし”と、東京の“ゆすり”の名人だ。
 沖縄には農業があるが、主要産業は観光だ。沖縄ではゴーヤーが栽培されているが、他県では沖縄以上にゴーヤーを栽培している。沖縄県民はあまりにも怠惰でありゴーヤーを栽培できないのだ。
 沖縄は離婚率と出生率(とくに非嫡出子)、および沖縄の、アルコール度の高い飲酒文化により、飲酒運転の割合がもっとも高い。
  ◆   ◆
 日本にいる間、あなたたちは“建前と本音”に注意深くなければならない。建前と本音は“言葉と実際の意思は異なるという発想”だ。沖縄にいる間、私は米海兵隊普天間基地について“特別に危険ではない“と言った。私の発言により、沖縄の人々は私のオフィスの前で抗議した。沖縄県民は普天間基地が世界一危険だと主張しているが、彼らは、それは真実ではないと分かっている。福岡空港や大阪の伊丹空港は同じように危険だ。
 日本の政治家はいつも建前と本音を使う。沖縄の政治家は東京では交渉に合意するが、沖縄に戻ると、そんなことはなかったと主張する。米国大使が真実を述べると、いつも批判にさらされる。なぜなら、日本の文化は建前と本音に、あまりに焦点を当てすぎているからだ。
 私は日本の憲法9条を変えるべきだとは思わない。もし日本国憲法が変えられたら、米国の国益を促進するために日本の土地を使えなくなる。現在、日本政府が支払っているホストネーション・サポート(思いやり予算)は有益だ。

【さらに追記】

朝日新聞に、メモをつくった学生への取材記事が載っていたので貼り付けておこう。

メア氏発言「日本との友情、台無し」 講義聴いた学生:朝日新聞

メア氏発言「日本との友情、台無し」 講義聴いた学生

[asahi.com 2011年3月8日22時59分]

 米国務省のケビン・メア日本部長が「沖縄はゆすりの名人」などと米大学生らを前に発言した問題で、講義に参加したトーリ・ミヤギさん(20)が8日、朝日新聞の取材に応じた。沖縄に祖先を持ちハワイ出身で日系4世のミヤギさんは、講義後の昨年末に沖縄を訪れた経験をふまえ「メア氏の発言は私たちと日本との友情を台無しにした」と語った。
 講義は昨年12月3日に国務省であった。ミヤギさんによると、参加したワシントンのアメリカン大の学生14人のうち5人がメモを取り、互いに確認して発言録としてまとめた。「録音はしていないが、内容は正しい」という。
 ミヤギさんら学生たちは講義後の12月18〜26日、沖縄を訪問。米軍基地を視察したり、地元の政治家や住民らと意見を交換したりした。ミヤギさんは「那覇から名護まで行き、多くの人に会った。ウチナーンチュ(沖縄の人)は正直で勤勉で誠実だった。ゆすり屋はいなかった。子どもたちのために、安全で清潔で健全な社会を望む家族がいた」と振り返る。
 そのうえで「日米同盟によって50年以上、両国は自由で安全で強くあり続けてきた。アジアの平和と安定を望むなら、私たちの友情を輝かしく強く保たねばならないが、メア氏のような発言は我々の絆を傷つける」と批判した。(藤田直央)

【さらに追記】

沖縄タイムスのサイトに、メア発言とされるメモ(英文)が載っていました。

沖縄タイムス | メア日本部長発言録全文(英文)

メア日本部長発言録全文(英文)

United States Department of States Briefing

December 3rd, 4pm, at the Department of State Participants

-Department of State: Mr. Kevin K. Maher, Director of the Office of Japan Affairs

-American University:

14 Members of Alternative Break Trip to Okinawa, Japan, Winter Break 2010, “U.S. Military Bases and Their Impacts in Okinawa, Japan” Presentation

 ※All opinions and claims are from Mr. Maher

-I was the Consul General in Okinawa until 2009. It is said that a half of U.S. bases in Japan is located in Okinawa, but the statistic only includes bases used exclusively by the US Military. If all bases, US bases and bases jointly used by the US and JSDF, are considered, the percent of bases in Okinawa is much lower.

-The controversial bases in Okinawa were originally in the middle of rice fields, but are now in the middle of towns because Okinawans allowed urbanization and population growth to surround United States facilities.

-The US bases in Okinawa exist for regional security. The Japanese obligation under the US-Japan security treaty is to provide land for bases. The relationship between Japan and the US under the security treaty is asymmetric and benefits the Japanese to the detriment of the US. Japan is not obligated to defend the United States if US forces are attacked, but the United States must defend and protect Japan’s people and property.

-Collective security is not a constitutional issue, but a policy issue.

-Eighteen thousand (18,000) US Marines and an air wing are stationed in Okinawa. The United States needs bases in Okinawa for two reasons: bases are already there and Okinawa is an important geographical location.

– (While showing a map of East Asia) US Forces Japan is headquartered in Tokyo and is the location of a logistics hub that would coordinate supplies and troops in the event of a crisis. Misawa, an important base in the Cold War, is the closest U.S. base to Russia and the base at Iwakuni is only 30 min from Korea, yet Okinawa’s geographic location is important to regional security.

-Okinawa was an independent Kingdom paying tribute to China, although it has never been a part of China. The U.S. occupied Okinawa until 1972.

-The Okinawan people’s anger and frustration is directed at Japan rather than the United States.The DPJ government does not understand Okinawa. The Japanese government does not have a “pipe” of communication to Okinawa. When I offer to contact people in Okinawa DPJ officials say “Yes! Yes, please!” The LDP communicated with Okinawa and understood Okinawan concerns better than the current DPJ government.

-One third of people believe the world would be more peaceful without a military. It is impossible to talk with such people.

-The 2009 electionbrought the DPJ to power, which was the first change in the government of Japan.Hatoyama was a leftist politician. Despite the DPJ and PM Hatoyama, the US and Japan managed to issue the 2+2 statement in May.

(Mr. Maher left the room and two his colleagues gave a lecture about the US-Japan economic relationship. Mr. Maher returned to resume his lecture and the two officials left the room.)

-The US will relocate 8000 Marines from Futenma to Guam in order to reduce the US Military footprint on Okinawa.The plan will allow the US to maintain a military presence in the region to provide regional security and deterrence capability.Under the Roadmap, Japan will provide money for the relocation and it is a sign of a tangible effort from Japan. The DPJ government has delayed implementation, but I am confident that government will implement the existing plan. Tokyo needs to tell the Okinawan Governor, “if you want money, sign it [agree to the relocation plan].”

-There is nowhere else to base US Marines. The DPJ suggested a replacement facility in mainland Japan, but there is no place in mainland Japan for the US Military.

-Japanese culture is a culture of “Wa” (harmony) that is based on consensus. Consensus building is important in Japanese culture. While the Japanese would call this “consensus,” they mean “extortion” and use this culture of consensus as a means of “extortion.” By pretending to seek consensus, people try to get as much money as possible. Okinawans are masters of “manipulation” and “extortion” of Tokyo.

-Okinawa’s main industry is tourism. While there is an agricultural industry, the main industry is tourism. Although Okinawans grow goya, other prefectures grow morethan Okinawa. Okinawans are too lazy to grow goya.

-Okinawa has the highest divorce rate, birthrate (especially out of wedlock) and drunk-driving rate due to Okinawa’s culture of drinking liquor with high alcohol content.

-You should be carefulabout “tatemae and honne” while in Japan. Tatemae and honne is the “idea that words and actual intentions are different.” While in Okinawa, I said MCAS Futenma “is not especially dangerous.” My statements caused Okinawans to protest in front of my office. Although Okianwans claim MCAS Futenma is the most dangerous base in the world,they know it is not true. Fukuoka Airport and Osaka Itami Airport are just as dangerous.

-Japanese politicians do Tatemae and Honne all the time. Okinawan politicians will agree to a negotiation in Tokyo but return to Okinawa and claim they did not. The US Ambassador and other representatives to Japan are constantly criticized for speaking the truth because the Japanese culture is too focused on tatemae and honne.

-The US Military and JSDF have different mentalities. The US Military trains to prepare for possible deployment, but the JSDF train without actually preparing for deployment.

-Local people oppose to night training by the US Military but it is necessary because modern warfare is often fought at night. Night training is essential to maintain deterrence capability.

-I don’t think Article Nine of the Japanese Constitution should change. I doubt it will ever be changed. It would be bad for the United States if the Japanese Constitution was changed because Japan would not need the United States’ Military. If the Japanese Constitution was changed the United States would not be able to use

Japanese land to advance US interests. The high host nation support the Japanese government currently paysis beneficial to the US.We’ve got a very good deal in Japan.

  1. 【追記】その後、8日18時13分に配信された共同通信の記事(メア日本部長の発言録要旨:共同通信)では、「普天間はもともと田畑のなかにあった」云々の発言も紹介されている。 []

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One Response to “メア米国務省日本部長「沖縄の人はごまかしとゆすりの名人」”

  1. noga Says:

    >日本の政治家はいつも本音と建前を使う。
    >沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。
    >日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。

    日本人は、「本音と建前」が詭弁であることを知らない。我々は、そのように教育されてはいない。
    「沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。」は、当人たちは嘘をついているということである。
    このような態度では、我々は統一ある世界に近づくことはできない。

    日本人の判断基準は、「世の中は、、、、」(現実の内容) ということ。
    英米人の判断基準は、自分の考えの内容 (非現実の内容) である。
    だから、日米間では話は合わない。不信感は募る。

    http://d.hatena.ne.jp/takashi1982/20110307/1299426703

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