3つのテンペスト

松岡和子訳『テンペスト』(ちくま文庫)池上永一『テンペスト』(角川文庫)
左=松岡和子訳、シェイクスピア『テンペスト』(ちくま文庫)、右=池上永一『テンペスト』第1巻<春雷>(角川文庫)

松岡和子さん訳の『オセロー』のあとは、『テンペスト』を読み終えました。

ミラノ公国の大公位を奪われ、孤島に追いやられたプロスペローのもとに、嵐で遭難して流れ着いた簒奪者である弟のアントニオ、ナポリ王のアロンゾとその弟セバスチャンら一行。いまこそ12年前の復讐の時が来たる…。

ご存じシェイクスピアの(単独著作としては)最後の戯曲。みずから魔法を修め、嵐を起こし復讐を遂げんとする老いたるミラノ公は、精霊たちをあやつり、アントニオにナポリ王弟を唆せて、かつての自分のように兄を裏切らせようとしたり、一人娘ミランダとナポリ王の息子フェルディナンドとが恋するようにしむけたり、さらには間狂言のようにナポリ王の賄い方と道化のドタバタ騒ぎがあったりと、にくいほどの筋立てと演出です。

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